プライバシー権は憲法上の権利として認められていますね。私人間でもプライバシー侵害で損害賠償が認められることがありますね。
そこで芸能人の私生活を週刊誌に掲載することはプライバシー侵害にならないのですか?これが政治家等の公人なら多少は私生活を暴露されてもやむをえないようですが。
ある女性の芸能人の入浴シーンが週刊誌に掲載されたのはプライバシー侵害にあたらないのですか?(この雑誌、盗撮はゆるせん、とかいいながらこの写真を掲載してるのは矛盾に思いましたが)。
それとか、芸能人カップルのデートの様子を週刊誌に掲載するのはどうなのでしょ?
プライバシー侵害には当るけれども訴訟をすることで名声に傷がつくのを気にして訴訟を起こさないだけなのでしょうか?
憲法の基本書に芸能人のプライバシー侵害については触れられていないのですが。
A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
#1/#3です。
「回答に対する自信」にもありますとおり、自信ナシであることを先にお断りして・・・:
>自分の今までの理解によると、プライバシー権のような憲法の明文にない権利については憲法13条の包括的基本権で認められると考えていました。裁判例でも13条を明示的には挙げていなくてもプライバシー権については憲法上の権利として認めていると思っていました。石に泳ぐ魚事件でもプライバシー権を根拠に差し止めを認めたと思います。
不勉強で申し訳ないのですが、「石に泳ぐ魚事件」のことは存じ上げておりません。
私が申し上げているのは非常に単純な解釈で、憲法には「プライバシー」と言う言葉は一切登場しない、と言うことです。「応用的」と言う言葉を使って「応用的人権」なる概念があるかのように書いたのは失言でした。
憲法第13条は「個人の尊重」を認めています。この延長線上で、プライバシー権が認められる場合はあると思います。ただ、同条では「公共の福祉」と言う言葉を登場させ、個人の尊重は公共の福祉に反しない限り認められる、と言うこともいっています。したがって、憲法はプライバシー権を明示的に無制限に認めているわけではない、と私は解釈しています(もちろん、全否定しているわけでもありませんが)。
ちなみに「プライバシー」とは英語で「私生活/秘密/秘匿権」と言うような意味ですが、憲法にはこれらを明示的に保護する条文は認められません。
>法律で認められていない権利についても、訴訟を起こせるということですか?この場合裁判所は何を基準に判決をするのでしょうか?
これは憲法に明示されてますよね。
第32条/何人も,裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
私は「法律で認められていない権利」と言う表現は使っていないように思います。正確には、「法律で認められていないことでも権利主張することは可能」だと申し上げたつもりです。
この場合の判断は、憲法76条3項
すべて裁判官は,その良心に従ひ独立してその職権を行ひ,この憲法及びに法律にのみ拘束される。
とあるように、「裁判官の良心」によって判断されることになります。条文にもあるように、憲法/法律は裁判官の判断範囲を制約する(「拘束される」とある)ためのものであり、憲法/法律にないものについては裁判官の良心で決定することになると思われます(また、「独立して」とあるとおり世論や世情に流されてはいけない)。
No.3
- 回答日時:
#1です。
#2さんの見解としては憲法13条で認められている「基本的人権」にプライバシー権が包含されている、と言うことだったのですが、基本的人権はあくまで「基本的」なものだと思いますので、プライバシー権のような「応用的」な権利をもこれに含めてしまうのは少し解釈に飛躍があるような気がします。
無制限にプライバシー権が認められるようだと犯罪捜査もできなくなってしまいます。
で、質問の本質に立ち返りますが、質問は記載のような行為が「プライバシー侵害にあたるのか」と言うことですよね。回答は「明らかにプライバシー侵害にあたります」です。あたりまえですね。
そこを飛躍して、私も#2さんも「プライバシー侵害にあたり、これを法的に処分/対処できるのか」というもともと質問にはない質問に回答してしまってますよね(だからお礼も書いてもらえなかったのだろうか?)。
で、もともと質問にはない事項ですが、これは、一般論としては語れないでしょう。上記したように、プライバシー権は「応用的な」人権であり、ケースバイケースだと思います。度が過ぎるようなことであれば民間人/芸能人問わず民事訴訟で賠償を求めることは可能でしょう。別に法律で権利が認められていようがいまいが、民事訴訟を起こすことは誰にでも可能なことです(これこそ憲法で認められています)。
ただ、刑法/個人情報保護法(多分まだ立法されていません)などのレベルで裁く法律はありません。あくまで、個人的な民事訴訟のレベルで対抗することになります。
加藤あいさんの入浴シーンの盗撮なら、生活権の侵害として加藤あいさん自身が民事訴訟を起こすべき問題です。
このような状況ですから、マスコミに弱い芸能人としては多少の事をされても訴えられない、と言う現状はあるかと思います。
長々とどうもでした。
自分の今までの理解によると、プライバシー権のような憲法の明文にない権利については憲法13条の包括的基本権で認められると考えていました。裁判例でも13条を明示的には挙げていなくてもプライバシー権については憲法上の権利として認めていると思っていました。石に泳ぐ魚事件でもプライバシー権を根拠に差し止めを認めたと思います。
誤解しているところがあれば指摘してください。よければ、基本的権利と応用的権利がどう違うのかもしよろしければ教えてください。13条にプライバシー権を含めないということはプライバシー権は憲法上の権利ではなく何か他の法律上の権利ということですか?
>法律で権利が認められていようがいまいが、民事訴訟を起こすことは誰にでも可能
法律で認められていない権利についても、訴訟を起こせるということですか?この場合裁判所は何を基準に判決をするのでしょうか?
すいません、私未熟者で。
No.1
- 回答日時:
諸説あると思いますが、プライバシー権は憲法上の権利としては認められていないと思いますよ。
憲法が国民に認めている権利は生存権/財産権等です。逆に、憲法21条では表現の自由を認めていますので、これを普通に解釈すると他人の生存権/財産権を犯さない限りは報道側が守られる、と言うことになります。
もちろん、行き過ぎた報道で著しく生活に影響を及ぼされたと言うことであれば生存権に関わりますので、この点で憲法違反ということになります。
また、憲法は各種の自由権を認めていますが、これは「公共の福祉に貢献する」前提で認められているものです(自由権<公共の福祉)。タレントなどはその活動を国民に知らしめることで公共の福祉に貢献していると思われますので、彼らの自由権は彼らの公共の福祉のためには多少は犯されてもしょうがないという見方もできます。
もっとも、上記のように憲法を都合よく解釈すればいくらでもタレントのプライバシーを侵害できてしまいますので、プライバシー保護法などが整備されるきっかけとなっています。これは、憲法上の個人の自由権と表現の自由/知る権利という相反する国民の権利に対してどの辺で線引きするか、というガイドラインだと考えられます。
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