長方形の断面2次モーメントの求め方として、一般的によく、
b・h^3/12[mm^4]・・・(1)
という式がでてきます。(b=巾、h=高さ)
微小断面dx・dyとして、積分、距離の2乗をかけたものと理解してます。
ところで、とあるサイトより、図芯を通らず、かつ、回転角度θ°を考慮した、長方形の断面2次モーメント算出式
(Ix・cos^2θ+Iy・sin^2θ)+AL^2・・・・(2)
L=図芯からの重心距離
Ix、Iy・・・単体での断面2次モーメント((1)式より算出?)
というのを見つけました。(2)の式の場合、長方形断面においては、角度ズレ、図芯ズレまでカバーできるとありました。
(2)の式を数学的に導きだすにはどうしたらいいでしょうか?
((2)式のcos^2θ、sin^2θの意味がわかりません)
A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
あなたの一番知りたいことが(2)の根拠であるならば、私はもう「数学理論的に正しいことを確認」するプロセスについて解説したので、回答は終っているものと解釈しています。
追加質問として、2つ尋ねられていますので、回答しておきます。
まず、座標変換公式ですが、その前に、式(15)(16)について、訂正があります。
正しいのは次式です。
p= xcosθ-ysinθ ・・・(17) ←元(15)
q= xsinθ+ycosθ ・・・(18) ←元(16)
間違いの原因は、局所座標系と全体座標系の、表記の混乱を起こしていたからです。
式(17)(18)が、一般に言うところの座標変換の公式です。
これら2式をまとめて、マトリクス表示すれば、次式のようになります。
{P}=[L]{X} ・・・(21)
[L]=[{cosθ, -sinθ}、{sinθ, cosθ}] ・・・(22)
この[L]が座標変換マトリクスと呼ばれているもので、右辺の{ }の1個目内が1行目、2個目内が2行目の成分を表すものとします。
また、断面2次モーメントを次のようにマトリクス表示します。
[I]=[{Ixx,Ixy}、{Iyx,Iyy}] (ただし、Iyx=Ixy=0)・・・(25)
[I']=[{Ipp,Ipq}、{Iqp,Iqq}] (ただし、Iqp=Ipq)・・・(26)
すると、その座標変換公式は、次のようになります。
[I]=[L]T[I'][L] ・・・(27)
[I']=[L][I][L]T ・・・(28)
次に、「スピードを重視した量産での設計変更時などはどうでしょうか?」という質問に対しての回答です。
(2)は、Ixx,Iyy,θ,A,Lなどの表す幾何学的意味、物理的意味が明確であるということが重要なのです。
もし、あなたの質問が、「(2)を使って全体座標系に変換して計算すれば、良いではないか?」という意味であるなら、それは普通にやっていることですから、”Yes”です。
ただし、主軸方向で計算すれば、Ixx,Iyyだけで良かった(要するに、Ixy=0になる)ものが、傾いた座標系では、Ipqという非ゼロ項が現れてしまうことを忘れてはなりません。
このために、計算が速くなるかどうか、という点については、疑問です。
計算機のなかった昔なら、座標変換をした値を予め計算しておくことには意味があったかも知れません。
ただし、毎回θが変わってくるような構造だと、予め計算しておくことの意味はなくなります。
また、パソコンの表計算ソフトで手軽に計算ができてしまう現代のこと、計算のチェックのためにも、意味の明確な式(28)をベースにした計算式(要するに(2)のそのままの姿)を使用するのが普通であって、式(2)を予め計算してしまう価値はありません。
有限要素法のプログラムの中でさえ、計算式は(28)がベースなのですから。
もしあなたの質問が、「これらに数値を代入して計算して、予めIpp,Iqq、Ipqなどの数値として表してしまえば、計算が簡略化できるではないか?」という意味であるなら、今の時代での答は明確に”No”です。理由は、物理的・幾何学的意味の不明確な数値だけが示されることにより、計算結果の検証がしにくくなることです。
No.1
- 回答日時:
(2)が「角度ズレ、図芯ズレまでカバーできる」というのは、断面2次モーメントを数式表現上する場合だけの話です。
「・・できる」と書かれると、覚えておけばトクをするような気がしますが、この場合は、学生向けなどの試験問題でトクするだけであって、設計の実務では、全く役に立ちません。
理由は、梁の計算をするときは、主軸方向に変換して行えば、計算がずっと簡単になるからです。
以上のことは別として、(2)の導出は、以下に基本式を並べておきますので、代入等はご自分でなさってください。
まず、断面2次モーメントの定義式。
x、yは、図心を通り、断面2次モーメントの主軸方向です。
Ix=∬x^2 dA ・・・(11)
Iy=∬y^2 dA ・・・(12)
Ixy=∬xy dA=0 ・・・(13)
次に、断面2次モーメントを計算したい座標軸をp、qとし、その原点を軸心と呼びます。
あなたの表現と合う断面2次モーメント成分だけを書くと、
Iq=∬q^2 dA+Lq^2・A ・・・(14)
Lp、Lqは、座標軸と軸心の距離。(LqがあなたのLに相当します。)
(x,y)と(p,q)の関係は、回転角をθとすると、座標回転の公式より
p= xcosθ+ysinθ ・・・(15)
q=-xsinθ+ycosθ ・・・(16)
今は、(14)のIqに対して、(16)を代入し、(11)(12)(13)を考慮すると、(2)が得られます。
この回答への補足
回答有難うございます。
>理由は、梁の計算をするときは、主軸方向に変換して行えば、計算がずっと簡単になるからです。
・可能であれば、主軸方向に変換する式を教えていただけないでしょうか?
>設計の実務では、全く役に立ちません。
・設計=構想設計(初期設計)を言われてますでしょうか?(業種は分かりませんが・・・機械?建築?)
構想初期の設計では、(2)式の考え方はしないと思います。
例えば、スピードを重視した量産での設計変更時などはどうでしょうか。機械物であれば、組付け公差(角度ズレ)を考慮した場合に即時対応できると思えます(但し、長方形の角断面性能のみですが)
質問の意図が上手く伝えられず申しわけありません。知りたかったのは、(2)の式の数学的証明です。
θ=0°図心=重心として長方形の計算値の検算では合っているのですが、数学理論的に正しいことを確認した上で使用したいというのが意図です。
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