No.2ベストアンサー
- 回答日時:
この質問は、実際のところは明治維新より続く問題に、面子が絡んだものですから、非常に難しいのですが・・・
陸海軍の対立は、陸の長州、海の薩州といわれるころより続いていた問題です。
当時、会戦のころは国内情勢が結構逼迫しており、もし弱腰になったら、2.26や5.15のようなことが起こる可能性は十二分にありました。
また、国民世論の面でも、弱腰=政権崩壊の可能性があったりと、なかなか厳しい状態です。
陸軍と海軍の力関係ですが、組織の上では一応対等となっています(実は明治維新後しばらくは陸軍が上だったのですが、その後に海軍が黄海海戦での戦果や日本海海戦の大勝利を盾に地位を巻き返したのです)。
しかし、満州事件や日中戦争など、陸軍主導の拡大政策が、ある程度の成功を収めていた上、海軍大将でもあった米内内閣なんかの政治成果があまり芳しくなかったことなどもあり、やや国内政権は陸軍に主導権がありました。
なお、質問者さんが読んだ本は、少々海軍贔屓過ぎるような気はしますね。
私も(土地柄)海軍贔屓であると思いますが、陸軍を、軍事オタクの馬鹿とするのは、少々過小評価しすぎかと。
そもそも、当時の陸軍大学、海軍大学といえば、帝国大学(現東大)と同等以上のエリート大学ですから、基本的に馬鹿はあんまりいないのですけどね・・・
東條も、決して馬鹿ではありません。馬鹿では陸軍大将で総理大臣にまではなれませんから。
ただし、アメリカに対する認識がしっかりしたものであったかと言うと、そうとも言えません(この点が、陸軍批判の最大の原因)。
これは、当時の陸軍海軍の教育方針に違いがあります。
当時まだ日本は、後進国ですから、陸軍大学や海軍大学をでた、いわゆるエリートはほとんどが海外留学をします(もちろん、駐英次官だったりという肩書きで、ですが)。
で、陸軍の留学先ではドイツ、フランス(どちらもいわゆる陸軍国)が主だったのですが、海軍の留学先は米英が多かったです。
結局はこの違いです。米英に留学している人が多い海軍のほうが、アメリカのことを多く、そして良く見ていたのは、ある意味当然でしょう。
しかし、これをもって「視野が狭い、常識がない」とするのは、少々性急でしょうね。
ご回答ありがとうございます。
>陸海軍の対立は、陸の長州、海の薩州
>組織の上では一応対等と(実は明治維新後しばらくは陸軍が上だったが、その後に日本海海戦の大勝利を盾に地位を巻き返した
>しかし、満州事件や日中戦争など、陸軍主導の拡大政策が成功、海軍大将でもあった米内内閣なんかの政治成果があまり芳しくなかった
>やや国内政権は陸軍に主導権■やはり陸軍が優勢だったんですね。それにしても両者に歴史ありだったんですね。
留学先のパワーバランスが影響したかと、思いました。パックスブリタニカとパックスアメリカーナを思い知った海軍。
一方、一次・二次と敗戦国ドイツに行った陸軍。
>なお、質問者さんが読んだ本は、少々海軍贔屓過ぎる
僕もそう思います。ただ論点を単純に分かり易くするため、僕の質問文の書き方に誇張があるのは認めます。
No.3
- 回答日時:
私は海軍と陸軍の政治に対する姿勢の違いと思います。
元々海軍は、軍人は政治に関わるべきではなく、命令を忠実に遂行するという思想があり、陸軍は軍が政治を動かすという思想があったようです。
松下政経塾の橘秀徳氏の分析では
1.陸軍は、自らの考えを推し進めるために、陸相を内閣から引き下げ、内閣をつぶすというごり押しまでやっている。
また、右翼を扇動して、海軍省に押しかけるという脅迫紛いの事までやって、陸軍の権益(戦争を遂行して権益を増やす)を守ろうとした。
2.条約派と艦隊派の対立という海軍内の対立。
既に八八艦隊を建設するために海軍は29%もの国家予算をとっており、これ以上の負担は日本の国力では無理な段階に来ていた。
そこで、米内光政は山本五十六海軍次官・井上成美軍務局長と手を組んで、加藤友三郎元海相の「国防は国力に相応ずる武力を備うると同時に、国力を涵養し、一方外交手段により戦闘を避くることが目下の時勢において国防の本義と信ず」という言葉のように、自由競争ではアメリカに負けるので、条約を締結して、分に見合った軍艦を作ろうとしたが、何が何でも大艦隊を作ろうとする艦隊派との対立が強まった。
この中で、条約派の山本五十六海軍次官などが連合艦隊長官などの現場に転出し、政治の中枢から去ったため、艦隊派の勢力が強くなり、陸軍と共同歩調をとるようになった。
3.新聞などで世論を煽られ、海軍も国民の声を無視できなくなってきた。
以上のことから、海軍の良識派は一掃され、戦争に反対できなくなってきた。
上記を見れば、陸軍が戦争を進めた理由もわかると思いますが、恐らく誰も戦争になるとは思っていなかったのではないかな。
戦争を声高に叫んで予算を取り、権益を拡大していく。
権益が拡大すれば、一般将兵も潤うので下も支持をするし、国民もお国のためと納得してしまう。
ある日、戦争が不可避と判って、東條などの指導者も拙いと気が付き戦争回避をしようと考えるが、下からは日和見と言われかねない、もう引っ込みが付かなくなり、やってしまう。
当然、計算では勝てないことは判っているので、精神論に頼るようになり、そのうち何とかなるのではないかなと、期待が出てくるという悪循環。
ご助言ありがとうございます。
>政治に対する姿勢の違い。
>海軍は、軍人は政治に関わるべきではなく、命令を忠実に遂行する、
>陸軍は軍が政治を動かすという思想があった
■へえ、知りませんでした。思想か。海軍はシビリアンコントロールに近く進歩的だったんですね。
■陸軍はヒトラーの手法を手本にしたのかも。
No.1
- 回答日時:
陸軍の言い分もある程度は理にかなっていたようです。
日米開戦の前、中国戦線では相当優位に立っていましたから、
「ここで停戦せよ。」
これは相当残酷だったようです。
今は無き英霊に申し訳も立たないのです。
つまり、アメリカの交換条件を飲む事が出来なかったのです。
終戦間際、
海軍の艦隊は全滅しています。
最後に勝ったのは、ガダルカナルの夜戦が最後でした。
その後、負け続けます。
しかしその頃陸軍は、
海路と言う補給路を断たれた状態を脱する為、
中国大陸を南北に縦断する補給路を完成させます。
相当な犠牲の元、命令を遂行します。
これが、
海軍は負けたが、陸軍は負けてはいない。
局地戦では勝っている。
負けたのは海軍が悪い。
この根拠でもあるのです。
陸軍の中にも栗林中将のように、
米軍に一矢報いた名将もいます。
但し、
対戦車兵器の欠落。
勝ちようの無い孤島での奮戦。
後方を占領し、補給路を断つ米軍の戦法。
それに伴う補給無しでの戦闘。
こう言う状況下、果敢に戦ったと思います。
ご助言ありがとうございます。
調べてみました。こんな英雄もいたんですね。日本人として記憶にとどめます。
名將「栗林忠道」(くりばやし ただみち、1890年
「アメリカとだけは戰ふな」、さう主張し續けた帝國陸軍屈指の知米派◆皮肉にも米海兵隊の大軍を硫黄島に於て迎へ撃ち、壯烈な戰死を遂げる◆米国とカナダの駐在経験があり、陸軍の中では珍しい米国通◆硫黄島の戦いで米軍との激戦を指揮し、最後は自ら200名の兵士と共に突撃を行い戦死した。
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