
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
OPA656はかなり高速のFET入力オペアンプですが、信号(光電流)の周波数帯域はどれくらいですか?
>やはりU2は増幅回路として使用すべきではないのでしょうか?
U1だけで1nA → 1V の変換器を作ろうとすると 1GΩ の帰還抵抗にしなければなりません。そのような抵抗は高価ですし、周波数特性が非常に狭くなってしまいます。以下に説明しますが、U1の帰還抵抗はあまり大きくせず、その後で電圧増幅するほうがトータルの周波数帯域を広げることができます。U1だけでは必要な変換利得を得られないのでU2で増幅する必要がありますが、トータルの周波数と特性が悪化しないようにうまく設計す必要があります(Tina-TIを使えば簡単です)。
光電流が最大1nAでしたら、一番良い構成は、U1の帰還抵抗を100kΩとし、U2 で100倍、もう1つオペアンプを追加して U3 で120倍増幅し、トータルで 1nA → 1V とするものだと思います。その周波数特性を Tina-TI でシミュレーションしたものを参考URLに添付します(一番下の回路)。U1の帰還抵抗を1MΩとした場合の周波数特性も添付しましたが、帰還コンデンサが33pFだと5kHzの帯域しかありません(1番上の回路)。帰還コンデンサが0.1pF(抵抗の浮遊容量だけ)だと帯域は300kHzに拡大します(2番目の回路)。これでも足りない場合は、一番下の回路のように、帰還抵抗を100kΩに落として帯域を広げてやります。しかしこのままだとU1の出力電圧が1/10になってしまうので、U2で100倍、U3で120倍に増幅すれば、トータルで 1nA→1Vの電流-電圧変換になります。周波数帯域は2.5MHz程度になります。U2 と U3 で2段に分けているのは、1個のオペアンプで10000倍の利得をとると周波数特性が悪化するためです。
>Rail to RailのCMOSオペアンプを使いたいのですが
最大周波数が 1MHz 、出力電圧が±1Vの場合、オペアンプのスルーレートは15V/μs 以上が必要です(OPA656は290V/μs なので充分)。さらに、1MHzの信号を100倍増幅するには、利得帯域幅積(GB積)が200MHz以上必要です(OPA565は500MHzなので充分)。 CMOSオペアンプはスルーレートがあまり高くないので、このような高速のものはあまりないと思いますが、最大周波数が分かれば、適切な(単電源)オペアンプを探してみます。Tina-TIのライブラリに入っているオペアンプのほうがいいですね(SPICEデータを移植すれば他社のでもシミュレーション可能です)。
>時間の空いたときで構わないので、回答の方よろしくお願いします
正月休みなので時間はたっぷりあります。
この回答への補足
ホントにタメになります!!inara1さんのおっしゃる通りオペアンプ3つで増幅してみることにします(><)
TINA-TIのライブラリでCMOS・rail to rail・単電源オペアンプの条件を満たしているものを調べるためには、個々のデータシートを見るほかないんですか?
それと最大周波数についてなのですが、inara1さんが参考URLで貼ってくれた図からどうやって最大周波数を求めているのですか?また、最大周波数を超えてしまうことにより、どのような現象が起きるんですか?
質問が何個もあって申し訳ないです。お願いいたします(><)
No.4
- 回答日時:
>また質問する機会があるかもしれませんが
どんどん質問してください。
私が使っているのはバージョン7ですが、これはバージョン6をアップグレードしたものだと思います(あまり覚えてない)。バージョン7には回路規模の制限はありません(!)。この質問をご覧になった方のために、バージョン7のダウンロード先とマニュアルのURLを以下に紹介しておきます。
TINA-TI バージョン7( [ダウンロード] をクリック) http://focus.tij.co.jp/jp/docs/toolsw/folders/pr …
簡単な使い方マニュアル(英語) http://focus.ti.com/lit/ug/sbou052a/sbou052a.pdf
Design Wave Magagineという雑誌の2008年2月号に TINA の使い方(日本語)が出ています。Web(http://www.cqpub.co.jp/dwm/contents/0123/dwm0123 …)で見られるのは最初の2ページだけです。この号ではTINA以外の無料ツールもいろいろ紹介されています(http://www.cqpub.co.jp/dwm/contents/dwm0123i.htm)。大きな書店ならバックナンバーがあると思います。
No.3
- 回答日時:
片電源用のレールトゥレールオペアンプをお探しのようですが、両電源用オペアンプを使って、片電源で動作させることは可能です。
さらに、電源電圧の1/2を基準電圧とすれば、出力電圧は、電源電圧の1/2を中心に±1V振れるだけなのでレールトゥレールのオペアンプを使う必要もありません。レールトゥレールでないOPA656を、片電源(5V)で使った電流-電圧変換回路とその特性をここに添付しました。また、オペアンプを4つ使い、オペアンプ1段あたりの利得を小さくすれば、帯域は 8MHzまで伸びます微小電流を扱うのでFET入力やCMOSオペアンプを使う必要はありますが、出力電圧が±1V程度の振幅であればレールトゥレールのオペアンプでなくても大丈夫です(FET入力やCMOSの高速オペアンプでレールトゥレールとなると選択肢がかなり少なくなります)。
>個々のデータシートを見るほかないんですか?
いえ、性能一覧表から探せます。参考URLの下のほうに表がありますが、これがテキサスインスツルメンツ製のJFET・CMOSオペアンプアンプ一覧です(次のページにも続きがあります)。一番上の行の項目について並び替えれば、どういう型番が必要な性能を満たしているか分かります。例えば、利得帯域幅積(GBW:15列目)が大きい順に並び替えるには、そこの▽をクリックします。OPA656より帯域の広いOPA567というのがありますが、GBWが200MHz以上のものもいくつかあります。このようなオペアンプはスルーレートが360V/μs以上あるので問題ありません。この表以外の詳しい特性はデータシートを見るしかないですが、この表でかなり絞り込めます。テキサスインスツルメンツ製のJFET・CMOSオペアンプアンプで最速はOPA657ですね。データシートは型番をクリックして、出てきたページのPDFマークをクリックすると見られます。
>どうやって最大周波数を求めているのですか?
低い周波数での変換利得が180dB(=10^9 V/A)となるようにしていますが、変換利得がそこから3dB下がった177dBになる周波数をグラフから読んだものです(一般に周波数帯域は利得が3dB落ちる周波数を言います)。
>最大周波数を超えてしまうことにより、どのような現象が起きるんですか?
入力信号が正弦波なら振幅が設計値より下がります。矩形波なら波形がなまって角が取れたような波形になります(もっとひどくなると正弦波に近くなって振幅も下がってきます)。これは Tina-TI の過渡解析で入力信号の周波数を大きくすればどんな波形になるか確かめられます。
なお、テキサスインスツルメンツ社に限らず、たいていのオペアンプメーカは、数個程度なら無料でサンプルを送ってくれます。1週間程度待ってもいいのならそちらを利用してもいいでしょう。ここ(http://focus.tij.co.jp/jp/docs/prod/folders/prin …)の右端の欄に「無料サンプル請求」と出ているパッケージの種類が入手できます。ここから先は英語になりますが、分からないときは補足欄で質問してください。
テキサスインスツルメンツ以外のメーカでも、同様の一覧表があります(表記はバラバラです)。以下にURLを書いておきますので調べてみてはいかがでしょうか。
リニアテクノロジー http://www.linear-tech.co.jp/pc/categoryProducts …
マキシム http://para.maxim-ic.com/jp/search.mvp?fam=op_am …
アナログデバイセズ http://www.analog.com/dynamic/parametric/scResul …
ナショナルセミコンダクタ http://www.national.com/cat/index.cgi?i=i//4:n// …
参考URL:http://focus.tij.co.jp/jp/paramsearch/docs/param …
丁寧で長文回答ホントにありがとうございます!!
オペアンプのことから最大周波数に至るまで本当に参考になりました。これを基にして再度設計を行ってみます(><)
また質問する機会があるかもしれませんが、その際はまたよろしくお願いいたします!!笑
No.1
- 回答日時:
「単電源オペアンプについて」でお答えした者です。
手元のTINA-TIでシミュレーションしてみましたが、過渡解析でもDC解析でもちゃんと動作しました。
IG1の設定はどうなっていますか?何も設定しないと「電流値1Aのステップ電流源」になっていますので、U1の出力は飽和してしまいます(こちらのシミュレーションではIG1が1AのときU1の出力は4.17V、U2の出力は3V)。
IG1をWクリックして出てきたウインドウのSignalのところはUnit step になっていますか?その Unit step をクリックすると、右側に「・・・」が出てくると思いますが、それをクリックすると、波形や電流値を設定するウインドウが出てきます。電流値はAmplitude [A] [V] の右側の数値で設定します。これが 1 だと 1A の意味なので、これを 1u (1μA)などに変更して、OK → OK で設定終了です。IG1をWクリックして出てきたウインドウの DC Level というのは出力電流値でなく、オフセット電流のことです(オフセット電流+前述の電流値が出力電流になる)。
>単電源でやろうと思っているのですが
OPA656はレールトゥレールオペアンプではないので、単電源にすると、入力電流が0でも出力電圧は0Vになりません(最低出力電圧は1Vくらい)。また、U2 の帰還抵抗の1MΩは大きすぎます(オペアンプの入力容量とR3でローパスフィルタになってしまう)。R3はショートしたほうがいいです。U2が単なるバッファなら、U2自身不要だと思いますが、U2を入れるのは何か意図があるのでしょうか。
「DC解析」は分かりますか?これはIG1の電流値を変化させたときのVF1などの電圧のグラフ(入出力特性)を出すものです。ツールバーの Analysis → DC Analysis → DC Transfer Characteristic で出たウインドウで Start value を -1u、End value を 1u などとして OK とすれば解析できます。この後出てくるグラフの横軸が IG1 の電流、縦軸が VF の電圧になります。V1 と V3 をなくして、そこをGNDにすれば単電源になりますが、そうすると最低出力電圧は1V程度になるはずです。微小電流検出に使うのならOPA656は両電源(最大電源電圧は±6.5V)で使うべきです。
それと、帰還抵抗と並列に入っている33pFは大きすぎます。入力部分の10pFと2GΩはフォトダイオード(+ケーブル)の等価回路だと思いますが、この回路だと 5kHz 以上で利得(出力電圧/入力電流)が下がってきます。33pF をはずせば 2MHz まで帯域が伸びます。もっと帯域を伸ばしたいのなら、1MΩを100kΩに変更して(33pFはつけない)、U2 で電圧利得を10倍にすれば、10KHz までフラットになります。
[1] OPA656データシート http://focus.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/opa656. …
この回答への補足
前回はとてもお世話になりました。今回もよろしくお願いします!!
>IG1の設定はどうなっていますか?
今回のシミュレーションではかなり弱い光を想定しているので、1nAでやっていたのですが、案の定DC levelのところに値を打ち込んでいました…。早速修正してみます。
>U2を入れるのは何か意図があるのでしょうか。
もともとボルテージフォロアとして使用しようと思っていたのですが、U1だけでは目標にしていた出力電圧1Vに届かず、U2でも増幅させようと思ってシミュレーションしてみました。コスト的な問題で帰還抵抗を1MΩまでに抑えたいと思っているのですが、やはりきついですかね…?
>帰還抵抗と並列に入っている33pFは大きすぎます。
下のURLのページを参考にして、帰還抵抗と並列にコンデンサを挿入してみたのですが、33pFだと大きすぎたため、1pFに変更してみます。
http://focus.tij.co.jp/jp/lit/an/jaja098/jaja098 …
2つ程また質問させていただきます。
1つ目は、やはりU2は増幅回路として使用すべきではないのでしょうか?
2つ目は、Rail to RailのCMOSオペアンプを使いたいのですが、inara1さんが推薦するオペアンプはありますか?
時間の空いたときで構わないので、回答の方よろしくお願いします!!お待ちしてます。
2つ目の質問に、単電源というのをつけ忘れました…。出来ればTINA-TIでシミュレーションできるやつがいいなと思ってます!!笑
よろしくお願いします(><)
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