研究室にて細菌の同定を行っている大学生です。
現在、河川から採集したサンプル中に存在する微生物の検出・同定を行っております。
ターゲットとして選択したのは、ヒトに対し病原性を示す可能性のある大腸菌をはじめ、カンピロバクター、チフス菌などです。現在、R2A培地(ベクトン・ディッキンソン社)にてコロニーの検出を行った段階です。今後はサンプルに対し選択培地による検出と、PCR法において種特異的なプライマーを用いた同定を進めていこうと考えております。
メインは特異性の高いPCR法による同定を、"Pubmed"などで探した英論文に記載されている実際に検出効果の証明されているプライマーを用いて行っていこうと考えておりますが、そのプライマー探しに苦戦しております。こういった目的でのプライマー情報を迅速に探せるサイト、または資料等ご存知の方、いらっしゃいましたら是非ご意見をお伺いしたく思います。
また、PCRにかける前のDNA抽出は、ゲノムDNAに対して行う論文が多いようです(16SrDNAなど)が、細菌の持つプラスミドでは不可能なのでしょうか?また、お勧めのキット等がありましたら是非お聞かせください。
少しの情報でもかまいません。皆様ご多忙な時期をお過ごしのことと存じておりますが、どうかよろしくお願いいたします。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
自分も微生物系の研究をしています。
ので、何点かアドバイスを。サンプルはたぶん底泥か何かだと思うのですが、検出や同定をメインにしているならば分離培養は必要無いのでは?
新規なそれら病原菌の単離が目的なら分離培養は必要ですが、どんな菌がいるかということが知りたいならば、もっと他の方法があります。
特異的産物の有無で判断とありますが、そうすると一つのコロニーに対して数種類のプライマーセットでPCRを行うということですよね?
これは…時間の無駄じゃないですか?目的の種が決まっているなら混合DNAでも抽出して16S rDNAを使った解析をした方が圧倒的に効率的だと思いますが。
あとはやはり生物のDNAを用いた種の同定やその解析法についてもう少し知見を深められた方がよいと思います。培養に関しての知識は豊富なようですが、種同定に関することは穴だらけなようです(少なくとも自分はそう捉えました)。特に、少しでも種の同定解析をされるならば、16S rDNAとは何か、どうして有用なのかぐらいは知っておいて損はないです。
最後に…英語論文をたくさん読まれてますね。40~50も読まれてるのはすごいことだと思います。
しかし多くの論文を読むには、それ相応の時間と体力が必要ですが、数をこなすことは誰でも出来ます。それこそ高校生にも可能です。
大学生ならばそこから一歩突っ込んで、読むべき論文の取捨選択が出来るようになることが重要です。自分の研究にマッチした内容なのか、有用な情報が書かれているか。手当たりしだいに読むのではなく、必要なものだけを読むようにし、読む本数を減らしてでも、一本一本の論文をきちんと深く読み込むことが出来ることの方が重要です。
N_albaさん>
すばらしいアドバイスありがとうございます!!
今のところの方針としては、
1、R2A培地によるコロニー検出。
2、各コロニーをセレクションし、コロニーの一部を取りグラム染色と顕微鏡による観察。
3、キットを用いたDNA抽出を行う。
4、抽出したDNAに対し、目的とする種特異的プライマーを用いてPCRを行います(チフス菌に対してであれば、各コロニーに対しチフス特異的なプライマーのみを用いて行います)。
5、産物の有無を確認し、増幅されたものに対して同定を進める。
サンプルより混合DNAの抽出からの解析を行うことも可能であるとは考えたのですが、じつはそれぞれのコロニーに対し一度グラム染色の過程を入れたいのです。
そのため、ダイレクトコロニーPCRを用いることも考えました。しかしこれがキットや文献で行われているのは主に大腸菌のインサート確認用ばかりでして、様々な業者に電話で確認も行ってみたのですが、やはり他の菌種での例は酵母以外行った事がないとの返事でした。ですので、一度通常のDNA抽出からPCR過程にいこうと考えた結果がこれです。
様々なご指摘ありがとうございました。たしかに睡眠時間を削って毎晩文献を読みあさるのはさすがに疲れました・・・。やはり取捨選択は必要ですよね。自分自身、かなり知識面で不足していると感じていたので、少し無理しすぎてしまっていた気がします。文献よりも参考書に戻ってみたいと思います!
文章から見ると、N_albaさんはかなり経験を積まれている印象を受けました。是非他にもアドバイス等いただけましたら嬉しい限りです!
ご多忙な中だとは思いますが、よろしくお願いいたしますm(__)m
No.4
- 回答日時:
No.1です。
キットの例を書いたのは、お使いください、の意味ではなくて、このページを見るだけでいろんなことが理解出来るのではないかと思ったからです。言葉足らずで申し訳ありませんでした。
やはり16Sを増幅する理由を理解していただくことが先決かと思います。16Sを増幅して、それだけで何か種を決定することが出来るのでしょうか。出来るのなら教えてほしいです。
また、プラスミドはすべてではありませんが種間で移動可能なので別の種が獲得している可能性を否定できないため同定には向かないでしょう。
DNAをどう手に入れるかは、たとえばメタゲノムの手法などが参考になるかもしれませんね。
ちなみに培養はP2以上でやられていますか?
dolphinoさん>
いつも有用な助言をありがとうございます!!
同定系の実験に16Sを用いた英語文献が多かったのですが、これは同定に用いているわけではないのでしょうか?私の勘違いだとすればかなりショックなのですが・・・。
もう一度調べなおしてみたいと思います。
メタゲノムの手法についても今後検討していきたいと思います。
培養は現時点では検出のみでしたのでP2は使っていませんが、今後操作が入ってき次第移ろうと考えております。
ありがとうございました!!
No.3
- 回答日時:
大学生ということなので,先ずは研究室の担当教官や先輩達とディスカッションしていくのが大前提ですが...ちょっと気になったことを。
なぜ,R2A培地で検出した細菌を使おうとしているのですか?
たぶん膨大な数のコロニーを調べなければ,目的とする細菌にたどり着かないのでは?
病原性を示す大腸菌,カンピロバクター,チフス菌などが対象であれば,それぞれの細菌に適した培養条件・選択培地で培養するのが一般的であり,早道と考えられるのですが。
kazu-noriさん>
アドバイスありがとうございます。
先輩方や先生ともディスカッションは行ったうえで(また現在も日々行っておりますが)何か得られるものがあればと思い書き込みをしてみました。
R2A培地を用いた理由としては、通常のLB培地等では栄養価が高すぎ、高栄養要求株のみしかディテクトできないということが挙げられます。R2A培地は、環境微生物が生活している本来の低栄養条件に合わせて調整がされているため、この培地だからこそ検出可能となる細菌が多く存在します。
これらのコロニー由来のDNAを用いた検出を行おうと考えました。
もちろん現在は、それぞれの種特異的な選択培地を用いた培養も行っております。ただ、サンプルの残りが非常に少なくなってきてしまいましたので、早急なディテクト法としてPCRを選択いたしました。
有力なアドバイスありがとうございます。
No.2
- 回答日時:
toorudoorさん こんにちは
ポケットモンスターというゲームがありますよね。冒険を続ける中、様々なダンジョンをクリアして、複数のバッチを獲得し、伝説のポケモンをゲット出来るようになります。
toorudoorさんの質問内容を見て、我々は、toorudoorさんが、これまで研究生活上のダンジョンをいくつクリアし、何個バッチを獲得しているのか、判ってしまうのです。
研究活動を行うことが出来る環境にまでたどつけたということは、実験操作を行うことが出来る能力までたどりついたのです。
あと、2つの能力を磨いて下さい。
(能力1)日本の論文でも良いので、自分が関わっている研究周辺の論文を習慣づけて読めるようになること。
(能力2)能力1で知った情報を複数の相手に話題提供することによって、相手の前頭葉を活性化させ、ディスカションを長続きさせるようになること。
※『病原性プラスミド』と『PCR』を以下のサイトで打ち込んで、検索すれば、toorudoorさんに関わる研究周辺の論文が見つかりますので、能力2に到達出来るように鍛錬しましょう。
ピーター・F・ドラッカーは、「イノベーションと企業家精神」という本の中で、『予期せぬ成功は気づかれさえしない。注意もされない。利用されないまま放っておかれる。』と述べております。能力2によって、相手に出し抜かれるという問題はそうそうおこりません。
参考URL:http://ci.nii.ac.jp/
sakasagitsunenさん>
ご回答ありがとうございます。
最近では、日々40~50英論文を読んでおりますので、習慣はあります。
“ディスカッションを長続きさせること”ですか!あまり考えたことなかったですね。参考にさせていただきます。
名言もありがとうございます!!
添付URLの方も参考にさせていただきます。
No.1
- 回答日時:
研究室で行っているなら指導教員や先輩に相談してはだめでしょうか?
それらの方から宿題として出されているなら簡単にお答えするわけにもいかず、まず、PubMedに固執しない方がいいのではないかと思います。とりあえずgoogle先生に聞いてみたらカンピロバクター用のプライマーセット売ってましたよ。
今やられていることからは、提示されている「研究の目的」を勘違いしている印象も受けます。検査が目的ですか?検査法の確立、新しい検査法の開発が目的ですか?
培養やゲノムDNAを抽出なんて、何のためのPCRでしょうか。煮ればOK。
16Sを増幅した場合、その後どうやって同定するのか、を理解できたら何を何を調べたら良いのか、方向性が見えてくるかもしれません。
ヒントになれば。
dolphinoさん>
ご回答ありがとうございます。
ディスカッションはかなり行った上で、なにかのヒントになればと思いこちらに投稿させていただきました。プライマーの方は、キットやプライマーセットではなく、業者に設計を依頼しようと考えておりますので、論文で見つけようと考えておりました。
現段階では、まず既存の手法で構わないので迅速な同定をしようと考えており、サンプル量の少なさからPCR法による検出を選択いたしました。多くの論文から、プラスミドではなく16Sで行う方が良いとわかっておりましたが、その理由がわかりませんでした。
また、さまざまな菌類を扱っておりますが、加熱によるDNA抽出が多くの種に効率的に可能であると言えないのは、ある程度の経験をお持ちであるならば知られていることだと思います。
増幅後に、その特異的産物の有無で種の同定をしようと考えています。
アドバイスありがとうございました。
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