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こんばんは。高校化学1 電気分解について質問します。

電解質水溶液を電気分解したときに、陽極で酸素が発生する場合の反応式として、

(1)4OH- → O2 + 2H2O + 4e-
(2)2H2O → O2 + 2H+ + 4e-

の2種類があるとのことです。
 酸性とアルカリ性の違いによって(1)と(2)に分かれるようですが、参考書を見ても、いまひとつ違いが理解できません。

 わかる方がいらしゃいましたら、解説をしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

A 回答 (8件)

#7です。


#7の文章、意味があいまいでしたね。すみません。
>今まで中学・高校で教えていた陽イオンが陰極で、陰イオンが陽極で反応するというのは特殊で例外的な反応であるとして次のような反例も書かれています。

区切りを入れさせていただきます。
渡辺氏の書いているのは
「陽イオンが陰極で、陰イオンが陽極で反応するというのは特殊で例外的な反応である。」
ということです。
原則は「陽極で陽イオンが反応しても陰イオンが反応しても中性の分子が反応してもかまわない」ということです。陰極でも同様です。その中で「中性の分子が反応している例が一番多いだろう」ということが書かれているのです。
反例は「陽極で陽イオンが反応する」例と「陰極で陰イオンが反応する」例です。これは「陽極には陰イオンが引き寄せられて反応する、陽イオンは反発して陰極の方に移動する」という今までよく使われていたイメージが成り立たないということを示しているものです。
Sn2+でなくてもFe2+が陽極で酸化される反応
Fe2+→Fe3++e-
というのも起こるそうです。ありふれた反応だと書いてあります。

「『電圧をかけると溶液中の陽イオンは陰極に向かって移動し、陰イオンは陽極に向かって移動する』というイメージ自体が間違っている、電極の極く近くのイオンだけにしか電場はかからない、それ以外の場所にあるイオンは電圧がかかったことすらわからない状態だ」とも書いてあります。これも違っていますね。だからこういうイオンの移動によって電流が流れるというイメージも間違っていることになります。電流は電極表面で電気分解が起こり電子が移動することによって流れるのです。
食塩水に電圧をかけても電気分解の起こる電圧以下であれば電流は流れないということになります。(定常的な直流電流は流れないという意味です。電極のすぐ近くで境界層ができるまでの短い時間は電流が流れます。これはコンデンサーの充電の時間と同じように考えられるものです。したがって交流では電気が流れるでしょう。この辺も混乱がありますね。交流では電気分解が起こっていなくても構わないのです。)

電極のすぐ近く(境界層)で反応が起こると濃度変化が起こります。イオンの移動はこの濃度変化に対応する拡散でしか起こらないそうです。電極のすぐ近くでしか電場の効果は存在しないというのは電磁気の入門で出てくる静電遮蔽という現象によるものです。遮蔽の効果はイオンの濃度によって変わりますの境界層の厚みもイオンの濃度によって変わります。電圧のほとんどはこの境界層にかかっています。イオンの濃度が変化すると拡散が起こってイオンが移動します。境界層以外のところにあるイオンは生じた濃度勾配に対応する拡散によって移動することになります。

「中性の分子が反応するというのが不思議だ」と思われるでしょうね。
でもかけた電圧のほとんどが境界層にかかっているとすると電場勾配としてはものすごく大きなものになります。
1Vの電圧が1μmの厚みの境界層(標準的な厚みのようです)にかかっているとします。1cmあたりに直すと10000Vです。空気中で放電させる時に必要な電圧もこの程度です。空気中での放電では中性の酸素や窒素がイオンになっているのですから溶液の中で中性の分子(水、その他)がイオンになってもいいことになります。
(この境界層を作るにはイオンが必要です。「支持電解質」といわれているものの役割です。支持電解質自体が電流を流したり反応したりする必要はないということになります。)

また境界層にだけ電圧がかかっているとすると電極間の距離は電気分解には関係しないということになります。電気分解に必要な電圧が容器の大きさに関係ないというのを不思議に思っていましたがこれで納得できました。ビーカーでやるのでも工場でやるのでもそれほど電圧に違いはないのです。もし溶液内に一様な電場勾配が存在するのであれば電極の距離を10倍にすると電圧も10倍大きくしないといけなくなるはずですね。(空気中での放電では静電遮蔽がありませんので電極の間隔を大きくすると電圧を高くしなければいけなくなります。電圧を変えずに電極の距離を大きくしていくと放電が止まります。誘導コイルがあれば確めることが出来ます。)
ここに書いた2つのことは私が思い当たって「ああ、そうか!」と納得した事柄です。当たり前すぎるのか電気化学の本には書いてありません。

境界層や分解電圧についてはどの電気化学の本にも載っていることのようですが高校の化学と接点を持つような表現にはなっていなかったのです。書いてあることが難しいのです。電気二重層やポテンシャルの話が高校の化学の内容につながらないのです。

電気化学の専門家も教科書の執筆者の中にいるのですが高校の化学の内容には反映されていませんでした。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

いろいろと示唆をいただくことができて感謝しています。
「電気化学」の本を読んでもう少し調べないといけないということがわかりました。

高校化学の内容と多少違うようですが、高校化学の、この部分の説明は、どうも内容を分かりやすく簡略しているようですね。この部分は来年の課題として残しておきたいと思います。

ほんとうにいろいろとアドバイスをいただくことができて感謝します。ありがとうございます。

お礼日時:2007/12/07 21:54

多分質問者様も


アルカリ性では(1)が、中性、または酸性で(2)が妥当だろうということは承知のことだと思います。
陰極でのH2の発生でも2つの式が出てきます。
(3)2H++2e-→H2
(4)2H2O+2e-→H2+2OH-
この場合も酸性では(3)が、中性、またはアルカリ性では(4)が当てはまります。
高校の教科書はすべてこのように書き換えられています。

疑問をもたれたのは「電極ではイオンが反応するはずだ、中性の分子が反応するというのは納得できない」ということではないでしょうか。
「電気化学」(渡辺正編著、丸善)のp13に「170年前の亡霊」というタイトルの章があります。少し引用します。
「・・・ボルタ電池(1800年)以来、ゆうに200年の歴史をもつ電気化学の分野で調べられてきた電解反応は、おそらく数万種類にのぼる。そのほとんど、たぶん99%以上は、電荷を持たない分子の反応だ。なのに少なくとも1997年までの中学校・高等学校教科書は、たいてい”イオンが反応する”トーンに色濃く染まっていた。」
「イオンは電解の進む舞台をつくり、電解反応の後始末をしてくれる大事な脇役ではあっても電解反応そのものと直接の関係はない。」
「もちろん、脇役がたまたま主役を兼ねるという場合も少しはある。その中には陽イオンが陰極で、陰イオンが陽極で反応する”珍奇なケース”もなくはない。塩化銅CuCl2や、塩酸HClの電解がその例となる。」

今まで中学・高校で教えていた陽イオンが陰極で、陰イオンが陽極で反応するというのは特殊で例外的な反応であるとして次のような反例も書かれています。

陽極で  Sn2+→Sn4+ + 2e-
陰極で  Ag(CN)2^- + e- →Ag+2CN- 

これは珍しい反応ではないそうです。

渡辺氏は教科書の記述の変更を推進してきた立場の方です。

この回答への補足

回答ありがとうございます。

>今まで中学・高校で教えていた陽イオンが陰極で、陰イオンが陽極で反応するというのは特殊で例外的な反応であるとして次のような反例も書かれています。

素晴らしい回答なので一部について確認させていただきたいのですが、
「陽イオンが陰極で、陰イオンが陽極で反応するというのは」→原則で、「特殊で例外的な反応であるとして次のような反例も書かれています。」ということですよね? たぶん・・・

補足日時:2007/12/06 23:26
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

>「・・・ボルタ電池(1800年)以来、ゆうに200年の歴史をもつ電気化学の分野で調べられてきた電解反応は、おそらく数万種類にのぼる。そのほとんど、たぶん99%以上は、電荷を持たない分子の反応だ。なのに少なくとも1997年までの中学校・高等学校教科書は、たいてい”イオンが反応する”トーンに色濃く染まっていた。」
>「イオンは電解の進む舞台をつくり、電解反応の後始末をしてくれる大事な脇役ではあっても電解反応そのものと直接の関係はない。」

↑私が読んでいる高校化学の参考書とは”トーン”が違うようで ? という感じですが、ともかく先に進まなければならないので、今のところはそういうものだと思っておきます。

 センター試験用の問題集にも、この
(1)4OH- → O2 + 2H2O + 4e-
(2)2H2O → O2 + 2H+ + 4e-

の違いに関する記述がポイントとして記載されていましたので(解説は読んでも不明)、割と大切な事項なのかなと思い質問しました。

>「電気化学」(渡辺正編著、丸善)のp13に「170年前の亡霊」というタイトルの章があります。

↑来年、落ち着いたら読んでみたいと思います。

アドバイスをありがとうございました。

お礼日時:2007/12/06 23:20

この問題を深く追求するのは,高校生的には無意味です.


というのは,酸素発生のメカニズムはいまだによくわかっていない部分がたくさんあるからです.電極材料による違いもありますし,この二つの式の違いなど,議論する価値がありません.
ただし,アルカリ性溶液であれば生成物に H+ があるのは直感的におかしいと思いませんか? そういう意味では (2) はアルカリ性では正味の反応の書き方としては首を捻りたくなりますし,酸性下では OH- がほとんどいないのですから (1) の書き方も首を捻りたくなる,その程度です.
しかし酸性溶液でも,実際に電子が電極に奪われる前には電極表面に水分子が吸着するというプロセスがあり,このときに OH- の状態を経由してから酸化が起こる場合もありえます.なので,細かいことを言い出すと,こんな式の違いを云々すること自体不毛ということになるのです.
重要なのは移動電子数と,何が消費され,何が発生するか,という問題だけでしょう.
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
回答者さんの指摘のとおりだと思います。

>この問題を深く追求するのは,高校生的には無意味です

 この質問は、高校化学の問題集に、大学受験問題として記載されていたものの一部であり、過去に中央大学で問われたものであるようで、電解質水溶液と電極の組合せによって、陽極と陰極での生成物の反応式を求めていました。受験生として、限られた時間でできる限りの理解をしたいと思っています。
 詳しい解説をありがとうございました。

お礼日時:2007/12/06 19:18

水中のH2O分子のモル濃度は約56 mol/Lなのに対して、


中性の水溶液中のH+やOH-のモル濃度は10^-7 mol/Lしかありません。
酸性の水溶液ではOH-はもっと少なくなります。
したがって、OH-がほとんど無いに近いわけですから、中性~酸性では(1)の反応はほとんど起こりません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

高校化学の範囲以外ということなので、この問題については今後の課題とさせていただきます。

丁寧な解説をしていただきまして、ありがとうございました。

お礼日時:2007/12/06 19:07

>↑高校化学1では、水分子は非電解質という位置付けであったと思いますが、教科書的説明に従えば、非電解質は電気を通さない→とすると、回答者さんのおしゃている「水分子そのものが電極に電子を渡しています。

」という定義と矛盾するような気がしますが、どうなのでしょうか?

全く矛盾していません。水分子から以下のようにして電子が渡されています
H2O → H2O+・(水カチオンラジカルと呼びます)+ e-
H2O+・ → HO・(水酸ラジカル) + H+
ここからは水酸ラジカルが二つよって過酸化水素が出来、それからさらに電子が飛んでヒドロペルオキシラジカルが出来たりしながら最後に酸素と水素イオンになってしまいます。
ここは大学教養後期でしょう。

特に「非電解質は電気化学的反応はしない」と読み取れるようなご質問ですがそれは全く違います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

高校化学の範囲以外ということなので、この問題については今後の課題とさせていただきます。

丁寧な解説をしていただきまして、ありがとうございました。

お礼日時:2007/12/06 19:07

中性~酸性条件では、陽極では


水分子そのものが電極に電子を渡しています。
#べつに電極で反応する物質はイオンでなくてもよかったのだ!
##イオンで考えるとわかりやすいんですけどね。
###だから電気分解の入門向けではイオンで説明をするのです。

ついでながら、中性(~塩基性)条件で、陰極から水素が発生する場合でも水が反応します。
 H2O + 2e^- → H2 + 2OH^-
これも水素イオンが多いか少ないかで考えることができます。
上式の両辺に+2H^+をすることで、#2ginlimeさんと同じ式に変形できますね。(もしくはginlimeさんの式の両辺に2OH^-を加えてもよいでしょう)

この回答への補足

回答ありがとうございます。

>水分子そのものが電極に電子を渡しています。

↑高校化学1では、水分子は非電解質という位置付けであったと思いますが、教科書的説明に従えば、非電解質は電気を通さない→とすると、回答者さんのおしゃている
「水分子そのものが電極に電子を渡しています。」
という定義と矛盾するような気がしますが、どうなのでしょうか?

反応式から見ると、回答者さんのおっしゃっていることになりますが、この2つの、矛盾すると思われる説明をどのように結びつければよいのでしょうか?

何度もすいません。説明していただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。

補足日時:2007/12/05 22:49
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陰極では同時に


2H+ + 2e- =H2 が同じ電子量での反応で起こっている事を考慮下さい。

この回答への補足

回答ありがとうございます。

>陰極では同時に
2H+ + 2e- =H2 が同じ電子量での反応で起こっている事を考慮下さい。

↑意味がわかりません。どう考えたらよいのでしょうか?

 何度もすいません。もう少し解説していただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。

補足日時:2007/12/05 22:36
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水酸化物イオンOH^-が十分多いと(1)の反応が優先して起こり、


水酸化物イオンがとても少ないと(2)の反応が優先して起こります。
つまり水酸化物イオンが非常に多い塩基性水溶液では(1)が、非常に少ない中性~酸性水溶液では(2)が起こることになります。

しかし、電子に対する酸素の発生量はどちらも同じなので、結局ほぼ同じ反応が起こっていると行ってよいでしょう。それが証拠に(1)の反応式の両辺に+4H^+をしてみるか、(2)の反応式の両辺に+4OH^-をしてみてください。

この回答への補足

回答ありがとうございます。

参考書の説明では、OH^- から電極に電子が供給され、その結果酸素が発生するということなので
4OH- → O2 + 2H2O + 4e-

この反応式は分かります。
これに対して、試験で求められる
2H2O → O2 + 2H+ + 4e-

についてはどのように考えたらよいのでしょうか?

水酸化物イオンがとても少ないと、電気分解としてOH^-からの電子の供給を受けるという前提が成立しないのでは? ーという疑問も湧きますが、どうなっているのでしょうか?

お手数をかけますが、説明していただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。

補足日時:2007/12/05 22:05
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