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命令戦法と訓令戦法を対比して述べている書がありますが、そもそもどういった点が異なるのでしょうか?特に後者の意味もわかりません。クラウゼヴィッツ関連です。

A 回答 (3件)

命令戦法と訓令戦法云々という話は、古くて現在の状況には全く合わない上に、


少なからず強引な我田引水的なところがあるので、あまり気にしないほうがいいです。
しかもこれは主にビジネス人事論で使われる話で、
あんまり歴史とも軍事とも関係ありません。
ビジネスの人事システム論が好きなら別ですが、話半分程度にしておいたほうがいいということをまず頭においておいてください。

どちらも戦法というものの、戦法というよりはただの方法論あるいはシステム論ですが、
簡単にいうと、命令戦法というのは、司令官が一人で全ての状況判断をして、
一人で命令を下し、周りの部下はただそれに従うというやり方です。
訓令戦法というのは、司令官は概略の指示だけをして、
部下が状況判断をし、その大枠にしたがって、自らで行動するというやり方です。
命令戦法の方が中央集権的で、情報をトップに集約するのが特徴で、
一人の判断で行うので、意思の統一がなされ、迅速に行動できるという長所がありますが、
トップに立つ司令官の個人的な能力に全軍の能力が依存するわけなんで、
天才がいないと機能しないという組織です。
またこの中央集権型だと人数が多くなったり、情報量が莫大になると、
機能不全に陥ります。中規模の組織に向いているやり方。
対して、訓令戦法というのは、情報を一箇所に集めずに、
何箇所かに分散して集めるので、並列的思考で大量の情報を処理でき、
大規模な作戦でも可能です。しかし各部門の調整が必要であり、
一人の独断が許されないので迅速な決定ができません。
しかし司令官が凡人でも各部門と相談して実行できるので、
そうそう現れない天才に依存しないでいいという有利な点もあります。
つまり安定して機能しうるというわけです。

クラウゼヴィツの話でいうと、
ナポレオンという軍事的天才の前に、彼の母国プロシアは負け続けていました。
クラウゼヴィッツやその師匠のシャルンホルスト、グナイゼナウらは
なんとか天才を負かすために知恵を絞ったわけですが、
個人としての能力でかなわないならば集団で戦うことだと考えて、
訓令戦法のような、組織的な連携体制を、同盟軍につくろうとして、
各国間・各軍の間を参謀部が連絡を密にして、連携して戦ったわけです。
1813年ドイツ戦役および1814年のフランス戦役がそのはしりなんですが、
理想と現実には差があって、
各国間の思惑の違いから連携は余りうまくいかず、
決定的な勝利を収めることけっきょくできないまま終わります。
ナポレオンの方は、(ま、命令戦法ということですが、この呼び方自体はそれほど一般的じゃありません。ビジネス人事論で出てくるぐらい)
天才に依存するシステムの弱点がでて、ナポレオン個人の健康悪化や、
ナポレオンが現場にいない部下の別働隊などが敗れて、敗退します。

しかしこれをもって命令戦法よりも訓令戦法が優れている、というのは実は間違いで、
当時のインフラ網の悪さ、手紙と伝令による伝言ゲームで情報を受け渡ししていたという
ローテクがこの背景にあるだけで、
例えば、その後の情報化した世界では、やっぱり命令戦法にみられるような
シンプルな命令系統のほうが迅速に動けるのは確かで、
訓令戦法のごとき命令系統は、縦割り官庁のような硬直的なシステムで、
決定が遅く、判断が手遅れになることのほうが多いわけです。
しかしトップの才能に全体が依存するというところは長所であり同時に欠点でもあるので、
トップが無能ならば全体も無能になることを考えると、
一長一短があるというのが、ま、結論でしょう。

現代的に考えるなら、命令戦法も訓令戦法もしょせんレトロで、
情報の共有はもはや常識でしょう。だからどっちも現代では使い物になりません。
衛星通信を通して、司令部と現場の戦闘車両が同じ情報画面をみて
双方向で瞬時に命令を下せる時代ですから。
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こんにちは!


<命令戦法と訓令戦法を対比して・・・
ナポレオンのワーテルローの戦いを検証すれば,それが分かります。
クラウゼヴィッツなんて名前までご存知なのですから,回答するまでもないような気が致します。
命令戦法は,直接具体的に命令する戦法で,例えば「明日の朝1番で敵の手薄な右翼をA大隊で攻撃し,反撃してきたら,いったん退却して敵を誘い込み,出てきたところをB大隊が背後から急襲撃破する」。訓令戦法はいわゆる「通達戦法」で,例えば「A大隊とB大隊が相互に協力し,敵の隙をみて,挟撃体制で攻略された」。
クラウゼヴィッツよりも「孫子の兵法」の方が奥が深いですよ。
ナポレオンは馬に乗って戦場を駆け巡り,常に適切な指示を直接命令して勝っていました。伝令も駆使していました。ところが,ワーテルローの戦いとなった戦場は広く,直接はおろか,馬による伝令をもっても直接命令する戦法では適切な指示を出すことができませんでした。ワーテルローでは「~の方向で戦われたし」と通達的な命令を出して,あとは現場の指揮官の最良にゆだねることにより適切な指示を実現すべきでした。
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ナポレオン関係の本ですね。


命令戦法とは、ナポレオンが使ってヨーロッパの覇者になった戦法です。
諸部隊に詳細な命令を与え、その命令どうりに部隊を動かす戦法です。
「○○の時点までに××まで進み、△△方面の部隊を撃破せよ。」といった具体的な命令を与えるため、司令官は、全軍を将棋のコマのように自由に扱えます。
一方訓令戦法は、司令官はおおまかな戦略目標だけを与え、各部隊の指揮官に臨機応変の対応をとらせます。
クラウゼヴッツが、対ナポレオン対策のために考えたやり方です。

これにより、諸国民の戦いでは、ナポレオン軍を破る事ができました。
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