「科学における説明と日常的にひとが行う説明の相違点を述べよ」という大学のレポート課題について質問しますが、これは客観的な一般命題と、主観的な価値命題による差、ということでよいのでしょうか?
最初にレポートを提出した時は、
科学における説明は数学の定理のように客観的な説明であって説明者によりその内容が異なることは無く、対する日常的な説明は説明する人の背景知識や経験に依存するため説明の内容が異なることがある、と書きました。
結果は不合格で、科学における説明は経験にもとづくことはないのか?また、日常における説明は何でも説明になるわけではありません、といわれました。
以下のように直したいと思います。
科学における説明 → 一般命題、AはBである、といった定義された公理のもとで体系が展開されるもので、主観を排した客観的法則を重んじ、ポパーのいう反証可能性を認めているため定理が改善されることがある。
日常生活における説明 → Aはよい、わるい、といった定義の確立されていない価値命題であり、主観的な世界でしかその真偽を判定できないもの。
としました。
アウトラインはこれでよいでしょうか?
ちなみに文系教養科目の哲学ですのでそれほど専門的な内容を求めているわけではなさそうです。
よろしくお願いします。
No.2
- 回答日時:
説明は「する側」と「受ける側」によって成立します。
(このサイトも質問者さんと回答者で成り立っています)失礼ながら最初の不合格となったレポートでは、説明を「する側」の立場しか論じていなかったのではないでしょうか?
と、言いますのは
>科学における説明は数学の定理のように(中略)と書きました
という趣旨自体は定義としては拙くないからです。
しかし、担当教官からのコメントを読む限りでは別の事を求めているように感じます。
>科学における説明は経験にもとづくことはないのか?
といったコメントに対して、反証可能性を持ち出すのは方向性が違うと思います。(「科学における説明は不変なものですか?」といったコメントになら効果的ですけど)
説明を受ける側の経験や理解力に応じて説明の内容(レベルと言っても良いでしょう)を変える必要があるのは明らかです。また、説明する側の知識(経験)だって関係します。
大学の先生に自分の論文内容を説明する場合と、後輩の高校生に説明する場合では内容を変える必要があるでしょうから。
同時に
>日常における説明は何でも説明になるわけではありません
とのコメントですから(以下は担当教官の講義を受けている訳ではないので推論ですが)
日常生活で何か説明をする場合は、結論のみの伝達で説明が不要の場合もある事を書けば良いのではないでしょうか。
△△銀行に歩いて行く道順を尋ねてきた人に対して、近くに△△銀行が無い場合や、道順を説明者が知らない場合などが該当するでしょうかね?(実際にレポートに書く事例はご自分で考えてください)
このいい加減な例でも質問者さんが新しく考えた「日常生活における説明」の定義が考察不足だと分かりますよね?
(価値観に関わる説明とは限らず、主観的な世界とは説明をする側と受ける側の双方に存在するが、説明する側の世界しか考察していませんから)
多分、講義の中で「説明」について何らかの定義を教官がしていると思いますので、ノートを再読する事が合格への早道だと思いますが・・・
別の角度からの考察が何かの参考になれば幸いです。
P.S.上記は大学生になら理解できる内容と信じて説明してます、念のため。
No.3
- 回答日時:
うーん、教官がどのぐらいを合格ラインとしているかにもよると思いますが、ここで中途半端な字数のコメントを書くよりも、引用したほうがいいかな、と思うのでURLをぺたぺた貼ります。
>科学における説明は経験にもとづくことはないのか?
「観察の理論負荷性」というキーワードを調べて見るとよいでしょう。
http://www.ed.kanazawa-u.ac.jp/~matubara/rironfu …
>日常における説明は何でも説明になるわけではありません
うーん、それはそうなのだけれどもどこらへんの話を念頭にして教官の方がおっしゃったのか、ちょっとわからんです。日常という概念の扱いもめんどくさいしなー。
>主観を排した客観的法則を重んじ
この書き方は×だと思います。教官にしてみれば主観/客観という区分はナイーブにすぎるのでヤメレ、といったところでしょう。主観は排しきれないので、書くのであればせめて「主観を可能な限り最小化する」というのがいいとこか、と。また、同様に「主観的な世界でしかその真偽を判定できない」もやめたほうがよい。わたしが教官の補助で採点しれ、と言われたらさっくりバッテンつけると思います。
あと、やっぱり「説明とは何か」というのはあらゆる観点から頑張って答えるとけっこうな難題なので、その先生の過去の講義の内容を知っていそうな真面目な知り合いにあたるのが一番の近道か、とは思います。
http://www014.upp.so-net.ne.jp/evo-ethics/Salmon …
http://www.geocities.jp/enten_eller1120/post2/sc …
*
ちなみに試験回答としてはあまり通用しないと思いますが、余興として書くとどうなるか、、答えてみます。ちなみに、科学哲学はほとんどかじっていないので、質問者さんよりは多少マシな程度だと思いますが、あまり信用しない程度にお読み下さい。
1.科学的説明について述べる。
1a.トートロジカルではあるが、究極的に言えば、科学的説明とはその説明を発した当該の社会において「科学的」と認められうる説明であり、非科学的説明とはそうでないものである。
1a.では現在の社会において「科学的」であるとはどのようなことか。これは、現在の科学哲学における主流的な立場の解釈に従うこととなるだろう。
1b.科学とは、人類共有の知を発達させるための制度に他ならない。よって、科学における説明とは、その制度にとって最もよく機能するものが選び取られることになる。
1c.例えば、ポパーなどによる反証可能性と言った議論は現在もっとも認められている科学的説明の手続きにとって有効なものの一つである。ポパー的な科学観に従えば、科学とはより確からしい認識にむかって発展を続けていくものであり、現存するあらゆる科学の理論とは仮説に他ならない。とすれば、科学的説明とはそれが間違っているときに、間違っているのだ、と確認できることが最も重要な手続きとなる。それゆえに、「どのような場合に間違っていると言えるのか」ということを担保しておくことのできる説明が、科学的説明にとっての重要な要件となる。
1d.ただし、知を発達させる制度としてより効率的な要件が見つかれば、よく知られたポパーの反証可能性の議論も、他のものにとってかわられる。科学的説明とはそのようなものである。
2.日常における説明との相違について述べる。
2a.「1」の議論に従えば、科学的説明とは、知の制度に関わるものであり、日常の説明とはそのようなものではない。
2b.「日常における説明」を非科学的説明、という科学との差違において語らないのであれば、我々は日常という概念、説明という概念について定義付ける必要がある。とりあえず、ここでは「日常における説明」を、「何かしらの対象について言及することの全て」という定義を置く。その中には科学的説明も含まれるだろう。
そのような場合において、科学的説明と、日常における説明の相違についての概念的区分を例示したい。一つには真偽性が問題になる説明と、そうでない説明がある。たとえば、真偽性が問題にならない説明とは次のようなものである。
女が言う「わたしって、あなたに愛されてるじゃん?」
男は二つの答え方を持つ「そうだね」もしくは「そうじゃないね」
このとき、女の言う「わたしってあなたに愛されてるじゃん?」が真である偽であるかを問うことが重要になっているというよりは、男がどう答えるか、というコミュニケーションの問題のほうがより強くあらわれている、と解するべきだろう。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
「科学における説明」には正しいとされる根拠が必要です。
それゆえに証明をする形になると思います。
「日常的にひとが行う説明」には証明的説明もありますが手順的な説明もあります。
手順的な説明には根拠は必要ありません。
例えばオムレツの作り方は「日常的にひとが行う説明」つまり手順の説明(根拠は不要)は出来ますが
根拠を挙げての「科学における説明」は出来ないでしょう。
出来るとすれば何故この手順でこうしたらオムレツが出来るかのメカニズム的な説明になると思います。それは決して作り方ではありません。
また「どうしていつもブルーベリーを食べているの?」と聞かれたら
「目に良いから」と説明するのは
根拠を言っていますが科学的ではないので「日常的にひとが行う説明」でしょう。
「ブルーベリーに含まれるアントシアニンが目にいいから」と説明しても科学的なメカニズムを説明してないので「日常的にひとが行う説明」ではないでしょうか?
「目の網膜にあるロドプシンは光が当たる事によって脳に送られる伝達物質となり見えている映像を認識する事になります。
しかしこのロドプシンは光が当たると分解されロドプシンとしての働きが出来なくなります。
ブルーベリーに含まれるアントシアニンはこのロドプシンの再合成を助けるため目に良いとされています。」
と説明すれば科学的な説明になりますよね?(でも質問の答えとしてはズレているかも…)
素人なので「相違点はズバリこれ!」と指摘は出来ませんが何か参考になれば幸いです。
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