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読みつけない日経サイエンスを読んでいたら、
「遺伝子やタンパク質……機能を知りたい時には、欠損した個体を作る」
という文がありました。
遺伝子を欠損した個体って、どうやって作るんですか?
受精卵の段階で取り除いて、それから成長させて個体を作るのでしょうか。
予備知識はほとんどないものとして、シロウト向けに易しい解説をお願いします。

A 回答 (3件)

対象とする生物によって、可能な方法が異なります。



基本的にどの生物でも可能なのは、化学物質や放射線などで突然変異を誘発して、目的の遺伝子に変異が起こり機能を失ったものを選び出す(スクリーニングする)方法です。突然変異誘発はある遺伝子をねらってやることはできなくて、どの遺伝子にどんな変異が起こるかはランダムです。ですので、見たい遺伝子の欠損をとるには、突然変異誘発処理をした非常にたくさんの個体を調べる必要があります。

もう一つは遺伝子ターゲティングという方法で、ねらった遺伝子を欠損(ノックアウト)させます。一般的に遺伝子ターゲティングというと、マウスでおこなう手法を指すことが大部分ですが、酵母、ショウジョウバエなどでも手法が開発されています。
要は、相同組換えを利用する方法です。相同染色体の組換えでもおなじみのように、細胞内では相同な配列をもつDNA同士は組み換えて、元とは異なる組み合わせでつなぎ換えられることが起こります。この性質を利用して、ねらった遺伝子の配列の内部に欠損を持たせたDNAを作ってやり、細胞内に導入して、核内の遺伝子が欠損をもつ配列に置き換わったものをとります。

いずれの場合も、遺伝子を変化させた生殖細胞から発生した個体をいったん系統化します。つまり、その子孫に変異が受け継がれるようにして、それを研究に使います。個体ごとにいちいち遺伝子操作をして、その個体そのものを使って調べるわけではありません。

こういうのは、変異体を作るだけでかなりの手間と時間がかかります。もう少し簡便な方法として、最近ではRNAiという現象を利用し、ねらった遺伝子の配列と相同な二本鎖RNAを投与することにより発現をノックダウン(抑制する)方法も使われます。
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この回答へのお礼

詳しいお話を、どうもありがとうございました。よくわからないながら、とても興味をひかれました。
人間の脳の中の話(ミラーニューロン)なので、対象はマウスやサルだと思います。酵母やショウジョウバエみたいにすぐ世代交代(?)しなくて実験も大変(時間も手間も、研究費も)だろうなあと、お答えを読みながら思いました。
新薬の開発にはカネがかかりそうですね~。薬学部、医学部の授業料が高いのも当然かと。

お礼日時:2007/01/19 12:38

特定の遺伝子だけを受精卵から削ってくるという事はできません。



有名なのはES細胞を使った方法ではないでしょうか。
「ここでタンパク質を作るのをやめなさい」という命令を出す遺伝子をES細胞に遺伝子相同組み換えという技術を使って、希望する箇所に入れます。

次に、ES細胞を受精卵に注入します。
そうすると、遺伝子を正確に持っている細胞と、遺伝子が欠損された細胞からなるキメラ個体が産まれます。

そのキメラのES細胞が生殖細胞になれば「遺伝子が欠損された精子、卵子」が得られます。
これを元に交配を続け、最終的に、遺伝子が欠損された「ノックアウトマウス」を作ります。

概略だけの説明ですが、ノックアウトマウスやトランスジェニックマウス、ジーンターゲティング、遺伝子相同組み換えをキーワードに検索されると良いと思います。
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この回答へのお礼

どうもありがとうございます。
うーん、難しそうですね。そもそも命令を出す遺伝子をどうやって作るのかとか(笑)。理解出来るかどうかわかりませんが、キーワードで検索してみます。

お礼日時:2007/01/19 12:29

以前、DNA複製の謎に迫る (単行本) 武村 政春 (著) を読みました。


DNAの複製は完璧なものではなく、時々間違えることがあるそうです。
この本では、DNAを正確に複写することが、いかに複雑な仕組みで、維持されているかと言うことが、懇切丁寧に、書かれています。
それから、想像すると、欠損したものを作るのは、その中のどの仕組みを省けばよいのか、ということになるのかも知れません。
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この回答へのお礼

お答えありがとうございます。

お礼日時:2007/01/19 12:21

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