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原子力発電とは、臨界を発生させてその熱エネルギーから電力を発電しているのだと思いましたが、

原発の臨界事故とは、発電時の臨界状態とどのように違うのでしょうか。
言い換えますと、どのような事態を臨界事故というのでしょうか。

また、今回発覚した北陸電力志賀発電所の臨界事故は、制御棒3本が引き抜かれたため起こったようですが、これで制御不能の臨界(メルトダウン?)に達する危険はあったのでしょうか。

A 回答 (5件)

>どのような事態を臨界事故というのでしょうか。


原子力発電所が定常状態にあるときは、原子炉は臨界状態にあります。定期検査を終え、原子炉の出力を定格出力まで上昇させる時は、制御棒を引き抜き、臨界をほんの僅か超えた状態にします(そうでないと出力は上がりません)。このとき、原子炉の出力、その上昇率を計器で監視します。かなりゆったりした時間をかけて原子炉出力を上昇させます。
誤って、定められた出力増加の割合を超えた場合、制御棒が緊急に短時間で挿入され、原子炉を停止させるようになっています。定常運転においても、燃料の消耗を補償するための制御棒引き抜きは行われますが、想定外の制御棒引き抜きがあった場合、原子炉が緊急停止されるようになっているのは同じです。更に、緊急停止のバックアップ設備が設けられています。
普通はこうなので、臨界事故は起こり様がないのですが、制御棒の緊急挿入が起こらず、緊急停止のバックアップ設備が働かない場合、臨界超過といった事象が発生します。これが臨界事故です。
軽水炉では、幸い、出力が増せば出力増加の割合が減るという、自己制御性が備わっていますので仮に臨界超過が起こっても、出力上昇にほぼ比例して出力が減少しますので、大事には至ることはないと考えられます。

>制御棒3本が引き抜かれたため起こったようですが、これで制御不能の臨界(メルトダウン?)に達する危険はあったのでしょうか。
今回の場合は、制御棒が引き抜かれた場所のみ、局所的に臨界を超過し、全体に及んでの超臨界ではないので、そして僅かの時間だったということなので、メルトダウン等の心配をする必要は全くありません。定期検査中で、原子炉の上蓋が取り外され、上部が水で覆われているような状態で起こったので、原子炉建て屋に人がいれば、被曝を伴ったかもしれませんが、人がいなくて幸いでした。

それにしても、お粗末極まりない事故でした。そして事故を隠したのは許せないことです。
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この回答へのお礼

ありがとうござます!

お礼日時:2007/03/20 16:42

 人間が意図しない臨界は、すべて事故というべきでしょう。


 制御棒が引き抜かれた場合に、炉心がどのような状態になるかは、条件によって違ってきます。大量の制御棒が引き抜かれた場合、炉心は即発臨界状態(即発中性子のみで臨界になっている状態)となり、急激に出力が上昇し、炉心溶融が起こります。燃料が溶融すると、溶融した燃料が炉心から落下し、臨界を維持することができなくなり、未臨界となります。このときの発熱によって炉容器が破損すれば、放射性物質が炉容器外に放出されることになります。
 引き抜かれた制御棒がそれほど多くない場合は、即発臨界には至らないものの、冷却能力以上の熱が発生する可能性はあります。その場合も、炉心が溶融する可能性はあります。
 制御棒の引き抜きが小さい場合は、燃料の発熱が冷却能力以下に抑えられ、一定出力状態が続きます。いわば、運転状態となります。この場合、燃料が消費されると、やがて未臨界状態になります。
 引き抜かれた制御棒が3本であったということですが、引き抜き速度も関係してきますから、一概にどうなるかは言えません。ですが、炉心溶融に至る可能性は小さいと思います。
 とはいえ、最初に述べたように、人間が意図しない臨界は異常な状態な訳ですから、大事に至らなかったからといって、それを黙っておこうとすることは、決して認められるものではありません。なぜ隠したがるのかといえば、所詮、電力会社は利益を出さなければならない民間会社だからです。発電所は、発電をして金を稼ぐ施設です。発電できない期間が長くなれば、会社にとって損失となります。ですから、結果オーライであれば、隠しておきたいとするのは、当然といえば当然なのです。これは、単に精神論だけで解決できる問題ではありません。隠蔽を防止するためには、隠蔽に対して相当の罰金を科すなどの規則が必要でしょう。
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この回答へのお礼

ありがとうござます!

お礼日時:2007/03/20 16:42

#3です。


ちょっとお粗末な書き方をしました。
>軽水炉では、幸い、出力が増せば出力増加の割合が減るという、自己制御性が備わっていますので仮に臨界超過が起こっても、出力上昇にほぼ比例して出力が減少しますので、大事には至ることはないと考えられます。

ここの部分です。以下のように訂正させて下さい。
軽水炉では、幸い、出力が増せば出力増加の割合が減るという、自己制御性が備わっており、∂(出力増加割合)/∂(温度)が負であるので、臨界超過が起こって出力が上昇した場合、出力上昇にほぼ比例して出力を減少させる割合が増加しますので、大事には至ることはないと考えられます。
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この回答へのお礼

ありがとうござます!

お礼日時:2007/03/20 16:42

no.1の方の回答に訂正&補足しますね。



まず臨界とは燃料となる物質(普通の原発ならウラン)の核分裂が連鎖的に進行していく状態のことを言います。臨界事故とは想定外のところで臨界が生じたことを言っているはずですから、原子炉のようにギリギリ臨界を超える程度(どんなことがあっても原子爆弾のようなことにはならない)に設計されている装置では臨界事故が起きてもそれが直接の被害(放射能汚染、メルトダウン)に結びつく可能性は極めて低い、というかないと考えていいでしょう。

>許容範囲を超えると、放射能が周囲に飛散するような事となり、非常に危険です。

許容範囲という表現がちょっとわかりませんが臨界を継続したからと言って放射能が周囲に飛散することもありません。
原子炉の安全性を過信してはいけませんが、原子炉は例えアクシデントがあってもそれが深刻な事態にならないよう二重三重に防御策が施されているので決して危険なものではありません(URL参照)
もちろん今回のように89本のうちの3本が抜け落ちた程度では大きな事故になることはありえませんし、たとえ全部抜け落ちたとしてもメルトダウンする前に臨界は止まるはずです(ここはうろ覚え…)。


ただし、ここまで述べてきたのはあくまで物理的な話です。
今回大きな問題となったのは日本で初めての臨界事故が起きていたにも関わらずそれを公表しなかったことです。それどころか記録にも残していないなど事件自体を完全に消し去っていました。
“たられば”になりますがこの事故が起きた直後に茨城県東海村のJCOで放射能事故がありました。事故にあわれた方の悲惨な状況と悲しい結末が本にもなっています(「83日の記録」(NHK出版))
もし北陸電力が臨界事故の直後にその事実を公表し、原子力発電の安全管理について議論されていたなら、失われずに済んだ命があったかもしれません。

参考URL:http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/02020502_1.html
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この回答へのお礼

ありがとうござます!

お礼日時:2007/03/20 16:41

http://ja.wikipedia.org/wiki/原子力事故

仰るとおり、原子力発電では、臨界状態を利用して発電します。
しかし、臨界状態は、放っておくと無限(原子燃料が0になるまで)にエネルギーを発生するので、
許容範囲を超えると、放射能が周囲に飛散するような事となり、非常に危険です。
核燃料物質が予想外の原因で制御不能なまま臨界量を超えて事故になる事を臨界事故と言います。


今回の事故はレベル1以下の事故ですね。
作業員の被爆はなかったわけです。
しかし、被爆があるなしが問題なのではありません。
多少の時間、炉の制御棒による反応のコントロールが出来なかった事が問題なのです。
今回は、良かったかもしれませんが、そのまま放置して、次は被爆したら大変でしょう。
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この回答へのお礼

ありがとうござます!

お礼日時:2007/03/20 16:41

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