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(1)消費貸借は要物契約であり、目的物引渡義務はないと書いてあったのですが、何故ですか?「要物」だから、義務はあるんじゃないですか?義務がないのは諾成契約の方ではないのでしょうか??
(2)↓の問題が全く何を言っているかイメージできません><
『AがBに対して建物を売った場合の代金債務につき、AB間において、代金債務につき準消費貸 借を締結した場合において、準消費貸借契約による貸金債務の履行期が到来しても、Aが建物の 引き渡し債務及び所有権移転登記義務の履行の提供をしないときは、Bは原則として、貸金債務 の履行を拒むことができる。』
具体的にどういう状況なのでしょう??消費貸借がよく理解できていないので余計ややこしく感じていると思うのですが、どなたかわかりやく教えて下さい。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
>問1:難しいです・・。
代金支払い期日でしょうか?違います。平成24年3月9日です。民法第555条には、「売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」と書かれています。売主が代金を受領することによって、あるいは、買主が目的物を受領する(引渡を受ける)ことによって成立するとはどこにも書かれていません。「約すること」によって効力を生ずるのですから、売買契約は要物契約ではなくて諾成契約なのです。
>問2:債務不履行だと思いますが合っておりますか?
それはそうなんですが、「BはAに対して、どのような法的根拠で、どのような請求をすることができますか。」という問に対して、「BはAに対して債務不履行を請求できる。」という解答では意味が通じていません。
「債務」不履行と言うぐらいですから、AはBに対して何の債務(義務)を負っているのでしょうか。それは、本件売買契約に基づく宝石の引渡債務ですよね。ですから、諾成契約だから、目的物の引渡し義務(債務)がないという質問者の考えは間違いと言うことになります。
それを踏まえて、BのAに対する請求を挙げていくと、次のとおりです。
1.宝石の引渡請求をする。
2.債務不履行による損害賠償の請求をする。
3.履行遅滞を理由に、催告をした上で本件売買契約を解除し、売買代金の返還請求をする。
民法
(履行の強制)
第四百十四条 債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、その強制履行を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 債務の性質が強制履行を許さない場合において、その債務が作為を目的とするときは、債権者は、債務者の費用で第三者にこれをさせることを裁判所に請求することができる。ただし、法律行為を目的とする債務については、裁判をもって債務者の意思表示に代えることができる。
3 不作為を目的とする債務については、債務者の費用で、債務者がした行為の結果を除去し、又は将来のため適当な処分をすることを裁判所に請求することができる。
4 前三項の規定は、損害賠償の請求を妨げない。
(債務不履行による損害賠償)
第四百十五条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。
(履行遅滞等による解除権)
第五百四十一条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。
(解除の効果)
第五百四十五条 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
2 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
3 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。
再度のご回答本当にありがとうございます。いただいた問題や、それに対するその後のご解説で、やっとすべてがクリアになりました。本当に感謝です。ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
>どうも、「目的物の交付」と「引き渡し」は同じ意味合いではないのかと思うのですが、
同じ意味合いです。
あらためて、当初の質問内容の「義務がないのは諾成契約の方ではないのでしょうか?」という記述を読んでみますと、まずは、諾成契約の代表例である売買契約の事例で、法律関係をきちんと理解することが先決ではないかと思われます。
事例
平成24年3月9日、AとBとの間で、Aの所有する宝石を売買代金100万円でBに売却する旨の合意がなされました。ただし、売買代金の支払期日を平成24年3月19日、宝石の引渡期日を平成24年3月31日と定めました。(以下、「本件売買契約」といいます。)
問1 本件売買契約が成立する日はいつですか。
問2 平成24年3月19日、BはAに売買代金100万円を支払いました。ところが、平成24年3月31日を過ぎても、AはBに当該宝石の引渡をしませんでした。BはAに対して、どのような法的根拠で、どのような請求をすることができますか。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。自分なりにご提示していただいた問題を考えてみました。
勉強したつもりでも、知識があやふやなことに気づきました><
問1:難しいです・・。代金支払い期日でしょうか?
問2:債務不履行だと思いますが合っておりますか?
ご解説いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
No.3
- 回答日時:
消費貸借契約の要物性については回答者さんお二人のお答えの通りですからお分かりになりましたね。
設問からすると、建物の売買契約を結んだが、まだ所有権も移転していなければ売買代金の支払いも為されていないという段階ですね。
そこで、Aが負担する所有権移転義務(債務)とBが負担する売買代金債務のうち、Bの代金債務を売買代金から金銭消費貸借契約に変えるというのが準消費貸借契約です。その結果、Aはそのまま建物所有権の引渡し債務(所有権移転登記の義務服務を)を負担し、Bは準消費貸借契約による金銭債務を負担します。
建物売買契約の内容になっている所有権の引渡し義務と売買代金の支払義務は特約のない限り同時履行の関係にあるのですが、貴方のお知りになりたいことは、準消費貸借契約では現実に金銭の授受が行われないため消費貸借と同じに考えるのはおかしいのではないかということと、準消費貸借契約で同時履行の抗弁権が切断されたのではないかということだと思いますので、その視点からお教えしましょう。
まず買主Bの金銭債務ですが、買主が所有権の移転を受けるためには売買代金債務を支払わなければならず、それは即ち既に売買契約で負担している債務ですから、要物性の要件の問題ではなくなります。他の回答者の方もそのことを言いたかったのだと思います。
次は同時履行の抗弁権のことですが、準消費貸借契約は、当初の「債務の同一性を保ったまま」貸金債務に変えることだと理解されていて、同一性を保持したままだから既存の債権債務についての担保権、抗弁権などはそのまま存続すると理解されています。これはまた大審院以来の確立した判例であり学説です。以下、その理由を書きます。
同時履行の抗弁権は双務契約上の債務に伴うもので、自分の債務の先履行から保護してくれるだけでなく、抗弁権によって自己の債権の権利(担保力)が失われるのを防ぐ効果もあります。つまり双務契約の当事者間の衡平を実現するものであるがため、一種の債権担保の作用として働くことになります。
債権者である売主Aが負担する建物所有権移転義務は当初のまま変わっていませんから、Bの代金債務が借金に変わったからといってAの持つ権利を変更なければならない必要性はありません。つまりAの債務は同一性を保ちます。するとAには同時履行の抗弁権もそのまま残ります。またAが持っていた同時履行の抗弁権という利益を自ら放棄して所有権移転を先履行してBに移すことはよほどの事情がない限り考えられません。ですから、その面からもAがBに対し「準消費貸借契約に変えた債務を支払わなければ自分も所有権を移転しない」という同時履行の抗弁権は存続します。
売主Aにそのような保護を認めたら、買主たる債務者Bにも同様の権利を認めなければ衡平の原則が失われます。上述のようにAが自分を不利益にする権利の放棄をするはずがないと推定するなら、Bも同じだと理解するほかないのです。
それでBは、Aに対して「建物所有権を引き渡さなければ自分の借金も弁済しない」という同時履行の抗弁権を主張出来るわけです。
勉強、頑張ってください。
丁寧に教えていただき本当にありがとうございます。わかりやすくて大変助かります。
まだ少し混乱している面はあるのですが、もう一度見直してみたいと思います。
No.1
- 回答日時:
(1)もう一度、要物契約の定義を確認して下さい。
要するに要物契約というのは、当事者の意思の合致+目的物の交付によって契約が成立すると言うことですよね。いくら当事者の意思の合致があっても、目的物の交付がなされていなければ、契約は成立していないのですから、目的物引渡義務という契約上の義務は発生しないことになります。(2)売買契約の成立により、BはAに対して代金支払義務(以下、「甲債務」という。)を負います。その後、AB間で甲債務を金銭消費貸借の目的とする契約(準消費貸借)を締結したことにより、甲債務は「消滅」して、新たにBはAに対して準消費貸借契約に基づく貸金債務(以下、「乙債務」という。)を負うことになります。
Aが建物の引き渡し債務及び所有権移転登記義務の履行の提供をしない場合、もし、準消費貸借契約を結んでいなければ、Bは同時履行の抗弁権を主張して甲債務の履行を拒むことができますよね。ところが、準消費貸借契約を締結したことにより、甲債務は消滅していますから、甲債務に付着していた同時履行の抗弁権も消滅して、もはや、乙債務の履行を拒むことができなくなってしまうのではないかというのが本問の問題点です。
以上の点を踏まえて、テキストをもう一度読んでみて下さい。
民法
(準消費貸借)
第五百八十八条 消費貸借によらないで金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借は、これによって成立したものとみなす。
(同時履行の抗弁)
第五百三十三条 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
(売買)
第五百五十五条 売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
この回答への補足
早速のご回答ありがとうございます。
(1)に関してですが、自分でも理解力がなさすぎでお恥ずかしいのですが、どうも、「目的物の交付」
と「引き渡し」は同じ意味合いではないのかと思うのですが、よろしければ補足をお願いできないでし
ょうか?そしてもし、両者が決定的に違うのなら、「目的物引渡義務は」登場するのでしょう・・?
たびたびすみません。補足に誤記がありました。
×「目的物引渡義務は」登場するのでしょう・・?
○「目的物引渡義務は」どこで登場するのでしょう・・?
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