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いわゆる、抽象的事実の錯誤として、軽い罪の故意で重い罪を犯した場合、38条2項により、構成要件が実質的に重なり合う範囲で、軽い罪が成立します。

逆に、重い罪の故意で軽い罪を犯した場合、38条2項の解釈(法定符号説)から、軽い罪が成立し、重い罪の実行行為が認められたならその未遂も成立するとされます。例えば、強盗の故意で恐喝の結果を惹起した場合、強盗の実行行為が認められれば、恐喝罪、強盗罪の未遂がそれぞれ成立し、観念的競合となる。

とするならば、軽い罪の故意で重い罪を犯した場合も重い罪の実行行為が認められたならば、重い罪の未遂が成立するのではないのですか??

ご教授お願いします。

A 回答 (2件)

発想としてはなんとなくわかりますが、やはり誤解していると思われます。



未遂罪の成否は、実行行為、つまり、(修正された)構成要件該当性の問題ですが、故意、少なくとも錯誤論は責任論の問題ですから。
(刑法理論をどの立場に立っているかわかりませんが、ここは、故意は、責任論の問題だと割り切らないと理解しにくいと思います。)


そもそも、「軽い罪の故意で、重い罪を犯す」って、想定しにくいですよね。
ex
 恐喝の故意で、被害者を脅したが、被害者が極端に臆病であったため、反抗を抑圧されて財物を強取されたが、被害者の反抗が抑圧されたことの認識がなかった場合
  → 脅迫行為が強盗に該当しない・・・・恐喝罪しか成立しない
  → 脅迫行為が強盗に該当する・・・・「恐喝の故意」という前提がおかしい


「軽い罪の故意で重い罪を犯す」という事案が考えられるのは、共犯の場合でしょうか

ex
  A・BがCへの傷害の謀議を共謀した、実行行為者Bは、殺意を持って、Cを殺害した
 → 傷害の限度の凶暴しかない以上、傷害罪しか成立しません。

 やっぱり、重い罪の未遂罪が成立する余地はないでしょう。
 
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

私がなぜこのようなことをふと思ったかというと、同意殺人罪の故意(つまり相手方の同意があるという認識)で普通殺人を犯したときの処理の方法を考えたからです。外形上は同じ行為(例えば絞殺する)なのだから、同意殺人罪の既遂と普通殺人罪の未遂の観念的競合としてもいいんじゃないかと思ったのです。
しかし、よく考えると、確かに軽い罪の故意があっただけでは、外形上重い罪の実行行為に見えても、主観的違法要素を肯定する私の立場からすれば、重い故意がない以上実行行為性(現実的危険度)もそこまで高まらないですね。(大谷 刑法総論 p139 に同旨)
よって、普通殺人の実行行為性は認められないのだと私は考えます。

ta-cky様のご意見で、自分の立場を考え直すことができました。ご教授ありがとうございました。

お礼日時:2009/02/03 03:55

単に重い軽いというよりも、故意が重なり合うかどうか、つまり故意があるかどうかが問題なんでしょう。



となると、あなたの設問では、軽い罪の故意があっただけでは、重い罪の故意があったというほどの重なり合いはないのが普通ではないでしょうか。

すると、そもそも故意がないわけであり、重い罪の未遂はないでしょう。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

確かに軽い罪の故意があっただけでは、外形上重い罪の実行行為に見えても、主観的違法要素を肯定する私の立場からすれば、重い故意がない以上実行行為性(現実的危険度)もそこまで高まらないですね。

勉強になりました。ご教授ありがとうございました。

お礼日時:2009/02/03 03:46

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