ラウールの法則(Raoult's law)
飽和水蒸気圧は、水滴の表面の水分子の数に比例するので、溶質を含む溶液から成る水滴の表面上の飽和水蒸気圧e'は純水の水滴の表面上の飽和水蒸気圧eより小さくなり、両者の比fは、
f=e'/e=n0/(n+n0)
で与えられるという法則。ここで、n0;純水の分子数、n;溶質の有効分子数である。希釈されている溶質の場合は、n≪n0なので、
f=e'/e=1-n/n0
と近似表現される。
溶質の有効分子数nは、
n=iN0ms/Ms
と表される。ここで、N0;アボガドロ数(=6.02×1023)、ms;溶質の質量、Ms;溶質の分子量である。i;解離するイオン数
上記の式はどのようにして導かれるのでしょうか。どなたかよろしければご回答お願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>この法則を定義として考えるのですね。
定義というよりは、もともと挙がっている式は法則を説明するためにImageを与えるものです。正確なものでなく、そのように考えておけばImageできるということでしょう。
>熱力学はあまりわからないので、残りも教えて頂けると幸いです。
溶液と蒸気の系について、その中の任意のiという成分について液相と気相の化学Potentialは等しいですから、l, gをそれぞれ液相、気相を意味するとして
μi(l)=μio(T,p)+RTlnxi...(1)
μi(g)=μio(T)+RTlnpi...(2)
について
μio(T,p)+RTlnxi=μi(g)=μio(T)+RTlnpi...(3)
です。xiは液中のiのモル分率、piは蒸気での分圧です。基本はこれだけです。ただしこの溶液-蒸気系ですべての成分について(1)が成り立つのを完全溶液といいます。さて(3)より
(μio(T,p)-μio(T))/RT=ln(pi/xi)...(3)'
を得ます。ここでriという量を
ln(ri)=(μio(T,p)-μio(T))/RT...(4)
と定義すれば(3)'は
ri=pi/xi
すなわち
pi=ri*xi...(5)
を得ます。(riは原理的にはTとpに依存しますが、常圧では事実上圧力には依存しません。これはあとに書きます。)
さて(5)でxi=1(純品)とすれば
ri=pio...(6)
となります。ここでpioは純成分iの蒸気圧になります。よって(5)は
pi=xi*pio...(7)
となります。つまり完全溶液では、成分iの蒸気圧piはモル分率xiに比例します。これがRaoultの法則です。
戻ってriが圧力に依存しないという話は、(4)を微分して
∂ln(ri)/∂p=(1/RT)(∂μio(T,p)/∂p)=vio/RT...(8)
(化学ポテンシャルを圧で微分すれば容積がでます。)
(8)より
dri/ri=(vio/RT)dp...(9)
たとえば液体の水1molでT=298Kを考えるとvio=18x10^(-6) (m^3)
vio/RT=18x10^(-6)/(8.314x298)=7.265^(-9)...(10)
したがって1気圧1.013x10^5 Paの圧力変化を考えると(9)(10)から
dri/ri=7.36x10^(-4)...(11)
となります。すなわちriは事実上温度のみの関数になります。
No.1
- 回答日時:
二つ目までの式はそのように考える、というだけですね。
三つ目の式はN0ms/Msがアボガドロ数にモル数を掛けているから分子数で、それに解離するイオン数i(分子なら1、もしNa(+)+Cl(-)のようにに分かれるなら2とするのでしょう。)をかけているから分子なら分子数、イオンならイオン数になっています。ただし、これは正当な議論ではありません。質問者さんが熱力学をご存知でしたら、溶液と平衡にある蒸気があるとき、その系でiという成分について考え、
μi(l)=μio(T,p)+RTlnxi
μi(g)=μio(T)+RTlnpi
についてμi(l)=μi(g)から導かれるのを知ることができるはずです。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。この法則を定義として考えるのですね。
申し訳無いのですが、熱力学はあまりわからないので、残りも教えて頂けると幸いです。
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