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物理の授業で、自動車の運転中に急ブレーキをかけると、タイヤがロックされ、車が停車するまでにかかる距離が伸びることを習いました。
静止摩擦や動摩擦についての公式(fs=μsN,fk=μkN fs:静止摩擦、fk:動摩擦、μk:動摩擦係数、μs:静止摩擦係数)も合わせて習ったのですが、そこからなぜ車が停車するまでにかかる距離が伸びるのか導くことができません。どなたか、教えていただけませんか?

A 回答 (5件)

こんにちは。


私もかつて同じ問題で悩みました。
このようなイメージではいかがでしょう。

 まず、静止摩擦と動摩擦はイメージされていますでしょうか。本当は非常に複雑な問題ですが、乱暴なモデルとして次のように理解してみましょう。
 床に歯車のような細かい歯が刻んであり、床にのせたレンガの下面にも歯が刻んであって、両者がしっかりかみ合っている状態をイメージすると、これが静止摩擦状態。一方、せっかく歯が刻んであるのに、レンガに紐をつけて子どもが引っ張って駆け回ると、両者はぶつかり合いながらもなかなか歯がかみ合わず、見かけ上はあまり抵抗が生じない状態。これが動摩擦と言えるでしょう。

 さて、タイヤも表面に細かい歯が刻まれた歯車と考えれば、ひとまずイメージできるでしょう。この床の上を歯車が転がっているとき、次々と歯がかみ合って接地面は滑っていません。(静止と同じ。)。したがって、タイヤの回転をしっかり止めれば、進行も止まります。
 他方で、タイヤの回転が止まったまま勢いよく引きずられている(ロックしている)とき、歯がぶつかり合いながらもタイヤが小さく浮いてしまって、進行を止める力は弱くなってしまいますね。
 特にゴムは、変形して地面の小さなゆがみに食い込むことができるので、けっこう立派な「歯車」になりますが、他方で、一旦滑り始めると、表面に地面の形とは関係のない振動を生じて浮いてしまい、なかなか食い込みません。

その結果、もし、1本のタイヤに1t(約10KN)の重量がかかっていたとき、
○ タイヤが路面にしっかり食い込みながら転がって最大のブレーキ力がかかっていれば、例えば静止摩擦係数0.3として、最大約300kg(約3kN)の力(制動力)で押しとどめてくれますが、
○ タイヤが滑り始めて浮いてしまうと、動摩擦係数は例えば0.2程度に下がって約200Kg(約2KN)の力でしか押しとどめてくれません。

いかがでしょう。

 実は、私の場合、さらに疑問が続きました。(ひょっとしたら、質問者さんも同じでしょうか?)
「タイヤと路面がかみ合っている状態は理解できた。でも、あれ?そのとき、ブレーキ板とブレーキシュー(ブレーキのこすれ面)が滑っているじゃないか。結局ブレーキの利きが悪いのでは?」(逆に言えば、タイヤがロックして床を滑っているとき、ブレーキ板とブレーキシューがかみ合っている)・・・・

で、いろいろ調べ、考えた結果は次のとおりです。

 実際に、ブレーキが瞬間的に自動車を止めるものではない以上、どこかで滑りが生じます。結局、それを「タイヤと路面間で滑らせる」か、「ブレーキ板とブレーキシュー間で滑らせる」かの選択になります。そして・・・

・タイヤと路面とでは、押しつける力(車の重さ)は一定なので、制動力はタイヤがロックしていれば一定(重量×動摩擦係数)で、タイヤが転がっていれば、0~「重量×静止摩擦係数」の間で変更可能。
・ブレーキ板とブレーキシューの間でも静止摩擦係数と動摩擦係数があるが、押しつける力が0~「ほぼ無限」の中で任意に変更可能なので、制動力も「ほぼ無限」までの範囲で変更可能。
・そうなれば、「一番弱い部分が最大限にがんばれるように、まわりのひとがうまく調節してあげる」という考え方になるので、結局、「タイヤと路面で静止摩擦の限界を使って最大の制動力を発揮できるように、ブレーキの力加減を調節してあげるなら、停止距離が最小になる」ということになります。

でもあれ?「じゃあ、タイヤがロックしているより転がっている方が停止までの距離が短くて済むなんて、ブレーキ加減次第で嘘になるじゃない!」ということにお気づきですね。事実そのとおりです。
 ブレーキの踏み加減を上手に調整するのは至難のわざ。自動車の教習所でも、一旦は、「ポンピングブレーキ」という力加減を調整するブレーキのかけかたを教わりますが、子どもが飛び出した場合などの「パニックブレーキ」ではブレーキペダルを思い切り蹴りつけることを教えてくれます。結局そのほうが確実なのです。
 しかし、他方で、最近多くの自動車に搭載されるようになった「ABS」はコンピュータの力で「もっとも良い限度までのブレーキ力の調整」を実現していますので、ペダルを思い切り蹴りつけたときにもタイヤがロックしない限界で最大の踏み込み力になるようブレーキのかけ具合を勝手に調整してくれます。

さてさて、長くなってしまいましたがいかがでしょうか
お役に立てば幸いです。
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この回答へのお礼

歯車の話から始まり、そのイメージをタイヤに結び付けていくという解説には舌を巻くほどです!!確かに、静止摩擦と動摩擦の違いというのがよく理解できていませんでした。
でも、joshua01さんの回答でイメージを簡単にすることができました。問題を解くときには、イマジネーションも大切なんですね。

私の場合、ブレーキ板とブレーキシューのことは考えていませんでしたが、joshua01さんの回答を見て、自分ももっと周りに目を向けなくては!!と思いました。
また、授業ではABSという用語も出てきました。
これも後々調べようと思っていたのですが、ABSの説明までしてあり、至れり尽くせりという感じです。
最初から最後まで親切な回答、本当にありがとうございました。

お礼日時:2007/05/23 23:52

一定速度vで走る車が急ブレーキを掛けた場合、-fk/mの加速度で速度ゼロになるまで減速する。


理想的なノンロックブレーキを掛けた場合、-fs/mの加速度で速度ゼロになるまで減速する。
fs>fkなのでノンロックブレーキの方が加速度が大きく、早く減速する。
という理屈で単純に考えたらダメなのでしょうか?これでいいと思いますが。。。
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この回答へのお礼

率直でわかりやすく答えていただき、ありがとうございました。
matchamanさんの回答をみて、「すごい・・・!!わかりやすい!!しかも短い!!」と感動してしまいました。
今度問題を解くときには、急ブレーキを踏み始めたときに、加速度がどう変化するのかをもうすこし注意深く見ていきたいと思います。
ありがとうございました。

お礼日時:2007/05/23 23:43

逆なんじゃん?


与えられた係数を出すのでなく、係数を求めるのが普通の姿なんじゃん?

1/2ρV^2SCL
空気密度
速度
翼面積
CL係数。

一度浮けば「結果で」係数は求まんじゃん?
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この回答へのお礼

浮力を使うことは全然考えてなかったです。
私の気付かなかった所を指摘していただき、ありがとうございました。

お礼日時:2007/05/23 23:54

私はこの問に対する答えを持ち合わせてはいません。


よく分からないのです。

多分条件が不足していると思います。どの程度差があるかのデータがあるといいのですが。

静止摩擦係数と運動摩擦係数の違いによってという理由は違うと思います。
タイヤが滑らずに転がる場合はエネルギーは主としてブレーキでの摩擦により失っています。ロックしている場合はタイヤと路面の間での摩擦で失っています。どちらも運動摩擦です。静止摩擦だけであれば地面とタイヤの間の相対的なズレがありませんのでエネルギーのロスはありません。

ロックしていない場合、多分ブレーキの摩擦によるエネルギーのロスとタイヤの変形によるロスとの相乗効果が働いているのだろうと思います。ロックはしていないがいくらか地面とタイヤとの間でずれが生じていると考えられます。このずれがただ走っているときに比べて大きくなるようです。ブレーキを掛けるとタイヤに逆向きのトルクがかかりますので地面との接触面で変形が大きくなるのだと思います。

推測です。
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この回答へのお礼

ht1914さんはこの問に対する答えをもちあわせてはいません、というものの、私にとってはかなり力になる回答でした。ありがとうございます。
上から四行目以降の文章で、非常にイメージがしやすくなりました。またブレーキをかけると、タイヤに逆向きのトルクがかかるということをイメージできたので、なぜ急ブレーキをかけると、完全停車するまでの距離が延びるのかも理解しやすくなりました。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2007/05/23 23:59

非常に簡単に考えます.



1)タイヤが回転しているということは,接地面で見ると,タイヤは滑っていません.つまりこのときは静摩擦係数を使ってタイヤは回転しています.

2)タイヤがロックしている状態は,タイヤが滑っていますので,動摩擦係数を用いています.

3)アモントン・クーロンの摩擦の法則によると動摩擦係数の方が静摩擦係数より小さいという性質があります.

以上の1)~3)を総合すると,答えを導くことが出来ると思います.あとはご自身で
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この回答へのお礼

道しるべを示してくださり、ありがとうございました。
タイヤが回転しているとき→静止摩擦係数
タイヤがロックしているとき→動摩擦係数
を理解することができてよかったです。
ありがとうございました。

お礼日時:2007/05/24 00:02

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