DCF法のWACCについて質問です。
負債比率が高く純資産が小さい会社の企業価値を算定したいと思います。アーリーステージの会社に対する増資のイメージです。
リスクが高いので株主の資本コストは30%と高く設定しても、負債部分のコストは実績の借入金利2,3%であるとすると、加重平均するとWACCが5%程度しかならず、上場会社のWACCとあまり変らないので、過大評価されてしまいます。増資をすれば純資産の割合が上昇して、負債比率が低下するので、直近の純資産と負債の比率でWACCを求めるのはいかがなものかと考えます。このようなケースではWACCをどのように考えればいいのか、ご教示いただければ助かります。よろしくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>将来の資本構成でWACCを考えるべきでしょうか。
その認識で正しいです。
細かい話をすると、残余利益を分配しない場合、資本金は増えます。
また、負債も返しますので、資本構成は変化します。
つまり、WACCは毎年変わるはずです。
c5hik8さんが書かれている通り、えいやーの世界ですので、現在の資本構成で算出して良いでしょう。
しかしながら、数年後に、増資などで大きく資本構成が変わることが分かっているときには、考慮に入れる必要があります。
例えば、2年後に資本構成が、大きく変わるとします。
その場合には、1年目のCFは現在の資本構成でWACCを算出し、現在価値に割り引きます。
2年目以降は、変わった資本構成でWACCを算出して、これで現在価値に割り引きます。
まぁ正直スタートアップ時のベンチャーの資本構成は、c5hik8さんが仰るところ急激に変化します。
で・・・結局のところ、DCF、PBR、PER、EBITDAなど、複数のバリュエーション方法で理論株価を求めて、平均で割ったりします。
DCF単体だけだと怪しいし、PERだけでも怪しい、複数の方法だったら、それなりに説得力がある訳です。
この回答への補足
回答ありがとうございます。やはり増資によって資本構成が大きく変化する場合は、資本構成を修正して考える必要があるのですね。ただ、資本構成を修正してWACCを算定しているような算定書は見たことがないのですが、よくあることなのでしょうか。
また、急激に変化する場合の資本構成は、7対3とか適当に決める方がいいのでしょうか。増資直後の資本構成で考えるとか、それともWACCベースで感覚的に納得のいく数字(例えば20%などの高い数値)で割り引くことを頭において、株主資本コスト(またはそれに近い数値)で割り引くべきでしょうか。
もちろんDCFのみで算定するつもりはありませんが、DCFの考え方をできるだけ正確に反映させるのはどうしたらいいものかと悩み中です。上場企業などでも、現実は負債比率が増加したくらいで金利がそこまで増加しないので、負債比率が高い企業のWACCが低くなる傾向にあり、株価が高くなってしまうので腑に落ちない感じです。
長々とすいません。部分的でもご意見いただけると幸いです。
No.4
- 回答日時:
アーリーステージの企業への投資に関する書籍は、残念ながら私も見たことがありません。
アーリーステージの企業への投資というと実務ではVC(ベンチャーキャピタリスト)がやっていますよね。
ひょとするとVCの書籍には、投資の際のバリュエーションについて記載されているかも知れません。
VCの方は、幾つかの方法(DCF、EBIDA、PERなどのマルチプル)で試算すると言っていましたが、実際はそれらを参考に、えいやーで決めると言っていました。
再生ファンドは、EBITDAマルチプルでバリュエーションをしていると言っていました。DCFは使わないとのこと。
うーーーん、答えになっていないですね。
申し訳ないです。
やはりDCFは問題が多すぎて、実務で使えないのかもしれませんね。上場企業や将来CFが安定している企業限定の算定方法なのかもしれないと思いました。スタートアップのベンチャーでは、客観性のあるWACCの決定は不可能(資本構成が決めるのが難しい&株主資本コストが恣意的)かもしれません。VC関係の本も、もう少しあたってみようと思います。
>うーーーん、答えになっていないですね。
申し訳ないです。
そんなことないです。頭が整理されましたし、大変参考になりました。ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
>DCFの考え方をできるだけ正確に反映させるのはどうしたらいいものかと悩み中です
>急激に変化する場合の資本構成は、7対3とか適当に決める方がいいのでしょうか。増資直後の資本構成で考えるとか、それともWACCベースで感覚的に納得のいく数字(例えば20%などの高い数値)で割り引くことを頭において、株主資本コスト(またはそれに近い数値)で割り引くべきでしょうか。
正確に反映したいのであれば、資本構成を適当に決めたり、資本コストを感覚的な数値にしてしまっては、説得性に欠けます。
えいやーというのは、確かにあります。
しかし、それはどう仮定するか、どう前提するかが人によって変わるという意味です。
例えば、Aさんは日本経済が横ばいなので成長率は0%とする。
Bさんは成長率は0%だが、改善がうまくいき、原価率が2%下がるとする。
両者で算出するCFは変わるため、企業価値は変わります。
確かにファイナンスの基本はDCFです。
DCF法自体が恣意的なため、実務では、EBITDAマルチプルを使用します。
1.βについて
感覚的に納得のいく数字を使うのは恣意的すぎます。
上場企業では無いので、βは分かりませんよね。
ですので、類似企業のβを使って、アンレバードβ(Equityが100%)を算出します。
アンレバードβを使用して、評価対象起業の資本構成から、βを算出します。
2.WACCについて
資本構成によって、企業価値は大きく変わります。
適当に決めてはいけません。
例えば、7:3とする場合でも、XXXという根拠で資本構成を仮定するように前提を置く必要があります。
3.その他
負債比率が高い企業のWACCが低くなる傾向にあり、株価が高くなってしまうので腑に落ちない感じです。
調達コストは、EquityよりDebtの方が低い。
また、Debtを増やすとタックスシールドにより、企業価値が高くなります。
c5hik8さんは既に勉強されていると思うのですが・・・
下記2つの書籍をお勧めします。
・MBAバリュエーション (日経BP実戦MBA)
・[新版]グロービスMBAファイナンス
もっと詳しいのは・・・
コーポレート ファイナンス(第8版) 上 下ですね。
MBAのバイブルで、ファイナンスを学習する方は必ず読んでいます。
25hiroさん、ご回答ありがとうございます。
財政難の企業の資本構成は増資後の比率あたりに設定するのが一番しっくりくるかもしれませんね。
あと、スタートアップの企業と上場企業とでは株主資本コストが大きく異なると考えられるにも関わらず、類似企業のβを用いて恣意的なプレミアムの加算を行わなければスタートアップの企業も低い割引率になってしまうことや、資本構成が決まらないことを考えると、おっしゃるようにDCFはほとんど使えないのでしょうね。
いろいろと本は読んでるのですが、アーリーステージの企業への投資でこのようなケースが載っている本がありましたら、その箇所をご教示いただければ助かります。私が見た限りではなかったもので。。。
勉強になり助かりました。ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
こんにちは。
まず、資本コストを30%にされた根拠は??
とても30%になるとは思えません。
rE = rf + β(rm – rf)
rE = 株主資本コスト
rf = 一般的に6%位
rm = 一般的に4%~7%位
β = 類似企業からアンレバーして出す
例外はあるにしてもMax2位
資本構成が変わるのが分かっているのであればそれに合わせて算出します。
新興企業の場合は、業界平均のPBRマルチプルやEBIDAマルチプルを算出して、企業価値を求める方が良いと思いますね。
この回答への補足
25hiroさん、ご回答ありがとうございます。
業界のPBRやEBITDAと比較する方法も1つのやり方だと思いますが、今回はDCFでも考えてみたいと思っています。
アーリーステージの未公開のベンチャー企業やバイオベンチャーなどは、上場企業と比較してより大きな資本コストであると考えるため、リスクプレミアムを恣意的に加えております。βを2以上に設定する方法もあるでしょうし、アンシステマティックリスクなどの名目でリスクプレミアムを加算する方法もありますが、どちらにせよ根本はえいやーの数字です。ここでは、所与の数字としてお考えいただければと思っています。
株価算定書などを見ていると、直近の資本構成でWACCを算出している企業が多いように思います。やはりこれは間違いで、将来の資本構成でWACCを考えるべきでしょうか。ベンチャー企業などは何度もファイナンスを行うため、資本構成がころころ大きく変わってしまうのが大きな特徴だと思います。この場合の資本構成をどう考えればいいのかが分かりません。よろしくお願いします。
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