
No.9ベストアンサー
- 回答日時:
すいません、お勧めの本間違えました。
まず共鳴理論とその有機化合物への適用について学ぶには、有機化学の入門書が良いでしょう。
最近だと、ジョーンズの有機化学が評判が良いです。
質問にあるエノンの話も、もちろん載っています。
共鳴を含めた有機電子論の学習においては、電子の矢印の書き方をしっかりと身につける必要があります。
この演習には、有機合成化学の入門書が良いと思います。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061393 …
私のお勧めはこれです。
簡単な化合物からやや複雑な天然物の合成について、ひたすら矢印を書いて学ぶことができます。
エノンがそこらじゅうに出てきます。
下の回答で出した教科書は、矢印の書き方を身に着けた後のステップアップ用の教科書でした。一段階上の内容です。
No.8
- 回答日時:
共鳴構造式の問題は電子の移動の矢印を描いてみれば分かってきます。
質問者さんも、手を動かして矢印を描いているうちに、この化合物だとこの位置で反応しそう、とか、この化学反応だとこのような生成物ができそう、といったことが理解されるかと思います。
おすすめの参考書としては定番ですが
フロンティア軌道入門
イアン・フレミング
講談社
を挙げておきます。

No.7
- 回答日時:
どうでもいいことかもしれませんが・・・・
エノンという呼称は少々曖昧ではありますが、有機化学の世界でエノンと言えば、「普通は」α,β-不飽和ケトンのことであり、ご質問内容からして、ここでもそれを指すことに疑問の余地はないと思います。
したがって、ケテン(CH2=C=O)はここでのご質問内容とは関係ないと思います。
また、エノンというからには、ケトンであるべきですので、CH2=CHCHOはこれには該当しないと思います(アルデヒドなので)。ただし、化学的性質は類似しており、両方をひっくるめて説明することも多いでしょう。
というわけで、一番簡単な「いわゆるエノン」は3-ブテン-2-オン(メチルビニルケトン)CH2=CHC(=O)CH3 ということになると思います。
それと、共鳴というのは「現象」ではなく、分子の性質を説明するための考え方(あるいは古典な理論)と考えるべきでしょう。
具体的な内容は、No.1のご説明のとおりです。
No.6
- 回答日時:
命名法に関してもう一つだけコメントしておきます。
確かにケテンもIUPAC式に名前をつければ
CH2=C=O(ケテン)はエテン-1-オン(もっと正しくはeth-1-en-1-oneだけどこれどう発音するのか分かりません)となりますので、確かにエノンの一つといえるでしょう。
しかし、実際にこのように名前をつけたりはせず、全てケテンの誘導体として名前をつけます。
また、我々(有機化学者、無機化学者)がエノンと聞いた場合は
CH2=CH-CH=Oの誘導体のことを考えます。
先ほど出てきたシクロへキセノンも、シクロヘキセン+オンの組み合わせで名前がついています。
No.5
- 回答日時:
ついでに質問者さんのもう一つの疑問にもコメントしておきます。
カルボン酸イオンの共鳴構造式を描いてみると、
R-C(O1)-O2- <> R-C(O2)-O1-
となります。平面的に描く方法を知らないので、無理やりですが。
二つの酸素O1、O2それぞれに負電荷が乗った極限構造を描くことができます。
実際のカルボン酸イオンはこれら二つの構造が1:1で重ね合わさったもので、O1とO2に負電荷が0.5ずつ乗ったようなものとなります。
余計なお荷物である負電荷を二つの酸素が共同で受け持つことができるので、これができないアルコールに比べてH+が外れやすくなります。
同じような議論は硝酸イオンでもできます。
硝酸イオンの極限構造式を描いてみて、なぜ硝酸が強酸なのか考えてみるといいですよ。
No.4
- 回答日時:
エノンはアルファー、ベータ不飽和カルボニルのことなのですが。
エン(alkeneの語尾のene)+オン(ketoneの語尾のone)の組み合わせです。
エノンで検索すると、なぜかちょうど良いページが見つからなかったので、難しい内容が書いてありますが京大の林先生の研究報告書(PDF)のリンクをおいときます。内容は理解される必要はありませんが、現在最も研究・利用が進んでいる有機反応の一つです。
ここでは環状エノンであるシクロヘキセノンへの共役付加反応をやられています。
NO.1のコメントで述べたように、求核剤であるフェニルボロン酸がガンマー位に攻撃しています。
http://banyu-zaidan.or.jp/symp/about/symposium_2 …
もっと古典的な反応としては、有機銅の1,4-付加があります。
http://www.chem-station.com/odoos/data/organocup …
No.2
- 回答日時:
ちょっと共鳴についても補足しておきます。
例えばエノンの場合に、最初の回答で三つの構造式を書きました。
これらは極限構造式と呼ばれます。
実際のエノンという分子は、これら三つの化合物が別々に存在して混じっているわけではなく、三つの状態の重ね合わせ(量子力学で言う重ね合わせと同じです)が真のエノンなのだ、という考え方が共鳴という概念です。
有名な例は、ベンゼンです。
ベンゼンの構造を描く場合、三つの二重結合と三つの単結合として描きますが、実際のベンゼンの炭素ー炭素結合は6個全て等価で区別できません。
これも、二つの極限構造式の重ね合わせが真のベンゼンだ、として説明されます。
No.1
- 回答日時:
エノンの共鳴構造式に関する疑問ですね。
質問にある、カルボン酸の酸性度がアルコールよりも高い説明と同じく、これも共鳴という考え方です。
図を描けないのがネックですが、なんとかやってみます。
一番単純なエノンの場合の共鳴構造式は、
H2C=CH-CH=O <> H2C=CH-CH(+)-O(-) <> H2C(+)-CH=CH-O(-)
です。<>は共鳴の矢印(両矢印)、(+)や(-)はその原子に電荷がのっているよ、という意味です。後の説明のために、炭素に左から1,2,3と番号を付けて置きます。
電子の移動を表す矢印の描き方は習われていると思います。
まず、普通のカルボニル化合物と同じく、カルボニル基のパイ電子を酸素が持っていってしまう図(式の真ん中)を考えます。
このとき、C3は陽イオンになっていて、電子が不足してます。
そこで、となりのC1-C2のパイ結合が電子が豊富なので、ここから奪ってやろう、ということで電子対を取ってきます。
すると、今度は末端のC1が陽イオンとなりますね。
この式が意味していることは、エノンでは末端の炭素(ガンマー位)が陽イオン性を帯びているので、この位置に対して求核攻撃が起こりやすいですよ、ということです。
もちろんエノンもカルボニル化合物の一種なので、カルボニル基の炭素への攻撃も起こりえます。
どちらへ攻撃するかは、反応剤や条件によって変化します。
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