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No.2ベストアンサー
- 回答日時:
我妻説であることと「従来の通説」であることとは直接関係ありません。
単に、我妻説が通説となっていることが多いというだけの話です。ですから、我妻説を特別扱いする必要はありません。あくまで説の一つでしかありません。たまたまそれが優れているので多くの学者の支持を得て通説となることが多かったというだけです。さて、「従来の通説」という言い方がでてくるのは、「近頃はそうでもない」という程度の意味です。法律学における説が「永劫不滅の完全無欠な説」であることはまずあり得ません。すると、時が経つに連れ、「通説」だったものが支持を失い「通説」とは言いがたくなることが当然あります。ここで別の説が圧倒的支持を得て「新通説」となることもあります、取って代わるほどの支持を得られる決定的な説がなく、百家争鳴状態になることもあります。
結局、「従来の通説」というのは、
「過去圧倒的な勢力を誇ったが現在では支持が減って他の説に取って代わられたか又は他の説とどっこいどっこい状態になった説」
のことです。
「民法学の通説である割合が圧倒的に高い我妻説」は、たまたまそういう例に当てはまることが多いだけです。
そんなわけで、「我妻説」とかそんなことは気にせず、ひとまず「判例」、次に「通説」を理解することが重要です。その上でそれ以外に「有力説」「多数説」「少数説」としてどんな説があるのか、そして全ての説の中で「自分が最もいいと思うのはどれか」ということを考えれば十分です。
更に進んで、新たな自説を打立てるのも結構ですが、それは最後になります。最初からそれをやるのはただの独り善がりの勘違いでしかありません(時々見かけますけれど)。
#ちなみに、過去司法試験の口述試験で手形小切手法について当時の有力説の創造説で答えたら主査が知らなかったのでしょうがないから通説の交付契約説で説明し直したら「なんだ君、知っているじゃないか」と言われたという話があるくらいで、資格試験においては判例通説以外の説は実はリスクが大きいです。判例通説がなければしょうがないですけれど。
ご回答ありがとうございます。
詳細に説明していただきありがとうございます。
「従来の」というのは「近頃はそうでもない」程度の意味なんですね。
「従来の」と書かれていると、時代遅れで今の時流に合っていない説、という印象をうけがちでしたが、通説でなくなったからといって、色あせた説ということでもないのですね。改めて、我妻博士は存在の大きさが分かりました。確か安倍総理のお爺さまと東大で1、2を争った仲だったとか・・・
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No.3
- 回答日時:
どうでもいい話なのでここでするのはまずいかもしれませんが。
岸信介元首相と我妻榮先生は東大を同点で首席で卒業したが、岸氏の口癖は「僕が一番だ。我妻君は二番だよ」だったとか。
ご回答ありがとうございます。
なんとも官僚・政治家の道を歩んだ人らしいエピソードですね。
大口たたいても法螺でなくて、実際に首席だったというのはすごいです。
兄弟で総理になって、その孫までも総理の座についたというのも稀有な話ですが、よほど強運な血筋なんでしょうね・・・
No.1
- 回答日時:
法律の解釈は常に一様ではなく、時代とともに変遷していきます。
理論的にどのような立場を取っているのかはっきりとしない判例も多いです。日本は判例主義などともいわれますが、判例だけを見ればいいというわけではもちろんありません。
司法試験の記述式などでは、実際判例とは異なっても法学上きちんとした解釈がなされていれば基本的には正解となるようです。
それ以外の資格試験などでは基本的に判例と通説だけ理解していれば良いと思いますが、学問として、あるいは司法試験に向けた勉強ではそれだけではすまないということなのでしょう。
大学の授業などでは、教える教授の立場により判例や通説とは異なる解釈で教わることもあるかと思います。
以上我妻説だけでなく一般論としてのものですが。有名な学者さんの説は他にも多くありますので。
ご回答ありがとうございます。
そうなんですね。
教科書を読んでいても、「従来の通説」という記述では「未だ有力な支持を受けているのか」それとも「かつては支配的見解だったが今や少数説になっているのか」「我妻説に変わり支持されている新・通説があるのか、それとも有力説が群雄割拠状態なのか」がイマイチはっきりせず、扱いに困ります。
学会でどの説が何割の支持を得ているのか数字で出る訳ではありませんが、学者さんは他の先生への遠慮からか、その辺りの説明をはっきり書いてくれないので困ってます。
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