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ある化合物A(融点115℃)を、化合物B(融点85℃、沸点260℃)と130℃で6時間反応させたいと思い、ナスフラスコ-冷却管-窒素入り風船という装置を使って130℃で還流を始めたところ、130℃まで温度を上げていく途中でナスフラスコの上部(油浴に浸らずに空気に晒されている部分)全体に固体ができてしまいました。後で調べたところ化合物Aは昇華性があるということがわかりました。このままでは、6時間反応させることができないので困っています。また、ナスフラスコと冷却管の繋ぎ目付近で昇華性物質が詰まりそうになるので密閉系になって内圧が高くなる危険性もあります。

このような昇華性化合物を加熱して反応させたい場合はどのような反応装置を使えばよいのでしょうか。教えて下さい。お願い致します!

A 回答 (5件)

幾つかアドバイスです


>密閉系になって内圧が高くなる危険性
ここに書いてある条件だけだと、密閉系になっても、危険な内圧になることはないと思います。そもそも幾ら昇華性があっても沸点以下で大気圧以上になることはありません。
例えば、水も固体状態の氷で気化し、昇華性があるとも表現できます。(フリーズドライ食品を作る際に利用されています)だからといって、密閉した容器に氷を容れて、液化する温度にしても無限に内圧は高くなりません。どんなに高くても、その温度の飽和(水)蒸気圧までです。
但し、(ここには書いてありませんが)溶媒を使っている場合や生成物Cが生じた場合は、内圧はそれらの物性を考慮する必要があります。
>ナスフラスコの上部(油浴に浸らずに空気に晒されている部分)全体に固体ができてしまいました
ロータリーエバポレーターの様に、フラスコを斜めにして油浴につけて回転させれば、フラスコ上部に生じた固体は溶けると思います。
これだけの情報だと冷却管はいるのかな?という気もします。化合物Aなり化合物Bを、液体としてフラスコ内に回収するのであれば、冷却温度は、融点以上沸点以下でないといけません。室温の空気(フラスコ上部)や水道水の水温(水冷式の冷却管であるとして)で冷やすと当然ここに書いてある融点以下なので昇華性の如何に関わらず、固体が生じているのは自明な気がします。
とりあえず、ここに書いてある情報より、パッと思いついたことです。

この回答への補足

もしよろしければ昇華に関してもう一つご意見を聞かせてください。

http://oshiete1.goo.ne.jp/qa79574.html)のNo.2さんの回答に「急激に温度を上げれば融解してヨウ素の液体が観察できる」とありますが、この原理がよくわかりません。温度の上げ方を「ゆっくり」にするか「急激」にするかで昇華するか否かが変わるとはどういうことなのでしょうか?

温度をT1→T2にあげる場合に、ゆっくり温度を上げる時は状態図の三重点より低い圧力のところで昇華曲線を横断して固体→気体になるのに、急激に温度を上げる時は途中で三重点よりも高い圧力のところにどうにかして移行して融解曲線を横断して固体→液体になるということなのでしょうか?私の反応の場合でも急激に130℃に上げる(あらかじめ130℃にしておいた油浴にナスフラスコを入れる)ことで昇華を防ぐことできる可能性はあるでしょうか?

もしよろしければご回答を宜しくおねがいします!

補足日時:2008/06/19 14:37
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この回答へのお礼

なるほど、そういえば沸点以下で昇華圧が大気圧以上になることはないんですね。この反応で合成したい化合物Cは蒸気圧が低いものなので、ナスフラスコ内の内圧が外圧(大気圧)よりも高くなってナスフラスコのガラスが割れたりする危険性はおそらく無いと思われます。冷却管は確かに不要ですね。注意しながら密閉系で斜めに回転させながら試してみようと思います。今まで状態図や蒸気圧などがよく分かっていなかったのですが、アドバイスのおかげでイメージをつかむことができました。どうも有難うございました!

お礼日時:2008/06/19 14:37

No.1です。

補足に対する、コメントです。
ヨウ素は融点:113℃、沸点:185℃なので、ゆっくりでも急激に加熱でも液体は見られると思います。多分ですが、ゆっくり加熱していると融点に達する前に昇華しきってしまう(この場合は開放系です)ので、急激という条件をつけているのだと思います。
今回の操作の場合、反応温度(130℃)が融点(化合物Aは115℃、Bは85℃)以上の温度で、気化する前の状態が固体から(昇華)が液体から(蒸発)に変わっただけなので、昇華をさせないことに意味はないと思います。
補足のコメントからすると、状態図(縦軸が圧力で、横軸が温度)を見ているようですが、蒸気圧曲線(を右方向:高温側へ辿って)が固体から液体に変わる(三重点)前後で、もし仮に蒸気圧が(高温側の)液体側で下がるようなことがあれば、昇華をさせないことは重要なことです。但し、私の記憶では、固体から液体になって蒸気圧が下がった例は知りません。
蛇足ですが、状態図で横線を引く(つまり定圧で温度変化を見る)と、固体と液体、液体と気体を分ける点が出てきます。これがその圧力における融点(凝固点)や沸点を示します。今回の例では、(外気に触れないと言う意味で)密閉系ですが、端に風船がついているので、定圧条件(大気圧+風船の張力)と見て差し支えないと思います。例えば、二酸化炭素は三重点より低い圧力にある大気圧で横線を引くと液体がありません。ですので温度を上げれば(液体を経ずに)完全に昇華します。しかし、化合物A・Bは共に、大気圧下で融点が示されている以上、大気圧は三重点より高い圧力の所にあるハズです。
それと若干、気になるのですが、昇華性というのは、「(固体での蒸気圧が高いので)固体からでも直接気体になる量が多い」と言うことだと思って下さい。昇華性があるからと言って、液体にならないと言う訳ではありませんし、(密閉系であれば昇華点以下で)固体が全て気体になる訳でもありません。液体でも沸点以下で蒸発はします。でないと洗濯物が乾きません。(開放系で乾きます)
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この回答へのお礼

なるほど「昇華をさせないことに意味はない」というのは、「130℃の状態で融点115℃の化合物Aは沸騰はしていないものの蒸発はしており、液体と共にある程度気体も存在している。その気体がナスフラスコ上部の油浴から出た部分で冷やされて結局固体ができてしまう。」ということでしょうか。たしかに昇華だけを気にするのはおかしいですね。勘違いしておりました。

丁寧にわかりやすく解説しただけたことで、理解が深まりました。教えていただいたことを考えながら、物質の相転移についてもう一度勉強し直したいと思います。本当に有難うございました!

お礼日時:2008/06/20 16:58

難しい理論はよく判りませんので置いといて、我々は、低沸点化合物や昇華性化合物を高温で反応させる場合「封管」を使用します。

この装置は、内圧も高くなりますのでご注意ください。
パイレックス製やステンレス製の封管は市販されております。
なお、大量に反応させる場合は「オートクレーブ」を使います。

この回答への補足

すみませんがもう少し質問させてください。封管をオートクレーブにより加熱する場合は攪拌はしないのでしょうか?突沸したりしないか少し気になります。またオートクレーブを用いない少量の場合は小さな封管を油浴に完全に沈めるという感じでしょうか?よろしければアドバイスをよろしくお願いいたします。

補足日時:2008/06/20 17:26
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この回答へのお礼

封管についてよく知らないのですが、ガラス容器に試薬を入れてガスバーナなどでガラスの口の部分を溶かして封じる、という方法でしょうか。

加熱の方法には油浴に容器を入れることばかり考えていましたが、オートクレーブを用いるという方法は気づきませんでした!オートクレーブは培地や器具の滅菌にしか用いたことがなかったのですが、合成にも使用できるのですね。今後使用を検討したいと思います。アドバイス有難うございました!

お礼日時:2008/06/20 17:23

No.1です。


>「130℃の状態で融点115℃の化合物Aは沸騰はしていないものの蒸発はしており、液体と共にある程度気体も存在している。その気体がナスフラスコ上部の油浴から出た部分で冷やされて結局固体ができてしまう」
その通りです。
質問者の方は、雑然とした私の説明にも、理解が早く(的確で早すぎる感もありますが)、物事に真剣に取り組んでいて、且つ、素養の高い人だと思いました。非常に印象がよかったです。ありがとう。
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この回答へのお礼

思わぬ嬉しいお言葉有難うございます!有機合成をやるからには有機化学の礎となっている物理・物理化学もできるだけ理解しておきたいと思って私なりに頑張っているのですが、物理・数学的な考え方をすることが昔から苦手なので教科書を読んでも式やグラフがなかなか理解できず、イメージをつかむだけでも非常に苦労しています。でも、これからも少しずつ努力を続けていこうという気持ちになれました。今後また質問をさせていただくことがあるかもしれませんが、その際はどうぞよろしくお願いいたします。本当に有難うございました!

お礼日時:2008/06/20 19:46

No3です。


市販の封管は、パイレックス製で容量は各種あります(直径10mm,長さ100mmくらいから)。上部には、ねじで締めれるように金属のコックがついております。その中に、試薬、溶媒をいれて、油浴の中にどぼんとつけて反応させます。全体の量が100mlを超える場合は、ステンレス製の封管、あるいはオートクレーブ(加圧釜)を使用します。
生物用の培地、器具等の滅菌に使用するオートクレーブと、合成用のものとは少し違います。

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/オートクレーブ
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この回答へのお礼

コック付きの封管があるとは知りませんでした。ガラス細工は苦手なので不安でしたが、コック付きであれば安心して使えそうです。今後使用を検討したいと思います。封管を油浴に完全に浸すことで昇華性物質の反応が行えるということが分かり、感謝しております。

加圧-高温のような合成条件を作る合成装置を具体的に想像したことが今まで想像したことがなかったのですが、合成用のオートクレーブを用いていたのですね。納得しました。

アドバイス本当に有難うございました!

お礼日時:2008/06/20 20:07

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