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テキストに「不動産賃借人からする賃借権の設定登記と賃料支払債務は、同時履行の関係にない」とあって、この意味は理解できるのですが、
例えば、賃貸人A、賃借人Bの場合で、賃貸人Aの賃借人Bに対する賃料支払請求権と、賃借人Bの賃貸人Aに対する不動産使用収益請求権は、同時履行の関係に立つのでしょうか?
→それとも、そもそも、賃貸借契約においては同時履行の関係という概念がないのでしょうか?(賃貸借契約は双務契約なので、同時履行の関係もありうる気がするのですが…)

教えていただけないでしょうか?

A 回答 (1件)

>不動産使用収益請求権



ってのは要するに約定に従って不動産を利用させろと請求する権利ってことかな?純理論的には同時履行の関係にある部分があると見ることは可能だと思うよ。ただ、普通は特約があるけどね。

これは明記した文献を知らないので 完 全 に 私 見 だということを先に断っておくよ。

仮に同時履行と考えるとしても同時履行の関係にあるのは賃料支払いと物を利用させるための引渡しまでで、目的物を利用させるという債務と賃料債務は同時履行になり得ないだろうね。そういう意味では基本的な債務の内容が同時履行になることは観念的にあり得ないと考えて良いとは思う。
つまり、賃貸借契約における基本的な債務は、賃料の支払いと物の利用をさせることなんだけど、この両者は、一方が1回の(月極めで毎月払うとしても、一月分は1回で払うという趣旨)支払いで終わるのに対して他方は一定の期間利用させるという継続的な債務になるところ、観念的に点と線を同時履行の関係と捉えることはできないでしょ?ってこと。賃料を支払えば賃料債務は消滅するけど、利用させる債務は約定の期間中は存続しているから、そこに同時履行という観念は容れられないってことだ。
だから利用させる前提としての引渡しという点とならば同時履行を観念できるがそこまでがせいぜいでしょ?と。ちなみに月極めだったら、各月の最初の日に簡易の引渡しをしていると考えても良いだろうね(ちなみに後払いだと、利用させる債務はすでに履行済みなので同時履行になり得ない)。
少なくとも引渡しと賃料支払までは同時履行とすることは不可能ではないから、特約がなければ両債務を一定の限度で同時履行と考えても良いとは思うということだ。

ただ、理論的にはともかく 実 用 的 に ど れ ほ ど の 意 味 が あ る の ? という気はするんだけど。ほとんど特約があるからねぇ。基本書等に説明のない事項って大概は、基本書レベルをはるかに超えた極めて難しいかさもなくば実用的にほとんど意味がないかどっちかなんだよね。

ところで一つ注意しておくけど、同時履行の抗弁権というのは「債務者の」権利だから債務を基準に考える方が良いよ。
だから、
>賃料支払請求権
>不動産使用収益請求
ではなくて、賃料支払「債務」と不動産を利用させる「債務」とした方がいいよ。
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この回答へのお礼

具体例をあげていただき、ありがとうございます。分かりやすい回答でいつも助かっています。
また、宜しくお願いします。

お礼日時:2009/12/05 12:41

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