
No.9
- 回答日時:
ほんとの意味でモヤっと感を払拭するためには、モヤっと感をきちんと定義する必要があります。
述語論理(大雑把に言って数学の命題を述べるために使われるもの)で現れる全称量化子、∀特称量化子∃になれれば大方すっきりするのではないだろうか、と思います。普通の大学では命題とは真偽の定まるもの、というぐらいしか教わりませんが、記号論理学をきちんと学ぶと命題とは何か、ということがよりはっきりとすると思います。
実数列{a_n}がαに収束することを次のように書きます。
∀ε>0 ∃M∈N(n≧M ⇒ |a_n-α|<ε)
これは命題です。真偽が定まるからです。ここで述語論理の記号がいくつかありますが、特に量化子が二つ現れています。量化子は命題を限定的にする働きがあります。次のように使うのが基本です。
∀x P(x) : (意味)すべてのxに対して、命題P(x)が成立する。
∃x P(x) : (意味)あるxに対して、命題P(x)が成立する。
上の場合は、∀ε>0 P(ε) という使い方をしています。これは次のように読み替えます。
∀ε (ε>0 ⇒ P(ε)) : すべてのεに対し、εが正の実数ならば命題P(ε)が成り立つ。
∃M∈N (P(M)) も同様に ∃M (M∈N ⇒ P(M))です。
(n≧M ⇒ |a_n-α|<ε)はすでに一つの命題です。それを∃M∈Nを前につけて限定的な命題にしています。∃M∈N (n≧M ⇒ |a_n-α|<ε) はやはり命題になりますが、それを∀ε>0をつけてさらに限定的にしています。それはやはり命題になるのです。
まずは記号論理学的に(数学的にといってもいいのかなぁ)上であげた“命題”がきちんとした命題であることを納得されたらよいと思います。その上で、それを数列a_nがαに収束することの定義をそのように決めた、と理解します。モヤっとの出所が、命題の書き方にあるとすれば、それは命題というものをきちんと考えなおす必要があるかも知れません。逆にもし、数列の収束を上であげたもので定義するのに抵抗があるというのであれば、それは高校の数学で扱っていた極限の概念をあやふやなまま引きずっているということになります。つまりきちんと定義されていないものをきちんとした定義と誤解していることになります。
ただいわゆるε-δ論法に関して感じる気持ち悪さが理解できないわけでもありません。要するにε-δは難しいのです。量化子記号が複数必ず表れます。∀と∃です。この二つの記号が常に出てきます。慣れたら僕はたいしたことはないと思うのですが、論理学をやっている友人に言わせると二つも量化子記号を使うのは十分に複雑なんだそうです。もしかすると大学に入って最初に戸惑う原因はそこにあるかも知れません。実数体Rで収束の概念を定義するには、経験的に上の二つの量化子記号を使う必要があることがわかっています。その意味で、超準解析で使う超実数体であれば、量化子記号を一つ減らして収束の議論が出来るので、命題が易しくなるそうです(僕にはあまり易しくなったとは感じられませんが)。tuort_sigさんにとってはその意味で、超準解析を用いた方がモヤっと感は少なく感じられるかも知れません。興味があれば一度学ばれたらよいでしょう。
No.8
- 回答日時:
違和感があるのは分かりますが,数学ではないということはないと思いますよ.
たとえば,高校のように直感的に考えると
lim(n→∞) an=α のとき
lim(n→∞) Σ(n=1 to ∞)an/n
はいくらになるか証明しなさい
という問題は,解けません.感覚的にはαになるように思いますが,ほんとにそうなることを,ε-N論法を用いずに説明することはできないのではと思います.(答えはαでいいんですが),つまりεーδ論法はこのような直感で考えた場合の課題を反省して作られています.私が違和感を感じたのは,不等式をやたら使うところでしたが,なれるとそんなものかと思います.たとえば,田島先生の【εーδ】【解析入門】などを読んでみてはいかがでしょうか.この辺のことが丁寧に書かれています.
No.6
- 回答日時:
そのもやっとした感じがεδの強さの源かなという気がしています。
いいたいことは多分、「εδは分るけどもっと直接的に∞ということを扱えるはずだ」と言う直感的なことではないんでしょうか? 私もはるか昔に勉強した頃にはなんともつかみ所のない論法だなという印象でした。それは、たぶん数学で無限ということに真っ向から立ち向かうと手に負えないという経験からきているのではないだろうかと私は思っています。それでもεδは実際上十分なほどに強力です。実際にεδで関数の連続性の証明を試みてください。それとは別に自分の持っている直感的な連続性だけを頼りに証明を試みてください。自然とεδの便利さ、すごさが分ると思います。例えば次の関数の連続性を調べてください
f(x)=1-x; 有理数x∈(0,1)
=x ; 無理数x∈(0,1)
直感に基づいて真っ向から連続性をしらべてその判断が可能でしょうか?少なくとも私には無理でした。
後は自分でεδに基づく連続性の定義が直感的なものと合致しているということをいくつかの例題を調べてなっとくしてください。
No.5
- 回答日時:
大学1年レベルのε-δ論法が理解できなくて、モヤッとしているのか、もっと深いレベルでの理解ができなくて、モヤッとしているのかが分かりませんから、
今あなたが理解しているε-δ論法を書いて説明してみて下さい。そして、どこがどのように「こじつけ」ているのかを説明してみて下さい。
もしそれも難しいようでしたら、ε-δ論法をきちんと理解している人に実際に会って話を聞けば、そう長くない時間で教えてもらえると思いますよ。
>もしそれも難しいようでしたら、ε-δ論法をきちんと理解している人に実際に会って話を聞けば、そう長くない時間で教えてもらえると思いますよ。
ええ、それも難しいので、専門家であるkobold様にお訊ねしたい所存です。
アドバイスありがとうございました
No.4
- 回答日時:
ε-δ論法を数学的にキチットやれば集合論の知識が必要になってくるので,ここではその話は兎も角として(←ほとんど知らない)、実数(有理数+無理数)には稠密性というのがありますね。
簡単に言えば、例えば数直線上のある区間を区切って、その中に存在する数字を拾い上げていくとすると、汲めども尽きず、いくらでも数字がでてくる。。。、例えば3を2で割り、その商をまた2で割るということをず~っと繰り返しても小数点以下0が一杯つくが数字はちゃんとある。つまり大小区分できる数字が無限にでてくる。この辺の事情が>それより小さい数をいくつでも持ってこれるから
というあたりの理解に結びつけばいいのですが。。。
ありがとうございます
>つまり大小区分できる数字が無限にでてくる
ことを自明のことと扱っていますよね。モヤっとしませんか?それこそ感覚的ですし。
No.2
- 回答日時:
これも、結局、無限という言葉を使わず、正確で矛盾のない理論のためなのだなー、と思います。
類似の議論が、ここにあります。http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=2052019
参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=2052019
No.1
- 回答日時:
まったく初めて聞く話ですが、『悪名高きε-δ論法』と書いている人もいるので、難しいものなのではないでしょうか。
極限
http://phaos.hp.infoseek.co.jp/part2/sequence/li …
参考URLはウィキペディアです。
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%97% …
アドバイスありがとうございます。
ε-δ論法がとても難しい理論だというのは知ってます。でも、そもそも数学的にどうなのかと思ったのです。極限を、高校数学のように感覚的に扱うのを避けるための理論だというのに、より感覚的になっているというか、こじつけ感が増しているような気がします。確かにεやδなどといった数学独特の記述を多用してあるので、厳密さがあるのかもしれませんが、純粋に内容はというと・・・
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