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皆様、こんにちは。中学校国語科の問題で疑問を生じたので質問させていただきます。

受験参考書や要点のまとめ等によると、「車が動かない。」「珍しくない。」を区別させるための問題で、後者には「珍しく」と「ない」の間に副助詞「は」「も」を挿入できるから、前者は助動詞の「ない」で後者は補助(形式)形容詞であると説明されています。

なぜ「は」「も」を入れることができると、補助形容詞なのかの説明は全くありません。副助詞を入れることができると、補助形容詞と判断してよいかの根拠を教えてください。お願いします。

A 回答 (3件)

助詞は付属語で、常に他の自立語に付いて文節をつくります。

よって、「珍しくはない」の場合、「珍しくは/ない」という風に文節に分けられることとなります。すると、「珍しくはない」の「ない」は、一語で文節をつくっているので、自立語である形容詞となります。一方、「車が動かない」の「ない」の前には付属語である助詞が入らないので、「動かない」が一文節ということになり、「動か」は自立語であるので「ない」は付属語、つまり助動詞だということになります。
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この回答へのお礼

pooh314さん、早速のご回答ありがとうございます。

結局は付属語と自立語の問題で、「は」「も」などによって文節分けをしてみるということですね。ありがとうございました。

お礼日時:2007/02/18 20:36

 助動詞「ない」と補助形容詞「ない」との区別に関しては、



> 副助詞を入れることができると、補助形容詞と判断してよい

というより、文節に区切れるかどうかを考える上で、便宜的に「は」あるいは「も」を入れて考えるということではないか、と思います。

 助動詞は付属語、補助形容詞は自立語ですから、当然、助動詞の「ない」は直前の部分と一緒に一文節になりますが、補助形容詞の方は、それだけで一文節です。区別の本質はこちらにあると思います。

 しかし、自立語と付属語をきちんと区別するのは、文法初学者にはけっこう難しい問題です。
 それに対し、副助詞「は」「も」は一般的に広く用いられますから、いろんな例文に当てはめることができますし、そこで文節の切れ目になることがほとんどですから、(「ない」が付く場合の)自立語・付属語の区別を見分けるのに便利な方法として用いているのではないでしょうか。

 助動詞の「ない」は、動詞もしくは動詞型活用の助動詞の未然形に、補助形容詞の「ない」は形容詞・形容動詞もしくは形容詞型・形容動詞型活用の助動詞の連用形に付きますので、こちらの見分け方の方が確実に判断できるはずですが、後者の場合にまさしく「は」「も」などが介在する場合があり、話がややこしくなります。
 また、初学者には動詞と形容詞・形容動詞の区別はまだしも、それぞれの活用型の助動詞の区別はけっこう困難だと思われます。活用形の区別自体もやっかいかもしれません。
 その点からも、「は」「も」を入れられたら、というような簡便な見分け方が推奨されるのではないでしょうか。

 文節の区切り方で、「ね」「さ」などを入れてみる、というおおざっぱな方法が最初に教えられるのと同様ととらえられると思います。
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この回答へのお礼

あくまでも簡便な方法ということで了解いたしました。更に研究していくと奥が深いということで…。

中学校の国文法って、先程の「は」「も」を入れてみるなど以外にも、文節分けに「ね」「さ」を入れると分けられると教えます。でも、これってなかなか自立語や付属語の概念のない中学1年生には(いや一般の成人にも)難しく、「読む」なら誰でも1つの文節と分かりますが、「読んでしまう」となると頭の混乱する生徒が増えますね。

ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2007/02/18 20:45

#2の方が完全なお答えをなさっていて、その内容・結論に私も全く同感なのですが、少し補足すると・・・。



形容詞の「ない(以下「無い」)」と、助動詞の「ない」は、起源を異にするというのが定説です。「無い」は文語の「なし」を起源とするのに対し、「ない」は起源未詳ですが、上代の助動詞「なふ」あるいは室町期の東国方言「ない」といった説が挙げられています。「ない」は西国の「ぬ」と対比されることが多く、それも定説になっています。

さて、「無い」が自立語(形容詞)であり、「ない」が付属語(助動詞)であることは異論のないところだと思いますが、補助形容詞の「ない(以下「ナイ」)」については、いくつかの考え方があります。
橋本進吉は、語誌的に見て「ナイ」が「無い」に分類されるのは間違いないことから、「ナイ」を形容詞の一種、つまり自立語ととらえました。
一方、時枝誠記は、いずれも打ち消しを表している点で区別はないとして、「ナイ」も「ない」も助動詞と考えました。「ナイ」が補助語として他の自立語と連文節にならなければ成分になれないことを考えれば、これも説得力のある説です。また時枝が言うには、「行かない」は「行か【は】ない」とはできないが、「行き【は】しない」とはできるわけで、副助詞「は」を入れられないわけではないとしています。これは、まさにご質問の根幹にかかわってくる問題で、時枝によれば、「は・も」を入れられるかどうかで、自立語・付属語が決まるわけではない、ということでしょう。しかし、この説は、規範を目指す学校文法的な観点からみれば問題点が多く(「行きはしない」の「ない」はあくまで「し(サ変の連用形)」に付くのであって、形容詞や形容動詞(時枝はこれ自体認めていませんが)の連用形に直接下接する「ナイ」と同一視すべきではない、などといった問題点)、完全に橋本説に取って代わることはありませんでした。

結局、現在の学校文法は橋本文法を基本としているので、「ナイ」は自立語=形容詞に分類されています。その結果、「は」「も」を入れられるかどうかという識別法が「ナイ」と「ない」の見極めには100%有効であると、まさに”結果論”として(重言多謝)いえるわけです。
「は」「も」による識別法は、本来、自立語か付属語(この場合は助動詞)かを決定するためのものです。「行かない」の「ない」は「行く」という自立語と一緒でないと意味を表せない(まさに付属的な存在である)のに対し、「多くない」の「ナイ」は、前に副助詞が入り、「多くは-ない」と分離独立しても、文字どおり自立して一つのまとまった意味を表す、という考え方(これ自体前記のように議論の余地はありますが)にたって、「ない=付属語」で「ナイ=自立語」説は成り立っています。
つまり、#2の方が仰るように、「は」「も」による識別は便宜的な方法であるとともに、自立語・付属語とはなんぞやという問題(それはまた、必然的に文節とはなんぞやという問題につながっていきますが)にもかかわってくる難問なのだと思います。
(また、ここでは全くニュートラルな符牒のように暑かった副助詞ですが、これについても論じなければ、本来の説明にはなりませんが、長くなりますし私の力を超えるところでもあるので、省略させていただきます。)

結論
いわゆる学校文法は、橋本文法を基にしている。橋本文法では語誌を重視し、「ナイ」を「無い」の一つ、つまり形容詞(自立語)に分類し、「ない」を助動詞(付属語)に分類している。その結果、副助詞「は」「も」を間に入れることで、便宜的にではあるが100%識別ができるわけである。
なお、教育現場でこの方法が採られている理由、正当性については#2の方、また1の方のご意見に全く賛同する。
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この回答へのお礼

kyouzaiya-kさん、今回もありがとうございます。

こういう似た形で品詞の違うものを問うものが受験参考書や問題集に結構出ており、どう上手く説明するか悩んでおります。基本は自立語と付属語ということで了解いたしました。

お礼日時:2007/02/18 20:51

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