No.11
- 回答日時:
あー、ちなみに陪審員制度はキリスト教となんの関係もありませんし、むしろ国民の司法参加は政教分離と社会倫理の世俗化(非宗教化)のなかで考え出されたことですし、アメリカ合衆国の未だに発展途上国並み(失礼!)な一部とポーランドを除けば、キリスト教なんて日本での葬式仏教や七五三のときのためだけの神道となんら変わりはありません。
さらにちなみに、日本の宗教は一般に仏教と神道とみなされ、また伝統的にこの両者はほぼ融合して信仰されて来ましたが、仏教の殺生戒はユダヤ・キリスト教文化におけるモーゼ10戒の第6、殺人の禁止よりもよほど厳しいものです。
西洋と日本の違いを主張する方もいらっしゃいますが、強いて言えば違いは「民主主義の定着」「国民主権という意識の浸透」の度合いの違いだけでしょう。裁判員制度は少なくともその両方を促すことにはなりますし、過去60年間、世界でももっとも完成度の高い民主的憲法といえる日本国憲法は、立派に日本の文化となっている…はずです。なってなけりゃ日本人という民族はよほど奇妙な民族だということになってしまいますんで。
なお「一般人は法律の知識を持たないから」という反対論に対しては、中学高校の社会科であなた方はなにを学んで来たのか、と問いたいとは思います。実は近代法治の理念の基礎は、ちゃんと教科書に書いてありますし、その程度の知識でも裁判員は務まるように制度が出来ています。さらに私が書いて来ました日本の司法の問題点は、普通に新聞を読みテレビを見ていれば、あとは記憶力の問題でしょう。
…とは言うものの、現代日本人というのは確かに「よほど奇妙な民族だということになってしまい」兼ねない一面を持っていて、どんな知識でもすぐに専門家にすがって専門家や「お上」に100%依存してしまい、自分自身の良心的判断から逃げる傾向が非常に強い。もっとも、それは日本人の民族性というよりは、現代日本社会のとくに教育の歪みに起因するものでしょう。
一般人がそんな恐ろしい判断を、というのなら、無責任にも「厳罰」を感情論で訴えてすぐに忘れて、深く考えもしない日本社会の世論全般を考えれば、そんな「恐ろしい判断」はすでに我々は日常的に、無責任にやっています。たとえば本村洋氏の訴えを「死刑による復讐」に勝手に変えてしまってヤンヤ、ヤンヤと騒いでいる輩には、死刑判決後の記者会見での氏の「死刑という残酷な判決を出すような社会」という言葉を深く噛み締めてもらいたいと思います。
「凶悪犯は死刑にしろ」と騒いでおきながら、いざ自分にその責任がかぶって来たら「そんな恐ろしい判断」というのは、ちと無責任に過ぎます。
各自、それぞれの宗教、考えは違ってもモラルは守らなくてはならないですよね
人を裁くことの難しさを改めて感じ考えさせられます
祖父が犯罪者を弁護していることに疑問を感じていました
この世から犯罪がなくなればいいのにな^^:
No.10
- 回答日時:
裁判員制度が来年に迫って来て、年々、参加したくないと言う人のパーセンテージが増えて来ているそうです。
私は最初からこの制度には反対でした。
確かに主権在民の国に於いて、裁判に参加する事の重要性は分からないではありませんが、これもやはり、他所からの借り物的な感を拭えません。
人を裁く国民の意識の成熟度や人間性の底を流れる普遍的な宗教観の違いを考えに入れない裁判で、公平に正義が行われるとは到底思えません。
歴史観、人生哲学、日常の行事、また、あらゆる種類の芸術、全てが宗教を抜きにして語れない欧米と、ついこの間まで仇討ちの論理で人殺しを容認してしていた民族が同じ裁判形式で人を裁く事に無理があります。
またそのような宗教的土台の上に成り立っている欧米の陪審員でさえ、罰金を払ってその役目から解放されたいと望む人がいるそうです。
人の一生を決める裁判制度が走り出した後で、うまく行かないから、また手直しするといっても裁いてしまった後では手遅れな事もあります。
法曹を目指し日夜、研鑽を積んだものでさえ、冤罪と言う間違いを犯すものを、何の知識も持たない我々に、考えるだに恐ろしい仕事を押し付けないで欲しいと思います.
また我が国では裁判員は国民全員参加という事ですので、これも不安材料はの一つです。
くじ引きで決まった裁判員が過去、現在に渡りどのような思想、経歴かまでは誰も分からないのです。
極端にいえば、殺人者に、出来心で子供を連れ出してしまった人が裁かれる可能性も排除出来ません。
ネット上の討論一つ冷静に出来ない国民が他所の国のまねをして人を裁く事には反対です。
だいたいこの法案を強硬に通した公明党の意図がわかりません。
知的財産権などの裁判のスピードアップを望む経済界からのニーズがあったとも聞きますが、私たち国民のための制度とは到底思えません。
二十歳以上の国民の義務・・・とはなっていても犯罪歴があったりしても選ばれるのでしょうか?
候補者をガラポンで選び 候補の人は面接があるので、その時に落とされるのではないのでしょうか?
いずれにしても国の考えは それぞれの立場、それぞれの考え…というのが狙いらしいのですが、自分の考えが必ずしも判決に反映するものでもないし難しいですね
ありがとうございました
No.9
- 回答日時:
> 他国の事情はまったくと言っていいほど 知りませんでした
実は最近、アメリカでは冤罪事件が相次いでいます。過去に有罪で死刑判決になっていたりする事件が、科学捜査の進歩で、証拠品のDNA鑑定をやり直してみたらまったく違っていた、など。
人間はどうしても先入観に囚われ易い生きものですから、間違いは必ず犯す。そのぐらいの覚悟でないと、人を裁くというのはなかなかできないことではありますよね。
> なるほど・・・出来ればやりたくないと思っていました
…ですよね。僕なんか出来る限り「推定無罪」原則を主張したくなります。
先入観ですか・・・それはずいぶん影響があるとも聞いてます
印象が良ければ・・・?
反対に印象派が悪ければ・・・?
科学の進歩でも心の中までは・・・
この制度のことを考えると心が重くなります
自分は犯罪を犯すつもりはないけど、冤罪とかで・・・・って考えると怖いです
ありがとうございました
No.8
- 回答日時:
> 裁判について もっと知らなければいけないと思いました
そういう効果は、この制度にはあるかも知れません。「真面目で勉強熱心」というのはまだ一応、日本の文化で美徳とされていることですから、国民性であると言ってもまだいいでしょうし、そうやってよく知ることが結果として…
> この制度の導入で 犯罪が減ることになればいいと思います
…となることも、思いっきり楽観的になれば、多少の効果はあるかも知れません。というのも、日本での殺人や傷害は比率として「普通の人」が、知り合いや家族間で、というのがとても多いので、よく知ることはある種の抑止力には、なるかも知れません。
そういえば前にご紹介した『相棒』は、先シーズンの第一回がテーマは裁判員制度でした。
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_06/contents/stor …
しかも最終回は、冤罪事件(明らかに袴田事件がモデル)
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_06/contents/stor …
No.7
- 回答日時:
補足:
> …というのは、日本でも裁判官が裁いた事件がらみで襲われたという事件はないようですし、陪審員が、ということも外国でもまずありません。なぜなのかは分かりませんが。
…というのも、裁判員も陪審員も、公開の法廷に立ちますから、匿名になっていても顔は特定できますので。
> 状況証拠だけのときには
基本的には、状況証拠だけでは有罪にしていけないというのが近代司法の原則になっています。よほどしっかりと組み上がった状況証拠の流れでない限り、裁判員としては反対した方が、えん罪に加担して後で公開することが亡くてまだマシ、ということになります。
No.6
- 回答日時:
> 後で仕返しとか恨まれたりとか・・・
…というのは、日本でも裁判官が裁いた事件がらみで襲われたという事件はないようですし、陪審員が、ということも外国でもまずありません。なぜなのかは分かりませんが。
日本の裁判の場合、検察と裁判所がなかがいいせいか、「推定無罪」、被告が確実にその犯罪を犯したと証明されない限り無罪にしなければならない、という近代司法の原則が、あまり守られていないことがしばしば指摘されます。実際、ときどき一般人から見てもこじつけとしか思えない裁判理由もあります。
検挙率が高いということ自体は捜査当局が優秀だということでいいのですが、自白偏重である上にその調書は捜査員の作文で、「こうやったんだな?」「はい」と言うやり取りが自白調書では「私はこうやりました」と書かれるので、捜査員の推測を押し付ける余地がとても大きい上に、これはアムネスティ・インターナショナルから是正勧告を受け、国連の人権委員会でも問題にされている「代用監獄制度」があります。被疑者は事実上捜査側の完全な管理下に置かれ、100日以上も拘置されて取り調べ側の言うことに全面的に服従しなければならない、という精神状態に追い込まれます。つまり、やってもいないのに「やった」と言わされてしまう可能性が非常に高いことがとても問題視されていますし、そういうかなり疑わしい証拠で有罪になって99%の有罪率になっている危険性は否定できません。
自白第一主義は戦後の刑法で否定されているのに、自白したかどうかが実際の裁判では重視されて判決が出ていますし、その自白の信用性はなかなか弁護側も争えません。というのも、取り調べ段階での自白を公判で翻したときに、「反省していない」と言うことでかえって厳しい判決になることが非常に多いからです。
さすがに問題になって、ようやく「取り調べの可視化」が決まりましたが、こんどは捜査当局の裁量だけで裁判所に提出できる取り調べの映像記録を取捨選択できる、つまり都合のいいように「編集」できるという、これまた理屈に合わない法律になっています。
すでにその問題をテレビドラマで扱ったりしてますが
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_06/contents/stor …
とくにテレビや映画を作ってる人は、この法律の危険性に本能的に「おかしい」と感じているようです。いくらでも操作できますから。
検挙率が高いこと自体は警察の市民に対する義務ですが、その数字だけで評価されるようになると、無理にでも検挙率を上げることになります。警察当局が優秀で良心的であればいいのですが、お役所の職務上の倫理が低下しているのは、警察でも例外ではありません。「拷問まがいの取り調べで無理矢理自白」というのは前時代的な話だと思いがちですが、実際にはかえって増えていて、一方で昔ながらの被疑者の心の機微をうまく読み取って自白に導くというテクニックを持った捜査官が減っていることには警察当局も危機感を感じて、研修などに力を入れているようですが。
一方で、検挙率をあげる、ないし維持するためにもうひとつ出来る仕掛けは、事件そのものを減らすことです。時津風部屋で起った暴行致死事件を、愛知県警の所轄所が最初は「病死」で処理し、納得しなかったご両親が別のところで解剖してもらってやっと事件になったのも、記憶に新しいと思います。
栽培員制度自体は悪いことではありませんが、こうした日本の警察や司法の実態を裁判員になった市民が知らないと、かえってえん罪の温床になりかねないことになりかねないというのが、日弁連などが非常に危惧しているところです。
その上裁判員が参加できるのが3日で、その3日で証拠を見て証言を聞き話し合って合議で判決と量刑を出す、というずいぶん忙しい話です。それで公判前整理手続き制度などが出来て、裁判員が参加する前に検察・弁護・裁判所で論点を整理しておくことになったのですが、逆に言えばあらかじめ出来上がった裁判の流れのレールに単なる言い訳として裁判員が参加する、ということにしかならない、とも言えます。
そういったことを考えれば、栽培員になったときには少しでも疑問があれば絶対に有罪には賛成しない、決してなんとなく流れにのせられてはいけない、というくらいの覚悟を決めてでないといけないのかも知れません。
逆に裁判員制度の導入で、こうした日本の裁判の問題点がひとつひとつ解消されていくという可能性も考えられるのではありますが。
とりあえず、少しでもその人の「有罪」に疑問があれば、無罪にしなければならないという大原則は、裁判員になる人は肝に銘じておかなければいけない、ということは言えると思います。
No.5
- 回答日時:
裁判の難しさ、「冤罪」を有罪にしてしまう。
という難しさについては、裁判員制度があろうとなかろうと、リスク自体が変わるわけではありません。裁判員制度の一番の要は、民主主義国家における主権者(国民)による監視です。
三権分立のうち行政と立法については、行政監査請求や選挙によって(不完全とはいえ)監視することができますが、司法権については最高裁判事に対しての信任投票があるだけで、実質的には国民監視の目が行き届かない世界でした。
最近、裁判員制度について色々なところで議論されていますが、その中で各国の量刑基準について言及しているものがありました。
たとえば窃盗の場合、日本だと携帯電話の充電のために1円分の電気料金の窃盗でも起訴されますが、中国や米国だと30万円以上の窃盗など一定の金額以上でないと起訴されないようです。
イスラム教だと窃盗で手首を切ってしまうなど、量刑判断など犯罪をどのように「裁く」のかは国情によって違います。
日本の国情に合わせた量刑とはどのようなものが良いのか、裁判員制度は量刑判断だけでなく、国民が司法に参加する意義が他にもあるということです。
最近、無罪判決が増えているのをご存知ですか。
裁判員制度にあわせて、裁判員が納得して有罪の判断をすることが出来ると思われる証拠が無い場合、裁判官は無罪の判決を出すことが多くなってきました。
これだけでも無実の人が冤罪になる可能性が低くなり、裁判員制度を導入する意義のあることだと思っています。
もともと裁判とは「疑わしきは被告の利益に」(有罪にするのが疑わしいときは、有罪にしてはならない)と言うのが裁判の原則で、今まで有罪を立証するのが難しい事例まで有罪にしていたほうがおかしいのです。
民主国家というのは、国家運営の全てに国民が参加するのが原則であり義務でもあります。
ですので、多くの民主主義国家で何らかの形で司法参加がとり入れられているのです。
No.4
- 回答日時:
12人の優しい日本人、という映画があります。
日本人に、いかに裁判員制度がなじまないか、ということが非常によく分かる映画です。
> 後で仕返しとか恨まれたりとか
これは、一応、裁判員の氏名その他は一切公表されないことが規定としてあるのですが、逆に言えばそういった規定を盛り込まなければならないほど難しいことになりやすいといえるでしょう。
裁判員制度で一番問題だと私が考えていることは、同じ事をした人の罰則が、例えば容姿で大きく軽重がわかれてしまう、というような問題です。現行の制度では、いわゆる「相場」というものがあり、同じ事をした人は大体同じ位の刑罰が課せられます。しかし、裁判員制度では、同じようなことをしても、刑罰の軽重がどうなるかは全く分かりません。
この問題はアメリカでもあり、全く同じ事件劇を、容姿の美しい人とあまり美しくない人を容疑者として行い、有罪か無罪かを調べたところ、美しいと無罪の確率が高くなる、という実験があります。白人と黒人では白人の方が無罪になりやすい、という結果もあります。
アメリカの場合は量刑は裁判官が決めますが、日本の場合は裁判員が決めるので、大きな問題になる可能性が高いです。
> そうでなくても日本の刑事裁判の有罪率99%以上というのは、異常な数字です。
よく日本の裁判制度の欠陥として挙げられる数字ですが、逆に言えば冤罪で起訴される人がそれだけ少ない、という意味で、非常に優秀だと解釈も出来ますね。
やったかどうか、起訴されるかどうか、ということを考えると、
1) やった人を起訴する
2) やってない人を起訴する
3) やった人を起訴しない
4) やってない人を起訴しない
の四つに分類できます。正解なのは1) と 4) なのは分かると思います。
統計学では第一種のエラー、第二種のエラーと呼びますが、実際には 2) と 3) の割合を同時に減らすことは、非常に困難です。
日本は他の国と違い、3) の割合が高いようです。たとえば、「証拠不十分で起訴を断念」云々というニュースを目にしますよね。実際問題冤罪がないとは思いませんが、その数が他の国と比べて著しく多いとも思いません。
諸外国では、殺されたはずの人は生きているが「犯人」は有罪で刑期に服す、なんてのも少なくはないですね。
わかりやすい説明をありがとうございます
他国の事情はまったくと言っていいほど 知りませんでした
12人の…を見てみたいと思います
No.3
- 回答日時:
> 被告人が犯行を認めてくれたら簡単だけど 状況証拠だけのときには 冤罪とかに加担してしまう可能性はないのだろうか
あります。正直、いちばん日弁連などが心配しているのは、裁判員と裁判官の合議制で判決と量刑を出すので、裁判官が誘導すれば「国民参加」を言い訳に不当な判決が乱発されるのではないか、という危険です。そうでなくても日本の刑事裁判の有罪率99%以上というのは、異常な数字です。
元警察官僚の亀井静香議員が自分で言ってました。「たいていは拘禁反応で異常な精神状態に追い込まれて自白するんです。だから間違いがあってもおかしくない。私が言うんだから間違いありませんよ」と。そうやって立件された事件が、ほとんどの場合検察ペースで(というのも、システム的に裁判官と検察官はいっしょに研修を受けたりして仲がよく、人事交流もあるので)裁判が進みます。しかも刑法の建前はそうはなっていないのに、実態は自白偏重です。
ですから裁判員になった人の自覚が足りなければ、裁判員は単にそのような最近疑問が出ている裁判制度や判決を、「国民参加」を言い訳に正当化するツールにされかねないわけで。
しかも多数決です。最低限、死刑判決だけは全員一致でなければ下せない、というように法律を改正すべきでしょう。だって自分はこの人はえん罪だと確信していても、多数決で死刑になって、その判決を下した裁判員の一人ということになってしまえば、やりきれませんよ。
裁判への国民参加はメリットも大きいはずなんですが、どうもこの裁判員制度は、ねぇ…。
私の祖父は弁護士でした
自慢の祖父でしたが いつの日か犯罪を犯した人を弁護する祖父に疑問さえ覚えました
裁判員制度も最終的には多数決で決まるのですから参加しても自自分の意見が反映されるとは限らないし…本当にやりきれませんね
まだこの制度は…五里霧中デメリットの方が多く感じてしまいます
ありがとうございました
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