No.3ベストアンサー
- 回答日時:
新聞や公の文書は、共通語である普通話(台湾や昔の香港では「国語」)に沿って書くのが普通です。
それと見て、方言の発音で読み上げることもあり得ます。ただし、方言での記述も可能です。個人のメモなどでは良く用いられます。本屋に行って、台湾語や広東語、上海語のテキストがありますよね。それです。
新聞は基本的に共通語で書くはずですが、香港では大衆紙(有名なのだと蘋果日報=アップルディリー)になると広東語の文章が出てしまうこともよくあります。
漢民族の話し言葉がいろいろ違うのは、もともと違う民族が統合されて来たからです。そのため、一部の発音が漢字にできないものもあると聞いたことがあります。また、一部文法も違います。たとえば「私は先に行く」は普通話なら「我先走」ですが、広東語では「我走先」と順番が違ってしまいます。(私も広東語は片言なので、偉そうに講釈できませんが。。。)
ヨーロッパ諸語並みに違う言葉だと言っても構わないと思います。漢字という表意文字がなければ、これほど言葉場が違う人々を漢民族としてまとめることはできなかったでしょう。
ちなみに、台湾では母語となる方言の違うグループをエスニシティーと表現することが多いです。ただ、民主化の後に強調されるようになったことや、外省人は「国語」を用いるものの本来の母語は様々ななのに一括でいいのか?など、厳密な意味でもエスニシティーじゃない側面もあります。
No.2
- 回答日時:
書き言葉が衰退したとは言っていいかわかりませんが、書き言葉広東語にあります。
また、正式文書をどうとるかによります。たとえば、中国になったので簡体字普通話を正式とすると考える人もいますし、昔から存在するものを否定もできません。
統一概念が、日本人ほど強くないのです。
また、地方の人が普通話を話すとき、普通話の発音を「しようとする」が近いかもしれません。「正しい」が正確かどうかという意味ではなく、「標準語に近いであろう」とか「標準語(普通話)を話していると考えている」という意味において、彼らは自分は間違った言葉は使っていないと考えている、が近いとおもいます。
彼らにとって、通じているのですから没問題(問題無し)なので、それ以上でもそれ以下でもないのです。
決まった確固たる正しさや合意を求め、それにそぐわないものを間違いであると考えたり取り除いて考えるのは、西欧人や日本人にはあたりまえですが、中国は何でもありですし、何でも没問題(問題無し)カルチャーなのです。
たとえばあるポジションの人や商売する人に、「○○を知っているか」「○○はあるか(売っているか)」「○○へ行けるか(運転手など)」と聞いても、まず「YES」です。Noといってメンツをつぶしたり、お金を稼ぐチャンスを損なうほうが、彼らにとってはいやなことです。しばらくして、やはり当人はよく知らない、裏を探して顧客にマッチする商材がない、現地へ行ってみてその場所を現地人にきいて探し出す、など何でもありです。
決まったプロシージャー(やり方)やルールに沿うこと、共通性に近づこうとすることよりも、結果(実利やメンツ)のほうが彼らには大事なのです。
中国人の行動を考えると、質問のようなある決まった法則性を見いだそうとすること自体、あまり意味がないかもしれません。
No.1
- 回答日時:
まず普通話が1950年代に毛沢東の下、人民大会などで、簡体字、ピンインを採用して、普及させることを決定された、意図的に制定された言語であることを覚えておくといいとおもいます。
つまり、元になった東北地方の言語や官語はあるものの、ある地方の言葉をそのままもってきたわけではないですし、ピンインも普通話にもちいられた1種類ではないため(中華民国時代のピンインもある)、制定された標準語と考えた方がいいと思います。
普通話が制定され、普及が開始されたのが50~60年代くらいからですが、元中国人同僚の村に初めて普通話のラジオが流れたのは1986年だったそうです。そのとき、初めて普通話を聞いたそうです。
また、普通話のテレビ放送を初めて聞いた北京の人が、「この言葉は、おかしい」「何を言っているんだ」ともらしたことが、黄文雄さんの著作に短くかかれています。
現在でも、地方からでてきた人の一部は、学習がすすんでいないため、都市部にきて初めて普通話を学び話す練習をする人はすくなくありません。
また工場へ行くと、漢字の指示書は読めるものの、中国人同士で言葉が通じない地方の子たちはいます。中国人は気にいらなかったり、メンツをつぶされると集団ですぐに辞めるため、遠い田舎から、バスで集団リクルートされて来た小姐が多いからです。10台半ばくらいにみえ、ろくに学校にもいっていない感じの子もいます。
広東省は(台湾人によると)毛沢東政権下のもと、普通話と簡体字の浸透が進んだとのことですが、香港は独自の言語と繁体字がのこりました。戦後台湾の学術関係者といっしょに、繁体字の研究をつづけたため、香港と台湾のいわゆる常用漢字の数は、ほぼ一致しています。
ただ、台湾資本が出版などで香港への進出がめざましく、台湾の繁体字で普通話(台湾での國語ですが)の語順で印刷されたものが、その同じ物が膨大な量で香港で流通してきました。このため、本来書き言葉があった香港でも、繁体字で普通話の語順の出版物が普及してしまいました。
その後1980年代にイギリスから香港返還が決定すると、1990年代初めには中国関係者はすぐに普通話の放送と教育も開始しました(実際の返還は97年ですが、その何年も前に中国語普及がはじまっています。これは香港人に教えてもらいました)。
このため広東人がよむ出版物は、正式文書をのぞいて、雑誌や書籍は繁体字で普通話の語順になっているようです。
また他の地域も含め、一部の普通話をまったく話さないイスラム地域やチベットなどをのぞいて、全土的に普通話の書き順がひろまっていると思っていいのではないでしょうか。
アクセントが違ったりするものの、香港人も含め、全土的に普通話の音に近い音はいえるとおもいます。
ただ日本人のように「標準語だから、それに合わせようとする」という、標準化意識はありません。皆自分が正しいとおもっています。
私の四川出身の普通話の先生は、大連人の発音とあきらかにちがいましたが。
この回答への補足
ありがとうございます。
御回答によると、以下のようなことでよろしいでしょうか。
・香港には元々、普通話とは別の書き言葉があった。だが、台湾経由で普通話の書き言葉が入ってきた。もともとの書き言葉は、正式文書をのぞいて、衰退した。
・現在の中国で書き言葉とは普通話のことであり、それを発音するときは(方言ではなくて)普通話の発音をする。ただし、その普通話の発音は自分が正しいと思っている発音である(つまり、方言に影響された発音)。
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