
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
> 化学の問題で、
> 1.HI 2.HCl 3.HF 4.HBr
> で3.が一番沸点が高い理由がわかりません。
理由は、高校の化学の範囲の中にはないです。というのは、ハロゲン化水素の沸点の順序は、水素結合の大きさとファンデルワールス力の大きさとの微妙なバランスで決まっているからです。ファンデルワールス力だけを考えると沸点の高さは
HF < HCl < HBr < HI (ファンデルワールス力だけ)
の順になります。HFが水素結合をつくることをこれと合わせて考えると、HFの沸点が高くなるので、沸点の高さは
HF > HCl < HBr < HI (ファンデルワールス力と水素結合)
のようになります。HClの沸点が最も低くなることはいえますけど、HFの沸点とHIの沸点のどちらが高くなるのかは、この不等式からは分かりませんから、高校の化学の範囲の中には理由がない、ということになります。
http://www.keirinkan.com/kori/kori_chemistry/kor …
の中ほどにある表「分子量と融点・沸点」と図「水素化合物の融点・沸点」をみると、実験値は
HFの沸点= 19.5℃ > -35.1℃ = HIの沸点
ですから、たしかにHFの沸点のほうがHIの沸点よりも高いことが分かります。しかし、だからといって「水素結合はファンデルワールス力に比べてずっと大きいから、ファンデルワールス力の影響など考えなくてもいいのだ」ということにはなりません。第15族元素の水素化物の沸点を同じ図と表で調べてみると
NH3の沸点= -33.4℃ < -17.1℃ = SbH3の沸点
のようになっていて、NH3の沸点のほうが低いことが分かります。また、融点を調べてみると、それぞれ
HFの融点=-83℃ < -50.8℃ = HIの融点
NH3の融点= -77.7℃ > -88℃ = SbH3の融点
ですから、不等号の向きが逆転しています。これらのことから、「ハロゲン化水素の沸点の順序は、水素結合の大きさとファンデルワールス力の大きさとの微妙なバランスで決まっている」ということが分かると思います。
> 3.が水素結合だということは分かるのですが、
> 2.にはクーロン力が働いてますよね?
クーロン力を極性分子に働く力と解釈するのは、“とりあえず”止めましょう。まずは教科書にあるように、イオンとイオンの間に働く力がクーロン力だ、という理解から始めましょう。
> クーロン力>水素結合なら答えは2.にならないのでしょうか?
イオンとイオンの間に働く力がクーロン力だ、と考えれば確かに「クーロン力>水素結合」なのですけど、HIにもHClにもHFにもHBrにもイオンは含まれていないので、クーロン力は今の場合は考えなくていいです。
クーロン力を極性分子に働く力だと考えると「クーロン力>水素結合」にはなりませんし、またHFもHClと同様に極性分子ですから、答えは2.にはなりません。だからといって、HF>HCl>HBr>HIと考えられるほど単純な話ではない、ということは上で述べたとおりです。
水素結合もファンデルワールス力も“もとをたどれば”クーロン力だよ、という考え方は確かに正しい考え方なのですけど、この考え方は「クーロン力>水素結合」というシンプルな理解とは相容れないものですから、高校化学の基礎固めが終わるまでは、とりあえず忘れていてもかまわないです。
No.3
- 回答日時:
前の質問もそうでしたが、クーロン力と水素結合を分けて考えているからおかしくなる。
・クーロン力とは、静電気力ともいい、正の電荷と負の電荷の間に働く力です。
ですので、イオン結合も水素結合も正の電荷と負の電荷の間に働く力で、それが分極しているか否かとは別の問題です。
もう一点、ある物質が粒子として存在している場合、その粒子間に働く力は、基本的にクーロン力です。ファンデルワールス力もその意味ではクーロン力です。重要なポイントは、【ある物質が粒子として存在している場合】の結合は、すべてクーロン力だということ。
それと、その粒子・ないし固体を形成している結合力は区別して考えてください。水分子を作り上げている力は共有結合ですね。しかし、塩化水素は・・と聞かれるとイオン結合というと○かというとそうではない。気体の塩化水素は一方に電子対が極端に偏った共有結合と見てもよいのです。
結合力の比較をするとき、最も重要なのは、今それがどの状態にあるかです。
金属 金属結合----------Cu
+ イオン結合--------NaCl
非金属 + イオン結合-- Na(OH)
+ 共有結合-------------H2O
非金属 共有結合---ダイヤモンド
でもこれは個体の話。これらが液体を構成している場合、たとえば
HI HCl HF HBr HAt
液体/気体の相変化を考えるとき、これらは共有結合で結びついている分子ですから、その分子間に働く力はクーロン力です。★ただ、水素原子のプラスへの偏りがあるため、その結合に方向性があること。言い換えれば共有結合に関わる電子がハロゲンと水素間にあるため、水素の背後では原子核がむき出し状態であることから、特別に水素結合と呼ばれるだけです。--クーロン力のうち水素原子の正電荷と分子間の電荷の偏り--による結合だけ特別の呼称があると思えばよいでしょう。
ではこれらの分子間の結合力・・【液相/固相間の相変化の場合】・・は、電荷がどの程度偏っているかがそれを決定しますね。どの元素でも周期表の周期が後になるほど、内側が内殻によってコーティングされていきますから、電子をひきつける力が小さくなる。=電気陰性度が小さくなる。すなわち、その順番に並べると
HF HCl HBr HI HAt
の順番で、共有結合に関わる電子がハロゲン側にひきつけられる力が弱くなる。言い換えると左にあるものほど分極が大きい。
よって二つの分子間の結合力は
HF>HCl>HBr>HI>HAt
のはずですね。
No.2
- 回答日時:
クーロン力は荷電粒子間(分子、イオン、電子など)に働く力です。
すなわち、水素結合もクーロン力による結合です。
質問者さんの言うクーロン力とはイオン結合のことではないでしょうか?
しかもHClはイオン結合性ではありません。ハロゲン化水素は(少なくともHAtまで)すべて共有結合性です。
よって、ハロゲン化水素の沸点を考えるならば、水素結合を考えれば十分です。
水素結合は、HとX(ハロゲン)との電気陰性度差が大きければ大きいほど強くなるため、
ハロゲンの中で一番陰性の強いFとの化合物、HFが一番水素結合が強いと考えられます。
よってHFの沸点が一番高くなる。答えは3番。
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