
受験時代はこのことを当たり前のように思っていましたが、改めて考えてみると、どうも納得がいきません。この間の授業で先生が「エネルギーの高い分子は不安定だから・・・」とおっしゃったので何でだろうと思いました。
エネルギーが高いものは高いもので存在しているんだから不安定も何もないんじゃないのかって思うのですがおかしいでしょうか。よくエネルギー図などで説明されるのですが、そもそも活性化エネルギーというものが何で存在するのかもわかりませんし、なんだか受験時代に覚えさせられたことにうまく言いくるめられているようで変な気分です。
具体的な理由があれば教えてください。

No.3
- 回答日時:
物質の安定さを考えるなら「熱力学的な安定さ」と「速度論的な安定さ」を考える必要があります。
エネルギーが高い物質は熱力学的には不安定でよりエネルギーが小さい状態になる可能性があります。これは自然の摂理です。
しかし、エネルギーが高い状態から低い状態になるのに活性化エネルギー(反応障壁)が必要なら、活性化エネルギー以上のエネルギーを与えないと反応は進みません。だから、熱力学的エネルギーが高くても活性化エネルギーが大きい物質は反応速度が非常に遅く「速度論的に」安定だといえます。
例えば、ダイヤモンドは安定そうですが熱力学的には炭よりは不安定です。しかし、活性化エネルギーが大きいから、ほっといてもダイヤモンドはダイヤモンドのままです。燃やしてしまうと(エネルギーを与えると)熱力学的に安定な炭になります。
だいぶ遅くなってしまい申し訳ございません。
エネルギーの高い物質が熱力学的に不安定なのはやはり自然の摂理として受け入れるしかなさそうですね。
ダイヤモンドが炭より不安定なのは初めて聞きました。化学はおもしろいですね。
回答ありがとうございました。

No.1
- 回答日時:
エネルギーが高いから不安定というか、不安定なものをエネルギーが高いというか、微妙な問題ですね。
この件に関しては、物理の力学における位置エネルギーのようなものと考えるとわかりやすいと思います。
つまり、高いところにある物体(=位置エネルギーの大きい物体)は、何かの刺激で、下に落ちることがあります。その時に、エネルギーが発生します(通常は運動エネルギーになり、それが落下速度と関係してきます)。
しかし、下にあるものをつついても上にあがる(=位置エネルギーが大きくなる)ことはありません。
分子などのエネルギー準位というものも、これと同様のモデルで考えればわかりやすいと思います。
活性化エネルギーというのは分子の衝突の勢いで、高いエネルギー準位になってしまったと考えれば良いわけです。
こういった、活性化エネルギーの概念というのは、決してごまかされているのではなく、反応速度を議論する(たとえば反応速度の温度変化などについて考える)際にも重要な考え方です。
高い状態である程度安定なものもありますが、ひとたび下に落ちれば簡単には元に戻りません。
例えば、水素と酸素を混ぜた状態というのはエネルギー準位は高いですが、そのままでは変化しません。しかし、それに火をつけると爆発的に反応して、エネルギー準位の低い水になります。水を酸素と水素に戻すには、電気分解などの方法で、外部から多くのエネルギーを加えてやる必要があり、ちょっとした刺激で簡単に進む反応ではありません。
回答ありがとうございます。ただ、いまいちまだ納得いってないような気がします。エネルギー順位を受け入れれば納得できるのですが、エネルギー順位というのは人間が都合よく仮定したものにしか私には思えないので、何かほかの理由を知っていたら教えていただけるとありがたいです。
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