
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
有名な歴史的事実を作者の池田さんは利用して物語の大筋をつくっています。
近衛兵の反乱も実話です。革命戦争を通じで、将軍クラスで活躍する人物には
元も含めて多数の近衛兵出身者がいますが、彼らは反乱に加わった人々でした。
代表的なのはラザール・オッシュやルフェーブルらです。
(フランス人の)近衛兵は降伏したのではなくて、率先して暴徒に合流し、
率先して革命に加わっています。そもそも近衛兵も
パリで生活する市民であることには変わりはないわけで、
数年来から続く暴動と、その鎮圧、民衆への発砲に対して不満を強めていました。
実のところ、パリは飢饉による穀物供給不足から暴動が頻発しており、
血なまぐさい民衆鎮圧はずっと前から続いていたのです。
フランス人である近衛兵(フランス人以外もいる)は、
裏切ったわけではなく、祖国への義務から民衆の側につくと決断したわけで、
ついに我慢の限界がきたというところでしょう。
パリ市は、首都としての制約があって、近衛隊以外の軍隊がが駐留してはいけないことになっていたので、
パリに兵隊が充満していたというような事実はありません。
むしろ逆で、パリの市民の数に対して、兵士の数が少なく、
しかも士官と外国人傭兵を除くと、大半が下層もしくは中流階級出身のフランス人で占められ、
彼らが革命側に離反したことで力の不均衡がいっそう拡大しました。
これが革命を鎮圧できなかった主な理由です。
革命勃発の直接の原因となったのは、こういった不均衡を是正するために、
主に保守的なフランス西部から軍団をパリに呼び寄せようとしたことが発端です。
軍による鎮圧というのは、実際には行われず、準備もされてなかったのですが、
そういう噂が巷にかけめぐったので、やられる前にヤレという論理で、
暴動が革命へとエスカレートして、武装する目的で、
特に火薬、硝石、小銃、大砲を探して、廃兵院やらバスティーユ監獄らに向かったわけです。
(ただしこらの場所ですべてを調達したわけではなく、商家などにも押し入って強奪したりもしている)
これらの場所で抵抗した兵士というのは、主にスイス人やドイツ人の傭兵です。
スイス傭兵は昔から、最も信頼できる兵士として珍重されていました。
バスティーユの日はあまり大きな交戦はなかったのですが、
それでも抵抗した司令官ローネーは首を刎ねられて、首はやりに突き刺されて町を練り歩きました。
非常に殺伐とした雰囲気だったのですが、このとき暴徒は
王制に手をつけるような気はなかったのです。
そもそも王族はパリにはいません。ベルサイユは町の外です。
王族を捕らえようとするのは、もっとずっと後、1792年8月10日事件でのことです。
話がごっちゃになってるような気がします。
それから、暴徒たちは、自由と民権を求めて立ち上がったわけではなく、
もっと差し迫った身の危険と生活苦のために”暴挙”に出たのです。
だからバスティーユ襲撃に始まる一連の事件は、
こうも血なまぐさく、野蛮で、殺伐としているのです。
理想のために行動を起こしていたグループとは別の次元で、
下層市民が起こした暴動こそが、バスティーユ襲撃です。
パリの革命派の政治家たちも、市民の掌握することには、この後も苦労するわけで、
革命の暴走のゆえんです。
ちなみにですが、オスカルは、実在したフランス軍のド・ジャルジェ近衛少将(だったかな)の娘という設定です。
事実と違うのは、このジェルジェ氏は、軍人というよりも官僚の経歴しかもってないということです。
スウェーデンとは無関係。オスカル本人の行動のモデルとなった人(ユランとかオッシュ)はいますが、
本人のモデルはいません。
ご回答ありがとうございます。なるほどと、胸のつかえが取れました。フランス革命の発端は理想を求めてというより生活苦の改善のためというコメントなるほどと思います。日々の食べ物困ってる人は自由どうの平等がどうのと理論をたれるより、食べ物の確保を求めるというのは人間の心理だと思います。(確か心理学者でそのようなことを体系化し、論理化した人がいました。)うろ覚えですが、アメリカ独立戦争も理想論より生活苦解消を求めて始まったという色合いのようが強いようですし。今年の大統領選がやけに盛り上がっているのもガソリン価格の高騰(個々何年かで5倍になりました)とそれに伴う食料、光熱費高騰によるところが多いようですし。
No.3
- 回答日時:
史実に基づいたものです。
第一に・・・
今年の一月から東京美術館で開催された「ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美」の関連企画の一つとして3月7日に池田理代子さんの講演会が行われています。
私は参加していないのですが、参加したファンの方のブログを見ると、池田さんは講演の中で史実を参考にしたものだと語ったそうです。何でも池田さんは、フランス革命を調べている最中に、バスティーユ監獄襲撃に民衆に寝返った衛兵隊が参加し戦っている事を見つけたそうです。その衛兵隊の隊長(男性)に興味を持って調べたけど詳しい事はわからず、けれど、是非、この人物を描いてみたくなり、オスカルが誕生したそうです。まだ若い当時の池田さんでは男性を描ける自信がなく女性という事にしたそうです。
個人のブログをここに貼り付けていいのかよくわからないのでやめておきますが・・・
第二に・・・
中公文庫の「フランス革命史(上)」ジュール・ミシュレ著に、衛兵隊が
民衆側に寝返って戦った事が記述されています。数個中隊が民衆側についたそうです。バスティーユ監獄襲撃の際は、市民の部隊と衛兵隊の2部隊が編成されたそうです。
その衛兵隊の指揮官になったのが、エリーという兵卒から身を起こし、王妃付き連隊の将校となった人物だそうです。
ありがとうございます。オスカルのモデルになった人がいるという話は聞いていましたが、作者が男性を描く自身がなく女性にしたというのは初めて聞きました。でも、主人公を女性にしたからここまで面白い話が出来たのだと思います。
No.2
- 回答日時:
フランス革命は自由と民権を求めて起こった封建制度に対する反乱で民衆はバスチーユ牢獄を真っ先に襲撃して始まりました。
この時、牢獄の守備兵は防戦しましたが、押し寄せる民衆の中に正規軍の兵士や大砲の存在に気が付き防戦を放棄して降伏し牢獄は開放されました。
このような事実を作者は取り入れたのでしょう。
従ってフィクションではありますが事実に即していると思います。
大体オスカルなる人物自体実在のスエーデン貴族を粉飾した創作ですから。
ありがとうございます。先日ウェブでいろいろバスチーユ襲撃について探してたところ、囚人は数えるほど(5人とか10人とか)しかいなく、この襲撃もどちらかと言うと武器略奪のためだったと言うコメントを目にしました。歴史というのは見る人の主観によって解釈も変わりますし、面白いですね。
No.1
- 回答日時:
寝返ったというより降伏したと言うべきでしょう。
フランス革命が波及するのを恐れた周囲の王国は内政に干渉し、革命を阻止しようとしていました。これに対して、フランスは戦争をしかけ、パリは革命派の兵隊で充満していました。フランス王は外国の干渉に加担しているとして革命派は王族を捉らえることにしたのですが、これ親衛隊が抗戦するのは全滅を意味しますから降伏は已むを得なかったと思われます。ご回答ありがとうございます。民衆側について戦った軍があったというのは事実のようです。周囲の国からの内政への干渉とそれに伴う外国との戦争、なんだか現在の中東問題を見ているような気にさせられます。
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