
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
回答者No.4ですが、ネットワークアナライザに関して触れていらっしゃるので、別の方向から集中定数の入反射について論じてみたいと思います。
方向性結合器で検索しますと、添付図1のような構成の物が良く出て来ると思います。
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&source=h …
まさしく分布定数的な構造であり、入射、反射を分離して取り出せそうに見えてきます。しかし添付図2のような回路構成を基本にしたものも数多く使われているように思います。(誤りがあればご指摘ください。)
抵抗はすべて規格化インピーダンス Zo としましょう。まず Zx 端から見たポートインピーダンスが Zo になっています。また Zx = Zo なら V2 が零である事はおわかりでしょう。つまり V2 には反射電圧 ( Vr / 2 ですが)が取り出せます。 Zx が変化しても V1 の値は変動しない事はおわかりでしょうか。 Zx の値により ab間の電圧は変化します。しかしそれはV1には影響しません。E=0(重ねの理)としab間に電圧を与えてみれば直観できると思います。つまりV1には入射電圧(2Viですが)が取り出せます。これは回路図ですから大きさは無く純粋な集中定数です。進行波の実体は無いように見えます。なぜ入射、反射を分離できたのでしょうか。やはり「座標変換」以上のものは無いのかも・・・。しかし伝搬する波がないと入反射の意味付けが不可能ということも無いようです。
現実の電気回路は電源から負荷へエネルギが運ばれる、因果律を持った存在です。一方、回路図というグラフや、回路方程式には因果律は存在しません(等式の羅列に過ぎません、等式は左辺右辺のバランスを示すもので、右辺から左辺への逐次代入ではありません)。でも分布定数、集中定数にかかわらず、ついつい次のように考えませんか。「ここに電圧が掛かれば、ここに電流が流れる。」とか「ここに電流が流れれば、ここに電圧が生じる。」鶏が先か卵が先か。どちらでも許されてしまいます。電圧、電流は単独には存在できない。物理的因果関係に少しでも近いのは「ここに電力を掛けようとすれば、これだけ戻ってくる。」でしょう。その手法も許されてしかるべきです。しかしこの「電力」の電圧電流比は決めてやらなければ入反射「電力」が定まりません。それが規格化インピーダンスZoですが「単なる座標変換」としては任意ですし、集中定数回路では、物理的合理性を持った値などありません。しかしいくらに選ぼうと「掛けようとすれば」「戻ってくる」という見かけ上の因果関係が生まれる事に違いはありません。この点に着目して下さい。
そして、もし分布定数線路などがあり、その特性インピーダンスにZoを一致するように選べば、「因果関係」は物理的実体を獲得するということかと思います。

大変丁寧な回答ありがとうございます。
集中定数回路でも反射があることがわかってきましたが、無いとしても物理的には定義できる量であるということがわかってきました。ありがとうございます。
No.8
- 回答日時:
>反射電力というのが集中定数回路で存在するというのがちょっとまだ理解できていない ......
分布定数ラインで「反射」の現象を観察し易いのは、おそらく過渡現象解析(Analysis) なのでしょう。
無損失ラインの場合のダランベール(d'Alembert)解が進行波と反射波に対応しており、ラインが無限長だったり、
インピーダンス整合していなければ、過渡波形の変化として観察できますから…。
定常状態になると、見た目だけでは進行波 / 反射波を識別できなくなります。
S パラメータは、過渡現象解析からの類推から定義された定常状態における量なのでしょう。
分布定数ラインに入るときに生じる「電圧の分圧」ないし「有効電力の分配」を「反射」とみなして定義されて
おり、リアクタンス多端子対の解析や合成に威力を発揮します。
回答ありがとうございます。
電気回路に集中定数回路の過渡現象の解析が載っていたのでよく復習してみます。
ありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
tanceです。
集中定数回路でも反射はあります。ただ、全回路長が波長にくらべて
十分小さければ定在波は無視できるということであって、実際の
回路では集中定数部品が線などでつながっていて、「寸法」とか「距離」
というものが存在します。そうなると反射によって起こる「場所に
よる信号の大きさの違い」つまり定在波が集中定数回路でも生じる
わけです。
つまり、いくら小さくてもマッチングがとれていなければ反射は
あるが、それによる「場所の違いによる信号の大きさの違い」は
それ自体の寸法が小さいので、無視できる、ということです。
決して、小さく作れば反射しない訳ではないのです。
関連して、波長より十分小さいから不連続やインピーダンスの
乱れがあっても構わない、という誤解をしている人が多いので
注意が必要です。波長が200mmの信号で、同軸ケーブルとコネクタ
の接続部が2mmに渡ってGND外皮を波がしてあるとします。これは
よく見かける光景で、外皮を剥いて心線をむき出しにしてある
部分のことです。
この2mmは波長に比べて小さいですが、この部分は伝送線路のなかに
接続された集中定数部品のように働き、直列インダクタンスに
見えます。そして信号は反射します。
回答ありがとうございます。
なんとなく集中定数回路でも反射があることがわかってきました。
確かに集中定数回路も分布定数回路の縮小版ですからね。
参考になりました。
No.5
- 回答日時:
No.1 tanceです。
質問を良く読み直して、Sパラメータをどう理解すれば良いのかという
ところがメインなのかと思いました。
これに答えるには、何故分布常数回路では反射が理解できて、集中
常数回路では理解できないかを説明していただく必要があるのでは
ないかと思います。
お礼が遅くなり申し訳ありません。
回路の教科書などでは分布定数回路ではマッチングがとれていないと、反射波が発生し、定在波が発生しているとの記述があり、分布定数回路と集中定数回路との境目は電源波長が、回路長の何分の1以上とかいうのがありました。
この波長以下の集中定数回路では、回路解析で反射が起きるなどという解析を行ったこともありませんし、そんなこともきいたこともなかったのですが、十分に集中定数回路で考えられる規模の回路においてもベクトルネットワークアナライザを使用し、Sパラメータを計測することができます。Sパラメータは反射波、進行波との比率だと理解していたため、混乱したわけです。
集中定数回路で反射波も進行波もないだろうと。そこで質問しました。
よろしくお願いします。
No.4
- 回答日時:
入射電圧Vi、反射電圧Vrと通常の電圧V、電流Iが添付図1式で結ばれているのはご存知の通りです。
2式の様に書き換えると、直交変換に類似である事がおわかりかと思います。回路網を構成する要素達の各両端電圧Vと通過電流Iという変数の選び方以外にも、別の変数の選び方があるという事を言いたいのです。座標変換に過ぎないのですから集中定数であっても、反射のような物理的実体とは無関係にVi、Vr、そしてそこからV、Iは正常に定まります。可逆行列により変数変換が為されていれば、回路の情報は失われません。もっともどんな変数組でも使いこなせるというのではありません。インピーダンスを反射係数で示すという類の演算の為の仕掛けが同時に必要です。多くある変数の選び方の中で[V、I]や1式の[Vi、Vr]はとりわけ直観的に有用なのでしょう。[Vi、Vr]は、その規格化インピーダンスZoを信号源抵抗に一致させた場合や伝送線路の特性インピーダンスに一致させた場合、有能電力やら入射反射やらの物理的実体を獲得できます。しかし依然単なる変数変換の側面も持っています。Zoを信号源抵抗や伝送線路の特性インピーダンスに一致させなかったら・・。その場合Vi、Vrは物理的実体とはかけ離れた値となります。しかし回路網各部のV、Iを求めるのに支障はありません。頭の中で規格化インピーダンスZoを変えればVi、Vrは変化しますが、それにつれて回路網各部のV、Iが変化する筈はありません。
回答ありがとうございます。
なんとなく理解できそうな感じになってきました。単なる座標変換という解釈の仕方ですね。ありがとうございます。
No.3
- 回答日時:
集中定数回路 2-ポートの理論で S パラメータが最も威力を発揮する場面は、おそらく LC フィルタ設計(Synthesis) でしょう。
分布定数回路とは違い、反射係数は「反射電力 vs 入射電力」から導きます。
リアクタンス(LC) 2-ポート内では有効電力が消費されないので、伝達係数ないし反射係数を与えれば、2-ポート・パラメータ
を導出でき、設計(Synthesis) を進められるのです。
回答ありがとうございます。
反射電力というのが集中定数回路で存在するというのがちょっとまだ理解できていない状況です。よろしくお願いします。
No.2
- 回答日時:
ANo.1さんの 反射は集中定数回路でも存在します。
の補足です。
内部抵抗rのある定電圧源に負荷抵抗Rを接続した場合を
考えましょう。
Rでの消費電力を最大にするには、Rをいくらにすれば
よいか?という問題をご存じと思います。
答えは、R=rとするだったと思います。最大電力Pは
P=E・E/(2r)です。
インピーダンス整合の問題ですね。
それでは、R≒rのときは、これより、電力が減るわけですが、
これは、電源が供給する電力の一部が負荷において反射されたと
解釈できるわけです。
電流Iを電源から負荷に向かう成分Ifと負荷から電源に向かう成分
Ibに分けて考えます。I=If-Ib 対応する電圧成分を
EfとEbとします。Ef=r・If,Eb=r・Ib
E=Ef+Ebとなります。
一方、E=IRですから、r(If+Ib)=R(If-Ib)
これから、Ib=-(r-R)/(R+r)・If
これは、電源が送った電流Ifの(r-R)/(R+r)倍の電流が
反射されて電源側に戻される。r=Rならば、反射成分は0です。
反射しないので、電源の供給できる最大電力が供給される。
-(r-R)/(R+r)は反射係数を表していますね。
このように、集中定数回路でも反射の概念が使えます。
S行列(散乱行列)は、集中定数回路でも、上のように
電流、電圧の進行波成分を考えればよいのです。
2端子回路網に1-1’端における進行波成分と2-2’端における
進行波成分の間の関係を表す回路パラメータの一つがS行列です。
これは、分布定数回路に限らないわけです。
回答ありがとうございます。
非常に参考になりました。
つまり、極端なことをいえば直流回路でも反射波は定義できるというものということですね。
ありがとうございました。
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