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遷移禁制は波動関数を用いてどう説明されるのでしょうか?

A 回答 (2件)

禁制といってもスピンの状態で禁制の場合もありますが、波動関数でどうなるかという質問なので、一番簡単そうな軌道状態が電気双極子禁制の場合を説明します。



基底状態、励起状態の波動関数をΨi、Ψfとします。電気双極子遷移なので、オペレーターはerです。eは電気素量、rは位置座標。

遷移の行列要素=∫ΨferΨidr

仮に基底状態Ψiがs的な軌道だとすると、偶関数です。この場合、Ψfも偶関数(sとかdとか)だと、erは奇関数なので、
トータルでΨferΨiは奇関数になってしまい、
奇関数を全空間で積分するとゼロなので、遷移の行列要素がゼロになり、つまり遷移が(電気双極子遷移の範囲で)禁止されたことになります。

終状態Ψfが奇関数(pとかfとか)であれば、
ΨferΨiは偶関数となり、全空間で積分しても有限の値が残るかもしれません。この場合、遷移は許容です。
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簡単のためMOで説明します。


基底状態と励起状態の空間的位置の積分が「直交」していると遷移は禁制です。(この際時間を含まぬシュレーディンガー方程式を使う)
ではどうやって励起するのか。
基底状態と励起状態それぞれの原子間振動、回転によりそれぞれの状態の「対称性」が崩れるからです。
だから、基底状態では最も低い(最も対称性が良い)状態からは励起できず、励起波長は基底状態からのそれよりズレ。
発光(蛍光、燐光)もその状態の一番低い状態からずれるので、どちらも幅が広くなります。
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