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直径ro=3mm、長さ1mのステンレス鋼線を温度Tw=110℃の液体中に挿入し、その鋼線に200Aの電流を通したとすれば、定常状態における鋼線の中心部の温度Toはいくらになるか。(ただし、ステンレス鋼の低効率70μΩcm、熱伝導率1k=9W/(m・K)、液体中の鋼線外表面における熱伝達率をα=4000W/(m^2・K)とする。)といった。問題なのですが、内部の熱源をqとおいて熱伝導方程式をたててTo=Tw+(qro^2/4k)といった式をつくって解いてみたのですが答えとは別のものになってしまい。また熱伝達率がこの問題にある意味がわかりません。どなたかヒントをくださいませんか?

A 回答 (2件)

ANo.1 です。


自分も間違えました。
【誤】 Tw = T0 + Q/( α*A ) --- (2)
【正】 Tw = Tf + Q/( α*A ) --- (2)
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この回答へのお礼

またTf(fluid)のことをTw(wall)とずっと勘違いしていたためTwを別のあらわし方があるのではないかと試行錯誤してみたものの失敗してしまいました。そのところの説明が今回の質問で最も助けられました。またその点以外の説明まで終始丁寧に説明していただき、お世辞ではなく教科書よりも大変わかりやすかったです。それにこっちの表記ミスまで指摘して頂くにとどまらずその意図を汲み取って理解していただき誠にありがとうございました。

お礼日時:2007/06/03 23:17

まず確認したいことがあります


・「直径ro=3mm」とありますが、r0 は式の中では半径の意味のはずです。鋼線の直径は3mmで合っていると思いますが → r0 を直径とすると、To=Tw + q*ro^2/(4*k)という式にはなりません
・「ステンレス鋼線を温度 Tw=110℃の液体中に挿入し」とありますが、 Tw でなく、Tf の間違いでは? → Tw は普通、壁面(wall)温度を表します。
・「熱伝導率1k=9W/(m・K)」 は 「熱伝導率k=19W/(m・K)」の間違いですね。ステンレスの熱伝導率はこれくらいのはず。

【温度式の導出】 以下では、r0 を半径としています

To=Tw + q*ro^2/( 4*k )まで分かっているのなら・・・
To=Tw + q*ro^2/( 4*k ) を変形すると、q/( 4*k ) = ( T0 - Tw )/r0^2 --- (3)
となりますから、これを元の式 T - Tw = q*/( 4*k )*( r0^2 - r^2 ) に代入してください。すると
T - Tw = ( T0 - Tw )/r0^2*( r0^2 - r^2 ) = ( T0 - Tw )*{ 1 - (r/r0)^2 }
となりますので、結局、鋼線内部の温度は T = Tw + ( T0 - Tw )*{ 1 - (r/r0)^2 }  --- (1)

Tw は鋼線の表面( r = r0 )での温度です。問題文には書かれていませんが、q は鋼線内部の発熱密度 [W/m^3] 、T0は鋼線の中心( r = 0 )の温度です(式(1)で r = 0 とすれば T = T0 となるはずです)。

【なぜ熱伝達率が必要か】

鋼線内部の温度分布の式(1) には、熱伝達率 α が出てきませんが、α は鋼線の表面温度 Tw を計算するのに必要なのです。ニュートンの冷却則というのを学んだと思いますが、ニュートンの冷却則というのは、鋼線の表面から放出される熱量 Q [W] は、壁面温度 Tw と流体温度 Tf の温度差に比例するというもので、熱伝達率を α とすれば
   Q = α*A*( Tw - Tf )
という関係式になります。A は伝熱面積ですが、この場合、鋼線側面(円筒面)の面積 A = 2*π*r0*L になります。Q が分かっていれば、質問文にあるように、α と Tf は既知ですから
   Tw = T0 + Q/( α*A ) --- (2)
でTw が計算できます。

では Q はどうやって計算するのでしょうか。それは鋼線の発熱量そのものです。鋼線は直径よりも長さのほうがはるかに長いので、側面からしか放熱していないと考えて構いません。したがって「側面からの放熱量=発熱量」となります。Q は以下のようにして計算します。

【Qの求め方】
電気抵抗 R [Ω]の物質に、電流 I [A] を流すと、物質にかかる電圧 V [V] は、オームの法則から、V = I*R となります。このとき電気エネルギーが熱エネルギー変換されて発熱しますが、この発熱量 Q [W] は電気の消費電力と同じ、電圧と電流の積です。つまり、Q =I*V = I^2*R となります。

R は抵抗率をρ[Ω・m]とすれば、R = ρ*L/S で表わされます。L は鋼線の長さ[m]、S は電流が流れる方向での断面積 [m] で、この場合、S = π*r0^2 です。したがって、R = ρ*L/( π*r0^2 ) ですから、

Q =I^2*R = ρ*L*I^2/( π*r0^2 )

となります。質問文では鋼線の抵抗率の単位が Ω・cm になっていますが、これをΩ・m に直すと、70 μΩ・cm = 0.7 μΩ・m となるので注意してください(これは落し穴かも)。ρ = 70 [μΩ] = 7×10^(-5) [Ω・m]、ro = 1.5 [mm] = 1.5×10^(-3) [m]、L = 1 [m] ですから、R = 0.099 [Ω]、Q = 3961 [W] となります。

【壁面温度 Tw の計算】
A = 2*π*r0*L =0.009425 [m^2]、Q = 3961 [w]、α= 4000 [W/m^2K] なので、式(2) から、Tw = T0 + Q/(A*α)= 215.07 [℃]

【中心温度 T0 の計算】
中心温度の計算には式(3)を使います(下にもう1度書きます)。
q/(4*k) = ( T0 - Tw )/r0^2 --- (3)
k、Tw、r0 は既知ですので、q が分かれば、
 T0 = Tw + q*r0^2/( 4*k )
で T0 が計算できます。q は単位体積あたりの発熱密度ですから、発熱量 Q [W] を鋼線の体積で割ったものです。Q は【Qの求め方】で計算しています。鋼線の体積は π*r0^2*Lですから、q = Q/( π*r0^2*L ) = 5.604×10^8 [W/m^3] となります。したがって、k = 19 [W/mK] とすれば、T0 = 215.07 + 5.604×10^8 *(1.5×10^(-2)}^2/( 4*9 ) = 231.66 [℃]
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この回答へのお礼

回答誠にありがとうございます。指摘のとおりro=3mmではなく
do=3mmでした。さらには熱伝達率の存在の意味を詳しく記していただけたので疑問も解決し、問題の方もとけました。本当にありがとうございます。

お礼日時:2007/06/03 21:51

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