私は今、禅について学んでいるのでが、
「悟り」と「智慧」の違いが分かりません。。
「悟り」(般若)というのは、勿論言葉では表せないものだと書いてありましたが、あえて言葉に表せば、自分自身が「空」であるといった自分の本質を知り全ての「苦」から解き放たれるもの というように解釈しています。
ですが、「智慧」も基本的には「空」である認識?で同じような意味なのではないでしょうか?
後道元禅師の事について記述されているページに
「悟りを背にして、仏の光に照らされて修行すること、「修証一等」「本証妙修」といわれる。修行して仏になるのではなく、悟りを背にして、仏の光に照らされて修行するのである。したがって、その修行は、すでに仏であることに気づかされた本証の上の修行ということになる。」
とありました。
しかし、悟りを背にするとはどういうことなんでしょうか?
自らが仏である、という概念は分かるのですが、それに気づいたのなら何故修行する必要があるんでしょうか?。。(道元はそれを探しに中国まで行ったという話は読んだことがあるのですが、未だに理解出来ません。。)
参考「禅の入門 禅 滴」愛知学院大学 禅研究所
http://zenken.aichi-gakuin.ac.jp/word/text/12.html
No.6ベストアンサー
- 回答日時:
悟りを開くと言う事を分かりやすく述べるなら、分離脳の研究をしたスペリー博士の研究成果を述べてからが分かりやすいと思いますので、先ずそのその要点を書いてみます。
ノーベル賞の受賞理由となった業績として分離脳研究がある。てんかん治療の目的で半球間の信号伝達を行っている脳梁を切断した患者に、片方の脳半球に依存することが知られている作業を行ってもらい、ノーベル賞の受賞理由となった業績として分離脳研究がある。てんかん治療の目的で半球間の信号伝達を行っている脳梁を切断した患者に、片方の脳半球に依存することが知られている作業を行ってもらい、二つの脳半球がそれぞれ独立した意識を持っていることを実証した。この研究は、左右の大脳半球の機能分化の理解に大きくに寄与した。。この研究は、左右の大脳半球の機能分化の理解に大きくに寄与した。
この中で特に注目をしたい事は、「二つの脳半球がそれぞれ独立した意識を持っていることを実証した。」と言う処です。つまり人間には二つの意識が存在しているという事になります。
そうしてその二つの意識には能力の違いが在ると言う事です。左脳は分別脳です、物事を分けて見る、或いは物事を計算してゆく処に在ります。そうして左脳に自我意識が在ります。従って自我意識は有限の世界しか理解出来ない、そうして、永遠とか無限の世界は理解出来ないという事になります。何故ならば割り切れない事の総称を「永遠或いは無限」と言う名をつけてあるからです。
人生苦、或いは心の病を「心の矛盾」と言う風に置き換えても言いすぎにはならないと思います。その先駆けがお釈迦様です。そうして心の矛盾を解消されました。是が「悟り」です。是は左脳の意識と右脳の意識が出会ったという意味が在ります。
右脳は無意識界を統制しています。無意識にも意識が在ります。右脳の意識を仏性と言います。是は誰にもあるものです、何故ならば右脳の無い人は皆無と言っても良いからです。仏性の役割は分別できないもので成り立っています。つまり「永遠」と言う事が理解できるという事になります。
従って「死の恐怖」と言うものを言葉にするなら、自我意識は恐怖に襲われます。是は心の矛盾ですから、怖くないと言っている者がいる事になります。是が仏性です。肉体の死が全てと思っている自我意識に、「永遠のものが既に存在している」と言う事を仏性が教えようとしています。是が心の矛盾の正体です。是が死の恐怖の正体です。
見性する事によって、恐怖の実態が分かります。是が悟りと言うものです。生死の問題が解決したという事になります。絶対の安心を得ると言う事です。この心持が涅槃と言う事になります。
人間は仏性によって正常な生活が営まれています。仏性と仲たがいをしてい事が「心の病」と言う事です。「一切皆苦」と言う事になっているからです。自我意識が自我意識だけで苦しんでいる事が「心の病」の正体です。仏性は分かり難い姿をしています。自我意識と交代する処は、真に巧妙に出来ていて分かりにくくなっているからです。
自我意識と仏性が交代する瞬間は雷よりも短い時間かも知れません。意識が生まれる瞬間の事です。その時をつかむ事が悟りを開くときです。自分が何者かを知る時です。自分自身を知ると言う事は大変に難しいです。
No.8
- 回答日時:
二回目の回答になりますが、「修証一等」「本証妙修」と言う事を書いてみます。
悩みの解消も、神経症の完治も同じ心の働きと言えます。それはお釈迦様の「一切皆苦」の解決が悟りにあったと言う意味です。その中でも治り難いと言われている神経症の完治と言う事で説明してみます。神経症には多くの症状が在ります。それは「意識」した事が症状として顕れているせいです。ですが医学的な検査等をした場合には何処にも異常は認められません。是は医学的には異常がないと言う事になります。
ですが本人は異常を訴えています、この事を説明するなら、本人は異常を感じているという事実が在ります、症状は異常を感じている証拠となっています。処が症状には実体はないと言えます。何故ならば治った経験から言いますと、実態のないものを妄想の自分の心の中で作って苦しんでいる事です。
悩みなどや苦しみなどにも言える事です。人間の苦しみとは「今を受け入れられない事」が苦しみとなっています。その解決は実は簡単な事と言えます、悩んでいる時には分かり難いのですが、苦しんでいる事を受け入れたくない事が苦しみの元を作っています。
従って神経症の治りとは症状を受け入れた時が完治と言う事になります。症状を嫌がって心から追い出そうと言う心の働きが症状を作っているからです。症状を有っても仕方ないものと認めると言う事が治ったと言う事になります。症状が在ったままで本当は治っていた事に気が付く事が完治と言う事になります。
症状は有ってはならないもの、という決め付けが迷いと言う事になります。症状は誰にでもあるものと分かる事、或いは症状はなくすことが出来ないと分かる事、或いは症状が在ったままで既に治っていた事が分かる事が神経症の完治と言う事になります。
宗教的に言うならば救いを求めて苦しい思いをしている事が「迷いの世界にいる」と言う事です。その苦しい世界は無くならないと分かる時が「救いが成就」した事です。救いはなかったのだと体で分かる事です。もう天国は求めなくなったと言う事です、或いは地獄でも何処でも行く決心がついたと言う事になります。
元々天国にいたにもかかわらず天国を求めていた事と言えます。是が
「悟りを背にして、仏の光に照らされて修行すること、「修証一等」「本証妙修」といわれる。修行して仏になるのではなく、悟りを背にして、仏の光に照らされて修行するのである。したがって、その修行は、すでに仏であることに気づかされた本証の上の修行ということになる。」
と言う事です。元々悟っていたのにその事に気が付かないと言う意味でもあります。悟りも迷いも同じことと言う意味でもあります。確かに「悟り」はありますが、悟っている人には分かり難いと思います。「一切皆苦」と言う世界を通過しない人は元々悟っているから、分かり難いかも知れません。
No.7
- 回答日時:
禅は学ぶものではなく、行ずるものです。
坐禅を行ずるときに空とか無などはあまり必要としません。只管打座の坐禅です。修証一等など表現されます。悟っているのに何故、修行は必要かは道元さまが15才ごろの疑問です。答えは弁道話の中にあります。
「この法は 人人(にんにん)の分上にゆたかにそなわれりといえども 未だ修せざるにはあらわれず 証せざるにはうることなし」
全ての人は仏性(さとり)の中にいるが、修行する所に現れる、そして認識しなければ悟りが得られない。
だから修と証が一等で生活をする事がそのままが悟りとなる。
智恵・空(私が感じた結果です)
空はあるがままの世界、智恵により証することが出来る。
禅の修行は日々の行事を愚直に行うだけです。朝起きてから寝るまでが全て教えであり悟りの現れた姿です。修している所に現れます。
No.5
- 回答日時:
訂正いたします。
窪内密雄著、般若心経のこころ → 般若心経の味覚
No.4
- 回答日時:
般若智は無分別智のことで、智慧が対象そのものになっている状態を指します。
悟りというものは、この無分別智によって直感的に把握されたものとされます。
悟りと智慧は不可分のものです。
因位には識といい果位には智という
智即ち、覚なるが由えに。
悟りとは覚性そのものとも言われます。
高度な覚性の世界がそのまま悟りの世界でもあると思います。
道元は成仏の境地に至った人と言われていますが
中国へ行ったのは、自らが得たものを確かめに行ったのではないでしょうか。
仏が仏である事を確かめてくれる人を求めて行ったのではないでしょうか。
>悟りを背にして、仏の光に照らされて・・・
道元は、法が仏を行じる、とも言いました。
悟りの世界から仏が現れる、と言うのです。
これは従果向因の見方です。
真理を求めようとする時、真理とは不可得という形でしか現われて来ない、ただ真理に照らされている事を知るのみである。
このような境地においての座禅だったと思われます。
付け足しになりますが
般若心経の智慧の世界は二つに分けて書かれています。
般若智の表現を二つに分けています。
顕了般若と秘密般若です。
通常の言語による表現と真言による表現です。
一つのものとすれば文字般若という見方もできます。
詳しくは、窪内密雄著、般若心経のこころ、を参照して下さい。
お礼が遅れてしまい申し訳ありません。。
んーまだ浅い知識しかない私としては難しいですね。。
しかし、悟りと智慧は不可分だということはよく分かりました。
悟りから仏が現れるというのはなんとなく分かった気がします。
ありがとうございました!
No.3
- 回答日時:
愛知学院大学 禅研究所に問い合わせてみてはどうでしょうか?
「悟り」とは、空性、心の本質を知ることですが、悟りと仏の境地は同じではありません。
般若心経に「空性と現象は異ならない」というように、二諦を同時に現量できるのが仏の境地です。
矛盾するようにみえるこの二つ。空性であるから縁起する。実体として不生不滅だから縁起生である、と直接認識できれば仏。
単なる「悟り」であれば、菩薩です。
悟りを背にするとは、如来蔵の見地から修行を進めることです。
智慧というのは、定義によるかもしれないけど、
「煩悩即菩提」というように、心が無明にあれば心の動きは煩悩で、悟りに基づいてれば心の動きは智慧、といいます。
如来蔵から現れる全ての現象が智慧になれば仏の境地、ですかね。多分。。
お礼が遅れてしまい申し訳ありません。。
悟りを背にするというのはそういう意味だったんですか。
なるほど、よく分かりました!
心の動き=智慧ですか。。
すこし難しいですが、考えて見ます。
参考になりました!
ありがとうございます!
No.2
- 回答日時:
「正智=智慧」を得て「正解脱」するということですから「智慧」と「悟り」は正確に言えば違うものですね。
しかし、「正智」も「悟り」の一部であると考えれば同じともいえるのです。
「正解脱」までの道のりは、「正信」→「八正道」→「正智」→「正解脱」ですが、最後の「正精進」→「正念」→「正定」→「正智」→「正解脱」は循環しているのですね。仏陀のような大悟にはなかなか至らないので小悟を繰り返すということです。
仏の光りの中で小悟を得て更に精進する姿が道元禅師の「仏道無上請願成」ということですね。道元禅師が得た悟り「身心脱落」も小悟でしかないということです。
それから「正智」を得れば「空」はおのずとわかる。というのが「空」ですね。だから悟りとは少し意味が違いますね。
お礼が遅れてしまい申し訳ありません。。
なるほど。小悟を繰り返して大悟を得るというのは知りませんでした。
参考になりました。
ありがとうございます!
No.1
- 回答日時:
人の心は、脳の自我と、仏の世界の無我が、合体して出来ています。
脳の論理は、不調和でストレスの源です。他方仏の心である、自然の情緒は、癒しの源です。だから脳を休ませて、頭を空にすると、無我なり、仏の世界と交流できます。脳が思考してる時は、脳が人と仏の世界との交流を遮断します。だから修業だと思うと、脳が活動するのでダメです。人の知恵も、脳の思考から出来たものだからダメです。中国の老子も、脳の思考による人の知恵を否定し、無知をすすめています。もちろん仏教も、脳を自我を否定し、無我なれば人は救われると教えてます。だから物事を判断する時は、脳の論理では無くて、心の情緒ですると、調和的な社会になります。だから人の心が、癒される救われるためには、脳を休める必要があります。脳の思考はストレスです。幸い日本には、脳を休める方法が多いです。禅をはじめに、伝統文化は、脳を休めて自然の情緒、心の癒しを追求しています。西洋文化の自己表現とは違います。茶道、能、文楽、歌舞伎、日舞、雅楽、演歌、民謡、詩吟、浮世絵、日本画、短歌、俳句、落語、太極拳などお礼が遅れてしまい申し訳ありません。
脳つまり意識ということでしょうか。
確かに脳を休める時が一番閃きなどが起こりやすいと聞いたことがあります。
ありがとうございました!
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