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ピロメリット酸二無水物(PMDA)と4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(ODA)を用いて、ポリアミド酸の合成を行っています。
しかし、指示を出された通りにしか合成を行っていないので、操作の意味が全くわかりません。以下の操作についてご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。よろしくお願いします。

(1)ODAとPMDAの反応を0℃でかく拌して行っているのですが、その理由。
(2)(1)の反応がある程度進んだ後、室温に戻してかく拌する理由。
(3)ポリアミド酸の成長反応の方法。

A 回答 (4件)

>温度を上げることで粘度は下がるのですか?


通常、同一の物質(反応してしまうのではない場合)温度を上げると、分子内の運動が激しくなり、また分子の動き回る速度も大きくなるため粘度は下がります。
これは溶解度が温度上昇によって大きくなるのと同じと考えて下さって構いません。

>一度粘度を下げるということは、室温で反応を続けると再び粘度が上がってくると考えてよろしいのですか?
既に書きましたように、粘度が上がると、物質間の「出会い」の頻度・速度が下がります。そのため反応速度が下がり、鎖の伸長速度が低下しますので、加熱して粘度を下げ、反応速度(温度依存性で温度が高い方が速くなる。アーレニウスの原理などを参照)を上げて、鎖の伸長を促進します。すると鎖の伸長に従い、また粘度は高くなってきます。
初めに述べたように、加熱には上限がありますので、適当なところで、加温は停止します。
鎖を伸長しすぎて反応容器の中で固まり付いて、取り出せなくなったりしても困りますし。^^
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この回答へのお礼

何度も質問に答えて頂いて本当にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。

いろいろなことを教えていただいたので、これからさらに自分で勉強しようと思います。

お礼日時:2006/02/19 13:19

>粘度が上がっていって、結晶が出てくるということは、このときの粘度の増加は分子量の増加とは関係なく、結晶の影響によるものですか?



多分粘度増大の主たる理由は分子量の増大です。分子量が大きくなり分子が長くなることによって、絡み合うようになりますから。
結晶の方は、自分自身、あるいはいくつかの分子がきれいに並ぶか、きれいに折りたたまれるかしているわけです。
結晶のせいだとすると、多分全体が不均一になってくるでしょう、分子量が増加していくだけですと全体がネバーッと飴状になってくるのではないでしょうか。
m(_ _)m

この回答への補足

休日にまで回答いただいてありがとうございます。回答を頂いてるうちに、とても興味がわいてきています。教えて頂いたことについてはしっかりと確認していきたいと思っています。

以前回答頂いたNo.1 の(2)についてなのですが、

>未反応の部分を接触させてやるためには温度を上げて反応を促進し、粘度も下げます

とありますが、温度を上げることで粘度は下がるのですか?
それに加えて、一度粘度を下げるということは、室温で反応を続けると再び粘度が上がってくると考えてよろしいのですか?

補足日時:2006/02/12 17:52
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>(1)0℃で反応を終えてしまった場合と、室温での反応を行った場合では、分子量の差は大きくなってしまいますか?


多分(初めの目論見が正しければ)室温に上げた場合の方が、出来た高分子の分子量は(あくまで分布ですが)0℃での場合より、大きくなると思われます。

>(2)反応が終わるとしたら、どのように終わるのですか?
高分子の合成の終点は通常「活性種」が無くなる、事で終わります。今回は全ての物質が活性種なので、原料がほとんど無くなって、高分子と「巡り会う」速度が遅くなるために、いくら時間をかけても分子量が上がらないので、終わりにする。ということでしょう。
有名な「リビング重合」などでは活性末端が高分子が大きくなっても生きており、新たな原料を加えると重合が続きます。(それも末端だけでどんどん延びていく)
この場合も、両原料を追加してやれば、分子量は増え続けますが、末端のみで反応が起きるわけではないという反応なので、分子量分布をただ広げてしまって、得体の知れない高分子の混ぜものを作ってしまう可能性大。それにこの化合物は多分結晶性が良いので、固まり付いてしまうのではないでしょうか。
見ていて、どんどん粘度が上がっていって、結晶が出てきたりしませんか?芳香族環、アミド結合、カルボン酸はみな結晶性を向上させますから。

この回答への補足

今回も丁寧に教えて頂いてありがとうございます。本当に助かっています。

私の場合、室温で2時間くらい撹拌してましたが、結晶が出てきたことはありませんでした。さらに撹拌を続けると結晶が出てくるのでしょうかね。

また質問なのですが、粘度が上がっていって、結晶が出てくるということは、このときの粘度の増加は分子量の増加とは関係なく、結晶の影響によるものですか?

補足日時:2006/02/10 18:14
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まずPMDAの構造をご覧下さい。


http://www.mgc.co.jp/business/houkou1/anhydr.html
分子内に酸無水物部分が2ヶ所あります。
これとODA
NH2-C6H4-O-C6H4-NH2
がアミド結合を作っていきます。
(1)反応は発熱反応です。酸無水物が開いてアミドと芳香族カルボン酸が出来ます。このとき冷やさないと反応が暴走して制御不能になります。また撹拌しないと反応容器の一部だけの物質だけが互いに反応し「環を巻いた」構造の物質が出来、それ以上分子量が大きくなりません。
(2)ある程度反応が進むとPMDAの酸無水物の部分もODAのアミノ基の部分も溶液中でかなり減ってきます。すると今度は反応が遅くなり始め、さらに結合が進んだために分子量が上がり粘度も上がるため未反応の部分を接触させてやるためには温度を上げて反応を促進し、粘度も下げますそして、新しい出会いを促進するため撹拌します。
(3)うーん、ただ単に、既に鎖になった端っこに残った酸無水物部分と逆の端のアミノ基の部分が、互いに結合する。
あるいはまだ結合していないPMDAやODAと鎖の端が結合する。
などなど、アミノ基と酸無水物部分が残っている限り反応は続きます。
PDMA-ODA→PMDA-ODA-PMDA→PMDA-ODA-PMDA-ODA→…
どこまでも…。なお今は右側だけに書きましたが左側に延びても良いですし、上記したように既に出来た鎖同士が途中でつながっても構いません。

アミド結合のでき方でしたら又ご質問下さい。
m(_ _)m

この回答への補足

とてもわかりやすい回答ありがとうございます。
また2つほど質問させて頂きたいのですが、

(1)0℃で反応を終えてしまった場合と、室温での反応を行った場合では、分子量の差は大きくなってしまいますか?
(2)反応が終わるとしたら、どのように終わるのですか?

アミド結合のでき方もぜひ教えてください。お願いします。

補足日時:2006/02/10 11:40
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