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平安時代の色について
平安時代、襲ね色目(かさねいろめ)が
生まれるぐらい染めの技術は
たかかったのですか?

A 回答 (1件)

はい、相当高い技術があったと類推されています。

私の手元に平安時代の古代法典『延喜式』(平安初期記述)に記載されている「紙の染色」について解説したものがあります。長くなりますが、転記します。
参考にして下さい。
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 染料は次の7種類で,染料の量,紙の枚数,前処理などを規定している.

(1)ベニバナ(紅花(くれない)).量は4大斤と書かれているので,2,400g.原紙200枚(1,800g)で,予めクチナシ(「支子」,普通「梔子」,「巵子」と書く)(600g)で下染めする.この場合,実を用い,無媒染では赤味のある黄色である.

(2)キハダ(黄檗).200枚の紙の染色用として1,800g, 藍の下染として1,200gで,総計3,000gである.

(3)クチナシ.紙200枚の染色用として3斗=25.5L.煮出しただけで奇麗な黄色が出る.

(4)浅(あさ)葡萄(えびの)汁.紙280.5枚の染色用として8.5L.紫黒色の実を利用して,椿の灰による媒染で酢によりpHを制御し,色を調整した.葡萄(えび)染(そめ)と呼称されている.椿灰は山灰ともいい,アルミイオンが多い.特に8-9月.そこで,用具は6月上旬発注とある.

(5)ハゼ.黄櫨,読みはハジ,単に櫨とも書く.中国の黄櫨と我が国のそれは種類が違う(57).紙用250枚用として1,200g.媒染剤により色は変わる.

(6)紫草.10小斤=2.64kgが120.5枚の紙の染色用である.染色は椿灰によるアルミ先媒染である.

(7)藍.単位が「囲」であるので,ここは藍草のことである.紙120枚を染めるが,その量は2囲(藁と同じとすれば10.4kg).我が国の現在の藍はタデ科のものであるが,古代はマメ科のものもあった(58)と考えられている.

 なお,染色助剤として酢(5.5L), 綿(49.5kg), 藁(16.2kg), 椿の灰(11.2L)である.椿の灰は8-9月の間枝や葉を切って燃やして造る.アルミニウムイオンを含む媒染剤である.藁も灰の利用,酢は灰のアルカリ分の中和用である.また,必要な道具として水桶2口,?(したみ)と称する「底が方形で上部が円形のザル」1口.燃料として薪が25.2kgである.

 紙の染色法には,漉き染め,浸し染め,引き染め,吹き染めの4種がある(59)が,分業であることを考えると,浸し染めと引き染めが採用されたのではなかろうか.
 以上のように,簡単ながら古代の代表的な染め紙の基本的な染色技法が具体的に明らかにされている.
(「科学史研究」よりhttp://wwwsoc.nii.ac.jp/jshs/kagakusikenkyu/inde …
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 以上は、紙の染色ですが、絹衣の染色も植物の「ムラサキ」ひとつで紫色以外にも多様な色が作られていたと『日本古代紫草工房』の石川貴啓氏は述べておられ、実際一部再現されているようです。

参考URL:http://www.parco-art.com/web/logos/kodaimurasaki …
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この回答へのお礼

大変、勉強になりました。どうも、有難う。

お礼日時:2010/09/04 08:17

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