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有機物を燃焼させると炭(灰?)が残ることは、経験的にわかるのですが、

中学生からの質問で
「なぜ、エタノールは、何も残らないの?」
と質問されました。
「有機物+酸素ー>水+二酸化炭素 ?」
と思い出して説明したのですが、逆になぜ、
例えば砂糖(有機物ですよね?)を燃やすと
カラメルになってついには炭になって残ってしまうのでしょう。

もっと根気強く燃やせば何も残らなくなるのでしょうか?

炭(灰?)ができるときと、できないときの違いを教えてください。

ついでになぜ無機物の塩は、砂糖のように燃えないのでしょうか?

A 回答 (1件)

有機物+酸素ー>水+二酸化炭素


という考え方は、決して間違いではありません。
(もちろん、実際はもっと複雑ですが)
ただし、有機物に対して、十分に酸素があればの話です。
空気中で燃やしたくらいでは、酸素は十分とは限りません。
そうすると、高温で残った炭素どうしがくっつき合って、
いわゆる「炭」となります。
木炭の作り方を知っていますか?
あれは木材(有機物)を密閉した炭焼き釜中で熱して作ります、
そうすると、酸素が不足した状態で温められ、
木材中の水分や、炭素以外の成分が飛んでいってしまい、
炭素成分だけが炭となって残ります。
もし、このときに空気が混ざると、炭は酸素とくっついてガスとなり、
灰(無機物)のみが残ってしまいます。

さて、砂糖の場合ですが、
砂糖は、炭素と水素と酸素から基本的に構成されています。
まず、砂糖を暖めると溶けます。
溶けて、なおかつ熱すると、
砂糖の中に残っていた水素や酸素の成分が飛んでいってしまいます。
その後、残った炭素同士がくっつきあって、炭となって残ります。
ご家庭や学校の実験室では、温度が低くて酸素が不足している環境なので、
通常は、こういう結果となります。
もし熱したときに十分高温でかつ十分酸素があれば、
全て水蒸気と二酸化炭素となってきれいさっぱり無くなるはずです。

エタノールの場合ですが、
まず、エタノールは揮発性ですから、
温めると、燃えるよりも蒸発します。
気体となることで周りの空気と十分混ざり、酸素が十分な環境ができます。
そこで、ほとんど水蒸気と二酸化炭素になります。
エタノールでも、酸素を遮断した状態で熱すると、
ちゃんと炭になります。
ガスバーナーで酸素が足りないと、ススがでますよね?
あのススは炭です。

ものによってどう違うかと言うことですが、
化学物質にはそれぞれ固有の融点や沸点、あるいは、熱分解温度というものがあります。
要するに、熱したときに酸素と化合する他に、別の反応が一緒に起こります。
ですから、燃やす環境でおのずから結果が異なってくるわけです。
また、酸素と有機物がくっつく温度、すなわち燃焼温度もものによって違います。
一般的には、低分子量で、酸素や水素の含有量が多いほど燃えて無くなりやすいです。
もちろん、有機物なら「根気よく燃やせば」全て無くなりますよ。
この場合の「根気よく」というのは、高い温度と十分な酸素を意味します。

無機物ですが、
燃える、すなわち、酸素とくっつく反応は、
原則としてだいたいのものが可能だと思ってください。(とりあえず)
ただ、有機物が燃えるのにくらべて、
はるかに高い温度(時には2000~3000度)など、
シビアな環境が必要になります。
ですから、私たちの身の回りの道具を使ってできる燃焼実験では、
燃えないのです。
あとは、「燃える」という定義の問題で、
有機物が酸素と化合するときは、多くの熱を放出するので、
「火」をはなって燃えます。
無機物の場合は、むしろ熱を吸収して酸素とくっつく場合があります。
この場合、「火」はでません。
ですから、見かけ上燃えてない、といってもいいですよね。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございます。
とてもとてもわかりやすく丁寧に教えて頂きありがとうございました。
 
科学ってとってもおもしろいですね。身の回りの不思議ってちゃんと
理由があるんだってことを再認識しました。

お礼日時:2003/02/18 20:32

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