No.7ベストアンサー
- 回答日時:
No6さんたちまで、色々詳しく話してくださっているのに、逆に質問者が、返事がないところを見ると、困惑しているようにも見受けますので
バイトで生徒に説明と言う事で。簡潔にといっても、分かりやすくと言う意味で、まとめたものを話させて頂きたいと思いました。
直線電線に電流を流しますと、電流に直角に同心円状に遠方まで磁界が付きまとって発生する自然現象があることは、既に、大昔にエルステッド教授(助手との?)が発見しています。
この直線電流をコイル状にしますと、電線の周りに分布している同心円状の磁力線(磁石のNS磁極を動かす方向に沿って描かれる透明な線を言い、この線はファラデーの発想と言う)が「束ねられます」(多分多くの人が気がつかない)。別な言葉で表現すると磁力線が密集します。
これだけで、コイルの中の磁力線密度は電流に正比例する事が分かります。
余談、磁気学問の基礎について
「実験事実として、磁力線を描いてみると、磁力線が密集している場所ほど磁石(磁極)を動かす力=磁界の強さ(磁界の強度)が強い事実がすぐ分かりましたから、
例えば磁石のN極の近くの磁力線の密度の濃い所の吸引反発力が、離れた磁力線密度のまばらな所より、強い事実からたやすく分かります。通常こういう分かりやすい自然の観測事実から数式にしている事を、話してくれないか、聞かないか、見くびっているか、基本を理解する事に注力しないで教えてもらう受身状態でいると、覚え切れない錯覚に陥ります。
磁力線密度と磁力(=磁界の強さ)の関係は、上記余談に述べた誰にでも分かる事実関係から、
磁界の強さ=磁力線密度=磁束密度であるという数値表現記憶法=法則=計算式が出来上がりました。
用語 磁束については後半に
それで、磁界と磁力の機器の設計製作ができるようになたのです。 これは、ファラデーが磁力線の発想をした功績のお陰です。
本筋にもどります。
以上の話は、窒素と酸素と酸素で100%近く占める空気中の実験事実です。
ところが鉄やコバルトその他が混じった鉄合金をコイルの中に入れると(又は、鉄心にコイルを絶縁して巻くと)コイルの中から出てくる磁力線が空気中の何百倍にもなって出てくる事実が分かりました。
私が考えるに、磁界を作る大元は電流と言う事実しかない事から考えるのですが。
これは、鉄合金の素材の中のミクロの磁石(スピン電子)が、コイルの電流で作られた磁力線の力で磁力線方向に一斉に揃って協力したため、磁力線密度が濃くなったと理解します。
そこで鉄や鉄合金のような、磁力線の通り易さ(とは=中のミクロの磁石の揃い易さの度合いなのですが)を透磁率とか、誘磁率と名付けて、空気を1として比較し、製品ごとに実測します。何万倍にもなります。
余談
磁力線の通路は、以上の説明で分かる様に、誘磁率の違う、磁力線の通りにくい空気や通りやすい鉄(時には水)がつながった場所であること、から、通りやすさの考えに対し、磁力線の通りにくさ=磁気抵抗の考え方(電気回路の電気抵抗に対応した考え方)も導入しています。
大事な余談ですが
通りやすさを表す透磁率μ(ギリシャ文字)を使って、磁束密度B=μHなどという文字を導入しています。磁界の強さH、磁力線に意味、磁力線密度、磁束密度、起磁力の文字の意味関係は、理解しにくいのですが、ここでは関係ないこととして省略します。
まとめ
(1)は直線電流に正比例して(空気中誘磁率=1)発生するのが磁力線です。「これを束ねるのがコイルにする工夫ですから」、コイルの巻数に磁力線密度=磁束蜜度(透磁率の値を考慮に入れた場合が磁束Bになる)が比例して増加する事が分かります。
鉄心が入っても、そのときは空気の場合より通り易さの率がμ倍、例えば1万倍になるだけの話です。
但し、鉄や鉄合金、その他の材質が空気と違う点は、私が考えるに、中のミクロの磁石の数と動き易さが、結晶構造の違いで、
コイルの電流が増加していく途中から磁束の増加率が徐々に鈍ってきて、最後に一定になり増えません。この状態を専門語で磁気飽和と言います。この曲線を磁気飽和曲線と言い、材料ごとに違います。1つ1つ実測するしかありません。
磁化曲線とも言います。
飽和状態から、コイルの電流を減少させて行った場合には、電流を増加させていった磁化曲線を戻らず、カタツムリの図の形で戻ります。製品ごとに形が違います。
この曲線を、一言でヒステリシス曲線といい、鉄心が入った場合はヒステリシス曲線に比例して増加減少します。
空気の場合だけ、透磁率は鉄類にくらべて何千何倍も少ないが、直線的に正比例して磁束密度増減します。
余談、
鉄心入りコイルに正弦波交流電流を流すと、増加減少過程で磁力線のグラフの波形がゆがんで歪み)発生しますから、それを電磁誘導で受信する音声関係に採用すると、歪み分が高周波分の混じり分ですから、雑音になります。以下省略。
(3)上に述べた鉄心入りの知識になります。ヒステリシス曲線の何処の磁力になる様に直流電流を流すか、あなたの判断で決まります。
素材には、比較的長時間磁化されて磁石になったままになるものと(強さは減少するもの)、電流を切ったら、磁気が消える性質の物があります。と言っても、大なり小なりヒステリシス特性をもっているのが常識ですから、完全ではないと考えるのがよい。相手は、中をのぞけない物質ですから、磁気が残留しているかどうかは外から調べるしかない。逆向き電流を流しても、逆方向に磁気があらわれます。
長くなりましたので、書きなぐりのままにします。
No.6
- 回答日時:
理科の教え方の原点まで立ち返ってはいかがでしょうか?
電磁石について 小学生の頃電流による磁界(電池で電線に電流を流し、方位磁石の触れを見る)を習ったはずです。
また電磁石を作って吊り上げられる釘の量を測ったかもしれません。
電磁気学は、まずこのような現象があって、その現象を説明する論理(比例とか反比例関係)をつくり定式化し、さらに数学的な取扱をしたものです。
(1)流す電流と磁束密度が比例するのはなぜか?
上記の説明から、「そういう現象だから」というのが答えと思います。
実験的に確かめた結果のみを知識として詰め込むのが反省されていますが、昔習った知識を忘れていると理解できません。
「磁束密度」という言葉も磁界の強さというものと混同していませんか?
(2)コイルの巻き数を2倍にした時と、流す電流2倍に した時ではどちらが、磁束道度がたかいのか??
実験的には巻き数を2倍にすると直流抵抗が増えてコイルに流れる電流が減ります。同じ電流を流す条件で比較すれば、同じ電磁石の形状なら同じ吸引力が出ます。
「磁束密度」は磁界の強さHを単位面積あたりで表示したものなので、面積が変わる形状にすれば比較できません。
(3)電磁石の特性について教えてください。
電磁石は直流で使う場合と交流で使う場合があります。
交流の場合、「時間的に変化する電流」か時間的に力か位置関係が変化する」場合の取扱なので今までの知識の組み合わせで考える必要があります。
中学高校以降の理科は結果のみの取扱であることが多いですが、小学校で習った基本的な実験方法と結果については詰め込みになりますが復習させて覚えさせておくことが近道です。
No.5
- 回答日時:
「(3)に関連する質問ですが、電磁石のコイルの直径を大きくすると
発生する磁界が大きくなると聞いたことがあるのですがほんとうでしょうか? 」
について参考程度に
単位長の巻き線数Nと流れる電流Iとして
中心軸に沿う磁場Hが
H=N*I で表せるのは無限長ソレノイドの場合です。
つまり無限に長いコイルですね。
有限長ソレノイドの場合は、
H=N*I*(cosα-cosβ)/2
コイルの真ん中としますと、β=180-α だから、
H=N*I*(2cosα)/2=N*I*cosα
コイルの長さL, 半径R とすると、
cosα=(L/2)/√{(L/2)^2+R^2}
=1/√{1+(2R/L)^2}
H=N*I*cosα=N*I/√{1+(2R/L)^2}
=N*I/√{1+(D/L)^2}
D=2R :コイル直径
ということで、電磁石のコイルの直径を大きくすると
中心の磁場は小さくなりますね。
No.4
- 回答日時:
>(3)電磁石の特性について教えてください。
軟鉄芯などの周りに巻いたコイルに電流を流して一時的に磁石とするものですね。
重要な特性は永久磁石と違い電流の大きさを変えると磁極の強さが変わることでしょう。
このために用途が広いです。
磁界の強さの単位は、A/m(アンペア毎メートル)で示されますので磁界の強さは、電流と巻き数と磁路(磁束の通り道)の長さで決まります。
磁束密度と磁界の強さは、次の関係があります。
B=μH
B 磁束密度
μ 透磁率
H 磁界の強さ
電磁石の磁気回路(磁束の通り道)の磁束密度が高いところに透磁率の大きな鉄・コバルト合金などを使うことがあります。
軟鉄芯では磁束密度が飽和現象を起こしますので特に強い磁界を必要とするときには、鉄芯の無い空芯コイルに大電流を流すことがあります。
No.2
- 回答日時:
1)磁界の強さはアンペアターン(AT)と言う単位で与えられます。
磁束密度はその磁束の通っている単位面積あたりの磁束です。よって、磁界の強さアンペアターン(流れる電流×巻数)は巻数が同じであればアンペアに比例します。
2)アンペアターンは巻数×電流ですから巻数、電流いずれかを2倍にするといずれの場合も磁界の強さは2倍になります。この場合、磁束密度の飽和、履歴曲線の特性に関係なく、アンペアターンは一定です。
磁気飽和になった場合、磁気抵抗は増加しますが磁界の強さは磁気飽和や鉄心の材質に関係なく一定です。
鉄心を入れると空気より鉄心の方が磁気抵抗が低いため鉄心の部分に磁束が集中するだけで総磁束数は一定です。
3)電磁石の特性のどの特性を知りたいのでしょうか?
回答ありがとうございます。
よろしければもう一つ教えてください。
(3)に関連する質問ですが、電磁石のコイルの直径を大きくすると発生する磁界が大きくなると聞いたことがあるのですがほんとうでしょうか?
また、本当であれば理由も教えてください。
No.1
- 回答日時:
生徒は理解していて、家庭教師のあなたが試されているのでは?
いざ説明となると難しい。下手に説明して墓穴を掘らなければと心配です。
1.フレミングの「左手の法則」
電流の向き、磁界の向き、と受ける力の関係を覚えやすくしたのがフレミングの左手の法則で、左手の親指を中指、人差し指のそれぞれに対して直角に開いたとき、中指が電流の方向、人差し指が磁界の大きさ、親指が、力の向きを表す。
まずは、磁界の大きさは、電流に比例する。
磁束は、ループ上に巻かれたコイルを通過する全ての磁力線数が磁束。
磁束密度は、単位面積あたりの磁束線。
(1)流す電流と磁束密度が比例するのはなぜか?
磁界は、電流に比例→コイルとして発生する全磁束は、電流が増えれば、全磁束が増え、その結果、磁束密度が電流に比例するといえる。
(2)コイルの巻き数を2倍にした時と、流す電流2倍にした時ではどちらが、磁束道(?蜜)度がたかいのか??
全く、理想的な、抵抗の無い導体でコイルを巻いたとすれば、電流を一定にして、コイルの巻数を2倍にするのと、巻数を変えずに、単に、電量を2倍にするのとは、等価。
(3)電磁石の特性について教えてください。
なんと、答えたらよいのでしょう。棒状の電磁石においては、一方がS極、他方が、N極となり、S極から、N極に磁力線が発生します。使用される、棒状の物質が強磁性体であれば、その磁束密度が高く、磁性体に対する吸引力も強くなります。
これから先は、余談です。
(2)導体には、必ず、直流抵抗が存在しますので、必ずしも等価にはなりません。そのために、理想的な抵抗がゼロの導体と述べました。
また、電流を無制限に上昇すれば、磁束密度は無制限に上がるかといえば、磁気飽和が発生して、途中で、電磁石の機能を失います。
余談は、混乱の元ですので、高校生であれば説明の必要はないと思います。
説明に当たり、自分なりに充分、理論武装して説明しないと墓穴を掘りますので、他の専門家のご意見を参照して望んでください。私も、生徒を納得させる自信はありません。
回答ありがとうございます。大変参考になりました。
あたり前のことと深く追求しなかったので生徒の前でボロが出たようです。
大変勉強になりました。
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