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以下の契約形態において、次の項目の考え方についてヒントをいただければ幸いです。
既に定見が整理されている分野ではない(ニッチな)ものと思いますので、法的・論理的に可能性のある整理がしたいというのが実情です。うまく説明できておりませんがよろしくお願いいたします。
■目的:Bを被保険者とした保険契約を締結したい
■質問
(1)法的な位置づけをどのように整理したらいいか?
(2)たとえば、Bを履行代行者(履行補助者)として整理することは可能か?
(3)上記(2)が可能として、履行代行者に保険の被保険者の地位を与えられるか(Aが負う債務を、同時にBが負っていると整理することは可能か?)
■形態
(1)Aが一般消費者に自ら販売した製品の瑕疵保証を約す。(実際には、自然故障の際に無償修理を行うという契約)
(2)Aは、該当の事象(自然故障)発生時の対応(消費者からの連絡受付・相談・修理手配と修理費の支払い)について、定額の料金を支払ってBに委託?する。(不確定の支出を定額で)
(3)上記により、実質的にはAの負う債務について、その全てをBが履行することとなる。
(4)Bは、実質的に負担することとなる履行責任を保険(瑕疵担保責任保険)にて転嫁したい。
(5)一方、同保険は「保証契約履行により支出した費用」を支払うものであるため、被保険者は保証人である必要がある。Aが発行した保証書(Bがサービスを代行する旨明記)に基づく債務なので一義的にはAが被保険者となるが、契約により実際に履行するのはBであるので、このことをもって被保険者となり得る(保証債務を負っているといえる)か?

A 回答 (1件)

 Aと顧客との間の法律関係と,AとBとの間の法律関係を,分けて考えれば,そう難しい問題ではないと思えます。



 Aと顧客との関係では,顧客に対する保証債務(自然故障を修理する債務)について,Bは,単なるAの履行補助者にすぎず,B自身は,顧客に対して,何らの債務を負うものとはいえません。

 顧客との関係では,顧客とAの関係に絞って考えれば足る話だと思います。

 そして,Aは,顧客との間では,顧客のもとで偶然に生じる自然故障の修理というリスク(保険事故)を自ら引き受けているわけですが,これを,Aの内部でどう処理するかは,顧客との間の法律関係には何ら影響しないことです。

 Aとしては,例えば,故障対応引当金のような引当金を積んで,故障が起きるたびに,その引当金を使って故障修理を外注することもできるでしょうし,故障対応社員を雇って,故障が起こらなければ遊ばせておくという対応も可能でしょう。あるいは,Bのような業者に,定額で外注しておき,故障が起こらなければ,Bは丸儲け,故障が多発するとBの持ち出しという契約をすることも可能です。

 ただし,これらの対応方法のどれを選択するかは,顧客には何ら関係のない話ということになります。

 ですから,AとBの法律関係は,Aと顧客との関係と切り離して議論することが適当です。

 AとBの法律関係は,定額の請負契約または準委任契約と考えられますが,その実質において,保険契約の性質を有するものといえます。この場合の保険事故は,Aの顧客における自然故障の発生ではなく,AからBへの修理依頼となります。このような修理依頼も,一定の確率で偶然に発生するという性質を有しますから,保険事故と考えることは十分可能だと思います。

 このように考えると,Bが負う債務は,顧客に対する修理債務ではなく,Aに対する請負契約の履行債務または準委任契約の履行債務ということになります。Bに債務不履行があって,修理が上手くいかなかった場合には,顧客との関係では,Aのみが債務不履行責任を負い,Bは,Aに対して,債務不履行責任を負うという関係と捉えれば,十分のはずです。

 そうすると,Bは,Aから一定の確率で偶然に発生する修理依頼というリスクを転化するために,そのリスクについて保険を掛けることは十分可能だということになります。もちろん,そのためには,保険会社に,Aからの修理依頼が,損害保険の保険事故としての性質を有していることを理解してもらう必要はあるでしょうがね。

 ということで,質問者の質問は,Bの負うリスクを,Aが顧客に対して負っている自然故障の修繕義務と同一と考えている点で,整理ができていないと考えられます。Bが契約関係に立つのは,あくまでAのみであって,Aとの取引によって生じるリスクを,損害保険の目的とすることは,通常の損害保険と何ら変わらないことで,特段の特殊な法律問題はない(保険会社がそのようなリスクを引き受けてくれるかどうかという問題はありますがね。)と思います。

 質問の設問でいえば,(3)の「実質的にはAの負う債務について,そのすべてをBが履行することになる。」という理解がおかしいのであって,これは,単なる事実の問題であり,法律的には,顧客に対して修繕義務を履行しているのはAのみであり,Bは,Aとの間の契約に基づいて,Aに対する義務を履行していると理解すべきことになります。

 (4)も,「実質的に負担することとなる履行責任」ではなく,「法律(契約)上Aに対して負担する履行責任」ということになります。

 (5)も,「保証契約履行により支出した費用」を支払うものではなく「Aとの間の請負契約の履行により支出した費用」を支払うものだという理解になります。

 ただ,考えてみれば,本来債務を履行するための保険というのは,一般に市販されている保険の中には,類似の商品が思いつきません。建築工事の履行保証保険が近いかと思いますが,これも保険事故の性質が違うので,同じにみることはできないと思われます。入院保険で実費を払ってくれるものがあれば,近いかも知れません。大抵の損害保険は,損害賠償責任保険ですね。

 ですから,保険契約の対象としては,上記のとおり法律構成できるのですが,その法律構成に,保険会社の理解を得られるかどうかが問題だろうと思います。
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この回答へのお礼

的確かつ的な回答を素早く頂き誠にありがとうございました。おかげさまで頭を整理することができました。
急いでいるとの勝手な申し出に対して迅速にご対応いただいたにもかかわらず、御礼が大変お遅くなり誠に申し訳ありません。平にお詫び申し上げます。
今後はこのような失礼のないよう十分気をつけてまいりますので、どうかご容赦ください。

お礼日時:2012/08/12 23:55

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