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かつて『アジアの奇跡』と言われた東アジア(特に韓国、台湾、香港、シンガポール)の経済発展の成功した主要な要因ってなんだったのでしょうか?

なぜ世界的にこの『アジアの奇跡』がここまで有名になったのですか?

A 回答 (2件)

経済学視点からの参考で構いませんか?


私の知る限り、主な成長要因は二つのうちのどちらか、と考えられているようです。

一つは、技術進歩(technological progress)による成長です。
TFP(total factor productivity)の増加とも言われます。
例えば、今まである一台の機械で一時間に二つの物しか作れなかったとします。
今度は改良した機械(一台)で30分で二つ作れるようになったということですね、技術進歩とは。
機械を改良できる人がいなければ、技術進歩は起こりません。
PIEDさんが読まれたであろう『東アジアの奇跡』はこういった技術進歩が経済成長の主な要因であると書いてあると思います。

また、有形投入量(tangible inputs)による成長だと主張する方もいます。
有形投入とは、設備投資など形がある資本の投入のことです。
こちらは機械の改良は考えられていません。
イメージは、一時間で二つしか作れない機械を多く設置して、生産を高め、東アジア経済が成長した、ということです。
ですから、クルーグマン氏は、悲観的にこのような成長はいずれ、減速するとおっしゃっています(The Myth of Asian Miracle by Paul Krugman)。
翌年も機械改良ができず、一時間で二つしか作れない機械を三台、設置して一時間に6つ物を作る国、翌年、更に機械を15分で二つ作れるように改良し、同じく三台の機械で一時間に24個の物をつくる国、どちらの方が成長し続けることができるでしょうか?

なぜはっきりと主要成長要因はこれだと言えないかというと、計量方法やどのぐらいの期間のデータを使うかによって分析結果が変わってくるからです。

また、経済成長の要因は、技術進歩や有形投入量といった資本だけではなく、労働力の投入量にもよります(経済成長理論上)。

『アジアの奇跡』が有名になったのは1997-98年のアジア危機が起こる前まで、高成長を続けていた東アジアに世界の人々がその主要要因は何か興味を持ったからではないでしょうか。
危機が起こる前の三十年、東アジアは一人あたりGDPが毎年、5%近く増加していたのに対し、中東やアフリカはマイナス、先進国や中南米は1%から2%程度の成長でした。
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日本も含めて欧米以外の国が発展した場合に、「奇跡」というのは一種の蔑視の様な気がしますが、共通する要因でくくっていけば以下の様になるでしょう。


自然資源が少ない一方、教育された労働者が密集して生活し、それをコントロールする政体が安定している。
経済発展中の初期には、日本型のもたれあい金融・終身雇用・年功/学歴による序列と言うスタイル自体も寄与していましたが、結局その部分の負の面が表に出て、一時は破綻に追い込まれました。
冷戦時における西側先進国は、日本を始めとする非共産圏東アジアの経済発展を喧伝し、自由経済の優位性を強調しました。
(一方、共産側もあの北朝鮮を成功例として、一時期宣伝していました)
結果としてアジア地区での冷戦宣伝においては、ベトナムの敗戦を、東アジアの経済発展が凌駕した結果となりました。
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