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- 回答日時:
ピークが複数現れるのは、振動の準位が関与しているためです。
光吸収の場合は励起状態の振動準位が、蛍光の場合は基底状態の振動準位が関与するとこのように複数のピークが現れます。(吸収の場合には振動だけではなく高次の励起状態なども関与しますが。)
通常、ほとんどの分子は基底状態の中でも最もエネルギーの低い振動準位(n=0)に分布していますから、光吸収の時にはこの状態が光を吸収します。
ただ、この時に励起された電子は、必ずしも励起状態の最もエネルギーの低い振動準位(n=0)に遷移するとは限らず、n=1,2,3,…といった状態にも遷移する場合があります。このとき、複数のピークが現れます。
蛍光の場合はその逆で、蛍光は最低励起一重項状態の最も低い振動準位から基底状態への電子遷移に相当します(Kasha則:例外はありますが)。ただし、この遷移先の基底状態にも振動の準位がありますので、n=0,1,2,3,…といった複数の振動状態への遷移する可能性があります。
多分こういった事情で複数のピークが見えてるのではないかと思います。
この回答へのお礼
お礼日時:2007/10/15 11:22
分かり易い回答を有難うございます。
Kasha則の最低励起状態からの遷移は聞いたことがあったのですが、基底状態の振動準位も関係があったのですね。
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