【お題】引っかけ問題(締め切り10月27日(日)23時)

原子力発電所の炉の原子燃料にも寿命がありますよね。

制御棒を入れなくても蒸気が少なくなるのでしょうが、その時のペレットの状況はどうなるのでしょうか?

どうしてそうなるのでしょうか?



核分裂の連鎖反応が起こりにくくなるのだろうと思いますが、どうしてそうなるのでしょうか?


などなど、燃料を取り替えなければならないときの原子燃料の状況を教えて下さい。



よろしくお願いします。

A 回答 (7件)

 原子燃料も一般の燃料のように、燃焼するという表現を使います。

従って、時間が経つと燃料は減っていき、定格の出力が出せなくなります。
 核工学的にいうと、ウラン235がどんどん核分裂して、違う物質(セシウム、ストロンチウム、ヨウ素、キセノンなど)になっていきます。つまり、ウラン235は減損していきます。(燃えて次第になくなっていきます)
 こうなってくると、制御棒を引き抜いていくことになりますが、それでも定格の出力は出せなくなります。しかし、この状態でも、核分裂は十分継続できる状況です。

 原子炉を一年間運転すると、大体この定格出力が出せなくなる状態になります。この状態になったら原子炉を停止し、原子炉の中の原子燃料の全体の約1/4を取り替えます。原子燃料は、4年間は十分運転できるようになっています。しかし、トラブル等で停止し、年間の運転している期間が短い年でも、1年間運転すると1/4は取り替えてしまいます。
 つまり、まだ十分燃えることの出来る燃料(核分裂の連鎖反応が十分継続できる)の状態で取り替えてしまいます。(全部燃えて、灰になった状態までは使いません)

 原子燃料は、核分裂を起こすウラン235が約4%、核分裂がほとんど起きないウラン238が、残りの約96%から成りたっています。

 1年間燃やした原子燃料は、ウラン235が減ります。(ウラン235が減った分、前述したような物質がたまっていきます)
 一方、ウラン238は、核分裂の際発生する中性子の吸収とベーター崩壊によってプルトニウム239に変化します。プルトニウム239も核分裂を起こします。(つまり燃えます)
 取替える寸前の原子燃料の状況は、大体、こんな物質から成り立っている状態です。
 
 1年間経つと、原子燃料の核分裂を起こす物質の約1/3はプルトニウムです。しかし、この状態(ウランが減って、プルトニウムが増えても)でも定格の出力は出せなくなるという状態です。
 
 

 

 
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*簡潔にまとめようとしましたが難しい質問であり長くなりました。

すいません*

<制御棒を入れなくても蒸気が少なくなるのでしょうが、その時のペレットの状況はどうなるのでしょうか?>

燃焼が進んだ燃料は燃料の体膨張が起こる。
燃料が核分裂した際に発生するガスが大きくなる。
燃焼が進んだからといって燃料自体に問題はありません。
しかし、反応度投入事象事故や出力急上昇など燃料が急発熱するような事故が起きた時は、
燃焼が進んだ燃料の方が厳しい状況にあります。(上記で述べた理由により)
燃料の発熱具合により被覆管が黒色→変形→ひび→溶融・破損となります。
このような高発熱状態とならないように原子炉熱出力管理や
異常発熱時にはプラントをトリップさせる様々な保護
設備を設けています。


<どうしてそうなるのでしょうか?>
核分裂する際にガスを発生しますので被覆管にガスが溜まっていきます。


<核分裂の連鎖反応が起こりにくくなるのだろうと思いますが、どうしてそうなるのでしょうか?>

・燃料が核分裂すると、核分裂生成物が蓄積されていきます。(中性子を吸収する物質です)
・それ以上にウラン235が減少します。(燃焼するものが減ります)
・何もしないと中性子を吸収する割合が増えて臨界を維持出来なくなります。
・そのためPWRプラントでは減速材(冷却材)のほう
素濃度を希釈し(純水を注入)、中性子が燃料に使わ
れる割合を増やし臨界を維持している。
・燃焼が進むほど、臨界ほう素濃度が低くなり希釈にも
限界がでてきます。
・こうなると臨界を維持する手段がなくなり連鎖反応が
減少し出力が減少していきます。(制御棒は最大位置
に通常は引き抜かれているのでそれ以上に引き抜けない)

<燃料管理>
燃料は約1年毎に3分の1取り替えられるのが一般です。
使用済み燃料は1~2年毎に取り替えられます。
使用済みの燃料の反応度や新燃料の反応度等を核計算
し約1年間プラントを運転継続出来るように燃料装荷
計画を実施してます。

定期検査実施のためにプラントは約1年毎に停止しています。
そのため、1年運転出来るように燃料を取替えています。
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ANO.1ですが、再度の回答です。



実際のところ「効率の問題だ」と書きましたが、燃料交換が必要な理由がもうひとつ抜けていました。それは核分裂生成ガスの問題です。

核燃料自体は二酸化ウランを焼結したセラミック(いわゆるペレットと呼ばれるもの)です。核分裂生成物の中にはキセノン・クリプトン・ヨウ素などのガス成分が含まれています。通常は多孔質のセラッミクの内部に閉じ込められていますが、徐々にセラミックの外部に放出されます。放出されたガスはペレットを覆う燃料被覆菅の上部に蓄積され、次第に圧力が上昇します。この圧力上昇により燃料被覆菅が損傷を受ける前に燃料棒を交換します。
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>ら取り替えるのではないと言うことでしょうか?


私の聞いている範囲では.燃料を使い切った(キュウリウムか.元素名忘却.が増えて核分裂が続かなくなった).というよりもむしろ.燃料を覆っているステンレス製筒に傷がついたので燃料某を交換することが多い.という上方です。
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なるべくわかりやすく書きたいと思います。


核分裂はウラン原子核に中性子が衝突することにより起こります。原子炉の核分裂が維持されている状態を臨界といいますが、臨界の状態では出力は一定です。その状態は実効増倍率が1となります。実効増倍率とは同じ時間単位内で発生する中性子(核分裂等)数と失われる中性子(吸収や漏れ等)総数との比をいいます。実効増倍率が1未満ですと未臨界となり出力は低下してやがて核分裂は停止します。実効増倍率が1以上ですと臨界超過となり核分裂が増加します。
出力の調整は、現在臨界状態で一定の出力状態にある原子炉で、出力を上昇するには制御棒を抜いて炉心をわずかに臨界超過状態にします。そうすると核分裂は増大し出力が上昇してきます。目的とする出力まで上昇したら制御棒を入れて臨界に戻します。そうするとその後はその出力が維持されます。出力を下げたいときは逆の操作をします。
そこで問題となるのは、臨界になる制御棒の位置はいつも同じにはならないということです。理由は2つあります。
第1は一般に原子炉は炉心の温度が上がると実効増倍率が下がるよう意図的に設計されているからです。温度が上がるとドップラー効果という現象により中性子がウラン238に捕まる可能性が高くなります。また、中性子を減速する役割の水は温度上昇によって膨張し密度が低下し、中性子の減速の確率が減少します。これらの効果によって、核分裂は抑制される方向に働きます。
第2に高い出力で運転を続けるとウラン235がなくなっていきます。また、核分裂生成物には中性子を吸収しやすいものがあり、これが燃料の中に蓄積すると臨界を維持できなくなります。
これらの総合の効果によって臨界を維持して高い出力で運転を続けたいとすると運転し始めの時よりは制御棒を少しずつ抜き続けて、実効増倍率を1に保つ必要があります。そして、制御棒をほとんど抜いても臨界を維持できなくなると炉心の寿命が尽きたことになります。
炉心を設計する際は、必要な運転時間を定めてその間の燃料組成の変化を推定し、温度変化も考慮し、寿命末期まで臨界を維持できるように燃料集合体の組成や制御棒の本数を決めています。
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私の知っている範囲では



燃料棒の外枠に傷がついた
制御棒がうまく移動できない
中身が変に移動した
熱交換がうまく行かない場所に有る

場合燃料棒を取り除き使用しない
と聞いています。

この回答への補足

つまりは核分裂の連鎖反応と発熱量が低下したから取り替えるのではないと言うことでしょうか?

だとすれば核分裂している間はずーと使った場合、どの程度の期間使えるのでしょうか?

再処理施設の建設をしているところを見ると、使える期間は長くはないからなのかなとも思いますけど。

補足日時:2006/05/26 08:24
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結局は効率の問題です。


中性子が燃料にぶつかることによって核分裂が起こり熱が発生するわけだから、ある程度の密度で核燃料が存在していることが必要です。

効率を無視すれば、原子力潜水艦用の原子炉は数年ほったらかしでも問題なしです。

実際のところウラン燃料を装荷して発電所で1年使用しても、燃焼するウランはわずか数%で、発生したプルトニウムも燃料として寄与するので交換する必要はまずありません。

この回答への補足

でも、現実はときどき燃料棒の入れ替えをしていますよね。

その理由、すなわち古い燃料のペレットの状況が知りたいのです。

それに、数%しか燃えていないのに取り替えるのも不思議です。


よろしくお願いします。

補足日時:2006/05/25 20:59
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