
大学の実験でノーザンハイブリダイゼーションをやったのですが,核酸を抽出するときにDNAとRNAで抽出に必要なpH条件が異なる原因がわかりませんでした.
具体的には,それぞれの核酸抽出用の生体試料に試薬を加えて遠心すると,DNA抽出ではpH9の下で上清にDNAが含まれ,RNA抽出ではpH4の下で上清にRNA,有機層にDNAが含まれる,ということです.
ウェブで色々調べたのですが,「DNAはアルカリ性で,RNAは酸性の水溶液で水溶性になる」ということだけがわかり,具体的に「どのような化学的性質の違いにより,溶け方の違いが生じるのか」ということはわかりませんでした.
また,DNA抽出では上清にRNAも含まれている気がするのですが,RNAははいっているのでしょうか?また,入っているとして,ハイブリの結果に影響はないのでしょうか?
どなたかこの辺の事に詳しい方,教えてください.お願いします.
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
Chomczynskiの原著にはその辺の考察があるかもしれませんが、読んだことがないので私の解釈ですが、
水に溶けやすいか、溶けにくいあるいは有機溶媒に溶けやすいかというのは、極性があるかないかによりますね。
核酸はリン酸基を持つ弱酸です。リン酸基はpHが高ければ電離しやすく、逆に低ければ電離しにくくなります。したがって、pH4では電離したリン酸基が少なくなり、電離していないということは極性が少なくなり、水に溶けにくくなります。DNAが酸性で水に溶けにくくなるのはこれによります。
では、DNAと違ってRNAは水相に残るのはなぜかというと、一つはデオキシリボースとリボースの違いで、リボースのほうが極性の水酸基が一つ多いということでしょう。もう一つは、塩基には水素結合をしうる極性があるわけですが、DNAは二重鎖を形成しているために極性が中和されているのに対し、RNAはほとんど一本鎖で、塩基の極性が裸のまま残っているためということがあるでしょう。
DNAの精製をするときは中性付近にバッファリングしたフェノールを使いますが、中性付近ではDNAもRNAも水相にきます。pHをあげることによってリン酸基の電離が促され、RNAがより水相に残りやすくなるだけです。

No.7
- 回答日時:
言葉足らずでした。
#6さんのように、DNAは動的なものであり、きっちりと2重鎖をとっているばかりではなく、1部は1重鎖にもなっている時があるということを述べていませんでした。
転写因子を扱うものとしては、DNAは動的なものであるということを日常にしていますので、言葉足らずでした。
その事をふまえて、RNAはある程度2重鎖構造をとるということを述べたかったのです。もちろん、mRNAが完全に相補鎖で存在するわけありませんよね。
#6さんのおっしゃることとは私の理解していることとほぼ同じです。
なるほど、DNAは動的なんですね。
話は飛んでしまうのですが、
原核生物の染色体DNAはスーパーコイルを形成しているということを授業で習った記憶があるのですが、これは動的な一本鎖への変換を防げるため、よじった構造をとるようになったのでしょうか?
もしそうだとしたら、スーパーコイルは理にかなった構造ですね。
No.6
- 回答日時:
ちょっと質問した方が間違った理解をするのを忍びなく思ったので専門家としてちょっとだけ書き込ませてもらいます。
DNAとRNAの化学的性質はみなさんがおっしゃられている通り、
構成する五炭糖の化学的な性質に依るものと考えた方が良いです。
リン酸基についてですが、これはDNAとRNAともに存在するので、DNAとRNAの性質の違いには関与しません。
DNAが二重鎖であるので影響があるように見えますが、では400bpのDNAと800baseのRNAはどちらがリン酸基の影響が出るのでしょうか?
よって、リン酸基はDNAとRNAの性質の違いには影響しません。
次に水素結合うんぬんについてですが、これもDNAとRNAの化学的な性質の違いには影響しません。
前の方がおっしゃっているように、RNAは一本鎖ではなくほとんどがなんらかの二本鎖になっています。
では、1つのRNA分子中に全く同じ配列があるわけないから、DNAよりはRNAのほうが裸の塩基が存在するのではないか?という疑問が枠と思うのですが、
私の経験上、DNAきっちり二本鎖を保っているのではなく、ちょくちょく一本鎖にななり得ます。分子の結合というものは確率の世界でして、結合しているという事は、結合している確率(時間、割合)が高いということを意味します。
つまり、RNAの裸の塩基が存在するのと同じくらい、ある一定のDNAは水素結合が外れている事もあるということです。
難しく書いてしまいましたが、水素結合はDNAとRNAの性質の違いに関係ありません。
また、リン酸基がDNAとRNAの化学的な性質に関係がないと前に書きましたが、その理由のためDNA抽出のときにpHを高くするとリン酸基の電離が促されることでDNAが水相に行きやすくするということはあまり聞いたことがありません。
DNAの抽出には、RNAを分解するRNaseを加えることでRNAを除去するのことが普通だと思います。もしくは、DNA抽出を行っている間に、組織内のRNaseが働いてRNAは自然と分解される事もあると思います。
基本的にDNA抽出の際にはDNaseの活性阻害を施しますが、RNaseはなかなか活性がなくならないためにRNAは自然と分解されることは十分あり得ます。
私の言葉の足りないお礼のせいで,geneticist12さんの説明で間違った理解をしたのではないかという心配をさせてしまいました.
「リン酸基という観点でよく理解できた」というのは,
他の物質の比較した核酸としての性質として,リン酸基をもつという化学的性質から,酸性下では水に溶けにくくなり,アルカリ性下では「リン酸基の電離が促され」水に溶けにくくなるということを教えてくださったため,核酸に対する理解も深まった,という意味です.
ご迷惑をおかけしてしまって申し訳ありません.geneticist12さんの説明はとても参考になりました.
一本鎖/二本鎖についてですが,私が読んだ教科書(一応,大学レベルの)でもDNAは二本鎖として,RNAとして(基本的には)一本鎖として存在するということしか書いてありませんでした.DNAがある確率で一本鎖で存在し,「RNAの裸の塩基が存在するのと同じくらい、ある一定のDNAは水素結合が外れている事もある」というのは初めて知りました.
No.5
- 回答日時:
二次構造をとるというのと、水素結合基が全てふさがれているというのは同義ではありませんね。
裸の水素結合基はそのままでは不安定なので、ループ、ランダムコイルなど二次構造をとりますが、二重鎖を作るのは一部分だけですし不安定です(メッセンジャーRNAのサイズで完全相補な二本鎖や自己相補鎖があったら生き物とっては非常事態です)。塩基対合を作っていなければ、水素結合しうる基には水分子が配位します。そもそも、リボースのOH基が持つ親水性はOとHの結合が、δ-とδ+に分極しているからで、塩基間で水素接合する力なと同じなんですけれどね。
2年半ぶりにページを開いたところお礼をしていないことに気が付きました.
遅ればせながらではありますが,
ありがとうございました.

No.4
- 回答日時:
DNAとRNAの化学的性質の違いは、構成する糖がデオキシリボースかリボースであるかの違いがほとんどです。
他の人が書いていらっしゃる通りです。
ただ、化学的性質の違いには、DNAとRNAの水素結合の有無は、全くといっていいほど関係無いと思います。
RNAは1本鎖ですが、通常状態ではRNAは1本鎖ではほとんど存在せず、ループ構造などシスに結合しているといいますか、同一分子上の似た配列で2本鎖状になっていますので、RNAにおいて塩基の極性が裸のまま残っているということはほとんどないです。
そのことはノーザンハイブリを行うときに、ホルムアミド等でしつこくRNAを変成させることからもわかると思います。
2年半ぶりにページを開いたところお礼をしていないことに気が付きました.
遅ればせながらではありますが,
ありがとうございました.
No.3
- 回答日時:

No.1
- 回答日時:
私は化学はあまり得意ではないので、生物系化学の知識の範囲内で勘弁してもらいますが、DNAとRNAの化学的性質の違いは、それらを構成するデオキシリボースとリボースの違いに依ります。
内容から察するに、RNAの抽出はAGPC法を元にしたものであると思われますが、その場合、RNAを構成するリボースは、DNAのデオキシリボースに比べて2位の炭素に水酸基が一つ多くあるため、酸性下でフェノール処理するとDNAは疎水性にまさるフェノール層(有機層)に分配されますが、RNAはリボースの水酸基があるため水相に分配されます。
また、DNA抽出のときにRNAも含まれている気がするとのことですが、通常のプロトコールではDNAやRNA分子の化学的な性質を利用した抽出の過程だけでなく、積極的にDNAやRNAを分解する酵素で処理する過程が盛り込まれていると思います。そのため、サザンハイブリを行うためのDNAはRNaseでRNAを分解して調整すると思います。
また、前述のAGPC法で調整したRNAも、その化学的な性質を利用した方法だけでは完全でないことが多く、混入したDNAを分解するためDNaseで処理することが良いことが多いです。
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