No.4ベストアンサー
- 回答日時:
最初に、何冊か本を紹介しておきます。
いずれも、文庫本か新書版で安価に買えるもの、書店ですぐに買えるものを選びましたが、「なぜ敗れたか日本海軍」
「本当の潜水艦の戦い方」
「大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇」
の三冊をまず読んで頂きたいですね。
「陸軍ばっかり悪かったのでしょうか?海軍にも悪い点はなかったのでしょうか」
の答がはっきり「ノー」であることが分かるはずです。
* 『大東亜戦争がどのように始まったのか』ということについて
「誰が太平洋戦争を始めたのか」 (ちくま文庫)
別宮 暖朗 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4480424652/
* 海軍の悪かった点を、戦後生まれの軍事の専門家(元自衛官)が忌憚なく指摘している本
「なぜ敗れたか日本海軍」(光人社NF文庫)
是本 信義 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4769825250/
「本当の潜水艦の戦い方」(光人社NF文庫)
中村 秀樹 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4769824939/
※ 著者は海上自衛隊で潜水艦長を務めた方ですが、「海軍中央の愚劣な使用法によって犬死していった日本海軍の潜水艦乗りへの鎮魂歌」とでも表現するべき本で、「日本海軍が潜水艦と言うものを全く理解していなかった」ことが整然と述べられています。
* 陸軍・海軍を問わず「大東亜戦争の日本軍の名将・愚将」について
「昭和の名将と愚将」 (文春新書 618)
半藤 一利 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4166606182/
* 『陸軍にも立派な人がいた』ということが分かる本
「大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇」 (文春文庫)
堀 栄三 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4167274027/
「責任 ラバウルの将軍今村均」 (ちくま文庫)
角田 房子 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4480421513/
「陸軍良識派の研究」 (光人社NF文庫)
保阪 正康 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4769824505/
* 海軍のマイナスの面が良く見える、当事者の回想記
「伊6潜サラトガ雷撃す―海底十一万浬」 (学研M文庫)
稲葉 通宗 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4059011584/
※ 絶版書ですが、アマゾンマーケットプレイスで容易に買えます。無数に出版されている「戦記」の中で最良のものと考えます。
* 「鉄の棺―最後の日本潜水艦」 (光人社NF文庫)
斎藤 寛 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4769824343/
※ 海軍軍医として潜水艦に乗り組み、死線を潜り抜けた人の回想録です。
さて、戦後、陸軍が悪玉、海軍が善玉ということでイメージが定着しています。この理由は、
1) 海軍は「短期現役士官制度」「予備学生制度」で、現在で言えば「大学在学以上の青年」を短期間の教育後に士官とするしくみを作りました。
昭和15年以降は、大学を卒業したら何もしないと陸軍に二等兵として入営しなければならない状況でした。それから逃れる唯一の道である「短期現役士官制度」「予備学生制度」に応募・採用された学生は多数に上りました。
こうした「学徒士官」は「最初から士官に準じる待遇」で海軍に入り、戦争を生き残った人は中尉か大尉で一般社会に戻ったわけですが、海軍のことを悪く思うわけがありません。
そうした人の中で、著名な作家になったり(例:阿川弘之)、官界・実業界・言論界・学界で有力者となる人が多数出ました。こうした、社会に影響力を持つ人が海軍びいきであったことが現在にかなり影響しているようです。
特に、海軍予備学生出身の高名な作家である阿川弘之が
「山本五十六」「米内光政」「井上成美」
の「海軍三部作」をはじめとする多くの海軍関係の著作をものしたことは、「海軍の良いイメージ」を世の中に広げるのに役立ちました。
一方、陸軍の場合「大学在学以上」の人であれば、二等兵として入営しても約1年後には少尉になっているのが普通でした。「甲種幹部候補生」になった人です。「大学在学以上」の人は、特に問題がなければ「甲種幹部候補生」になりましたので、「大学在学以上」で陸軍に入り、戦争を生き残って兵卒や下士官で復員した人はそれほど多くはありません。この点で、海軍と大差なかったようにも見えます。
しかし、陸軍の場合は「甲種幹部候補生」になる前に必ず何ヶ月か二等兵として兵営生活を送らねばなりませんでした。これが「軍隊より監獄の方がよほど楽だ」というとんでもない苦しい生活でしたので、陸軍に入って戦争を生き残って中尉や大尉で復員した人も、「陸軍びいき」になる人は通常いなかったようです。
2) 昭和20年の時点で、健康な20歳以上の男子はほぼ全て陸軍か海軍に属していると言う状態でしたが、人数で言えば陸軍の方が圧倒的に多いです。そして、その多くは学歴がないため「幹部候補生」にはなれず、二等兵として入営して地獄の責め苦を最後まで受け、死なずに復員できたと言う人たちです。こういう人たちが「陸軍大嫌い」になるのは当然のことでした。
3) エリートの「大学在学以上」の人が「海軍びいき」か「沈黙」、一般庶民は「陸軍大嫌い」であれば、陸軍の味方をする人は
「元・陸軍の職業軍人」
程度です。
ただし、一般にこうした人たちは戦後は沈黙を守りましたので、世の中に聞こえるのは「海軍びいき」の声が圧倒的となります。
4) 陸軍にも宮崎繁三郎中将、山下奉文大将、今村均大将のように名将・智将として評価されている人はおりました。
また、開戦責任・敗戦責任が陸軍にだけあるわけではありません。
開戦時の東條英機首相(陸軍大将)は、自分の意思で首相になったわけでもなく、自分の意思で戦争を始めたわけでもありませんが、彼が首相になった時には既に「アメリカを相手に戦争する以外はない」状況でした。「東條首相と陸軍が積極的に戦争を始めた事実」はありません。
しかし、現在は
「太平洋戦争は陸軍が始めたもの。陸軍にはとんでもない連中ばかりいた」
という「常識」が成立してしまっています。
この回答へのお礼
お礼日時:2009/04/24 10:44
ありがとうございます。推薦図書を参考にして理解を進めていきたいです。「ノモンハンの夏」を読んだばかりなので、陸軍に対する悪イメージが膨らんだのかもしれません。
No.7
- 回答日時:
悪い点はいっぱい
・もともと日本海海戦型の決戦を主体に考えていて、近代総力戦が
わかっていなかったと思われる点
・相手の継戦能力の破壊をしなかった点
戦果の徹底を行わないで 適度に勝つと帰ってしまう
・情報戦の認識不足、能力不足
(暗号のもれ、Z作戦の作戦書流出など 陸軍より劣る)
・戦力の集中不足、出し惜しみ
・戦時生産体制の不備
(イ400や 生産・整備性の悪い銀河や彗星)
・適材適所が行われない、年功序列人事
・人員管理の悪さ (陸奥爆沈原因)
・そもそも開戦に賛成したこと
つきつめれば、貧乏が悪いんですけど
No.6
- 回答日時:
太平洋戦争そのものに負けたのは海軍が主因ではありますが、
そもそも長く戦争することになった原因はというと、
大陸で暴走を繰り返した陸軍が悪いわけで。
国を誤ったということに関しては陸軍が悪者扱いされるのは仕方ないでしょうね。
No.5
- 回答日時:
かなり昔、NHKを見てあれ?
こう思いました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B5%9C%E6%9D%A5% …
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%A0%E5%AE%88% …
まあまあ力を入れているんですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E9%98%B2% …
海防艇が木製でこれで船団を護衛していて、砲撃戦で浮上した潜水艦と
戦っても負けたとありますが、本来の目的は回天の輸送であり、駆潜は二の次であったようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E9%98%B2% …
しかも全艦未成です。
特務艇の多くは木造です。
駆潜特務艇は80隻を越える沈没数ですが、輸送の役ではありません。
>海軍にも悪い点はなかったのでしょうか。
陸軍が言ってました。
一度も勝てずに負け続けたのは海軍だけだろ。
(硫黄島ではすり鉢山を米軍から2度も奪還し、血だらけの日章旗を翻している。東南アジアからの補給線、南北縦断道路を多大な犠牲をもって命令通り強引に作成していた。)
しかも、
ミッドウェー島以来、初の大勝利を収めた田中頼三を
旗艦を先頭にして突入しなかったのを理由に解雇しています。
No.3
- 回答日時:
海軍を美化していると言われることのある阿川弘之さんの本ですら、
良くない海軍軍人たちがちゃんと登場していると思います。
山本、米内、井上は少数派だった、ということは逆に、
そうじゃない人も多かったということでは・・・・?
海軍だけ悪い点がなかった、なんてことはないと思いますよ。
個人個人はともかく、組織として特に先見の明に長けていたわけでもなさそうですし。
大井篤の『海上護衛戦』もお読みになると良いと思います。
No.2の方がおっしゃっているように、輸送を軽視していたようで。
陸軍にも個人個人見れば立派な人々はいますでしょう。
No.2
- 回答日時:
戦後、海軍や陸軍のOBに取材を重ねた人によると、実際インタビューをしてみると元海軍の人のほうが考え方が古い人が多く、元陸軍の人には柔軟な思考の人が多かったそうです。
で、この疑問をストレートにある元陸軍の人(もちろん中心的人物)にぶつけたところ「そりゃね、あなた、太平洋戦争は海の戦争なんだから、我々陸軍があれこれいっても海軍に連れてってもらわないとどうしようもない」といってニヤッと笑ったそうです。
海軍の最大の失敗は、輸送船保護を全く考えていなかったことです。そもそも海軍の存在意義というのは、自国の商船を保護することにあります。ところが南方から石油を始めとして資源を輸送する船舶を保護することを全く眼中に入れていなかったので輸送船をボカスカ沈められて戦争が立ち行かなくなってしまったのです。
イギリス海軍は輸送船の保護に全力を尽くしました。それが長い目で見て戦争の勝利につながったといえるでしょう。
ところが日本海軍は作戦重視どころか軍事作戦至上主義で、輸送船保護に駆逐艦などを出して欲しいと頼んでもちっとも相手をしてくれなかったのです。
No.1
- 回答日時:
第二次世界大戦までは・・・海軍の大多数は
大艦巨砲主義→大和、武蔵
が支流派ですね
したがって日本の空母
正式名称は攻撃型空母で空母には当初赤城には20センチ砲が8門も乗っていた これは敵の駆逐艦に遭遇しても勝てる為にであります。
空母にさえ大艦巨砲主義でありました、後に20センチ砲が8門もは改修で無くなります
大艦巨砲主義が招いた事件と言えば友鶴事件ですね
それまでは日本に軍艦は優秀で荒波にでも沈没しない神話を信じていた
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8B%E9%B6%B4% …
条約の劣勢を挽回する為にやってもうたたがなーーー
って日本だけでは無くイギリスなんかも同様にやってもったけどね
これ以後、徹底的に艦の復元性を調べて改修が徹底的に行われています
ごく少数だけが空母が重要で大艦巨砲主義は無用だと考えてた
山本 五十六 が筆頭です
もし大和、武蔵、長門、陸奥
のうち無条約時代に2艦でも空母にしていたら日本は勝てたかも
って説もあるくらいですね
また、日本に艦上戦闘機は軽くする為に防御や機体強度が犠牲に成っていた
したがって、敵の防御重装備である艦上戦闘機に撃墜されて有能な戦闘員が姿を消し、機体強度が犠牲になってりために急降下に耐えれないのでいとも簡単に逃げられる
ようするに、設計思想の悪さが悪い
ミットウエイ開戦では
空母についいても日米で爆弾からの被弾性能、被弾後の消火能力など大きな違いで勝敗を分けることと成ります
その例が空母ヨークタウンです
2度の攻撃にも耐えて船は大きく傾きくが、消火などは完了していた
日本は2隻の空母を破壊していると思っていたんですね
一方日本は、甲板の防御が甘く これが原因で大敗する
その後
空母がいかに大事であるかのごとく
空母を中央して空母をいかにして守るかに艦列も変わる事となる
日本もこれらの教訓を元に
浮沈空母思想である 大鳳を作るが
空母 2ヶ月に1隻 大鳳と同じクラスの空母を物量投資されてあえなく敗戦へ道となる
山本 五十六 の話にあるが留学当時アメリカの強大な生産能力警告していたが、それが為に短期決戦で講和以外の策が無く、飛行機が戦争をおおきく変えることが判ってが海軍首謀部を大艦巨砲主義から変貌さすことができないままに開戦に踏み切らなかったのは山本 五十六の本意で無かったのでしょうね
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