
地方公務員(研究職)の方にいくつか質問です。
(先日、ビジネス&キャリア-その他-で質問しましたが、回答が得られなかったのでここで質問させて頂いた次第です)
私はこの度地方公務員技術職に合格できたものです。公務員になってからも研究は続けたいと考えており、論文投稿やセミナーの企画、外部資金の獲得も行ってゆきたいと考えています。
そこで、現在または過去に地方公務員の研究職に就かれていた方々に下記の点について伺いたいです。ご回答が可能なものだけで結構ですので、色々とお教え頂きたいと考えております。何卒よろしくお願い申し上げます。
1.論文投稿は自由にできますか?
2.与えられた仕事以外に研究を進めることはできますか?
(この質問は、自分の研究が好き勝手にできるか?という意味ではなく、配属された地方の研究機関の研究テーマとして新規分野を自分で開拓できるか?加えて、その新規研究のために配属先の機器等を利用することは可能か?という意味合いです。)
3.公務員になってから学会運営等に携わった経験のある方は、どの様に携わったか教えて頂けますか?
(公務員としての一般業務ではない学会運営等の仕事を、どの様に時間を使って行ったか?等)
4.地方の研究機関の発行する研究技術報告は、他のアカデミックポストに就職する際に、有効な論文数としてカウントされますか?また査読はあるのですか?
5.公務員研究職経験者の方で、大学教官(准教授等のパーマネント職)に転職された方は、どの程度の業績レベルが基準だとお考えですか?また、大学教官への転職した感想等あれば教えてください(例えば、大学に来てから教育に割く時間が多くて公務員の時の方が良かった、とか、予算は大学の方が多くて良いとかです。)。
宜しくお願い申し上げます。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
本当は大学教員になりたかったが仮の宿として国公立研究所を選んだという感じですね。
>1.論文投稿は自由にできますか?
基本的に自由だと思います。ただし特許など直接利益に関わるものは大学と同様、制約を受けます。また公務員倫理の一環として「職務上知り得た知識を外部に漏らしてはならない」というのがありますので、例えば市役所窓口にいた人間が住民データを使って統計学的な論文を書くような行為はアウトです。
>2.与えられた仕事以外に研究を進めることはできますか?
自由に、とは行きません。基本的に研究職としておこなう研究は「業務」の一環ですから、あなたのやりたい研究が所属研究機関の「業務」の一環であると認められなければなりません。その「業務」は、狭義には各年度始めに「業務分掌」として直属上司から提示されるはずです。「業務」としての研究は、多くの場合、所属施設の設立目的に合った研究です。つまり国立衛生研究所なら日本国内の衛生に関すること、都立農業研究所なら東京都内の農業に関する研究になります。なのでもしあなたが大学でアメリカの綿花栽培の研究をしていたなら、その継続は多くの場合難しく、所属機関のカラーに見合った研究テーマにスイッチする必要があります。
ただしどの研究機関にも「基礎研究」の枠は多少なりともあるので、あなたの研究がそれに該当すると説明できるなら、継続は可能です。その場合は、あなたが出すであろう研究成果が所属機関の運営にとって何かしらのプラスになることを企画書の中で説明する必要があります。この「何かしら」の部分は非常に融通無毛であり、ケースバイケースとしか言えません。要するにあなたの文章力の勝負ということです。
とはいえ、このような事情は大学でもある程度同じです。例えば長野県立大学へ就職したら、研究テーマとしては長野県に関することが推奨されるはずで、それと大きく違うことをやろうとすると、できなくはないが肩身はせまいはずです。
>その新規研究のために配属先の機器等を利用することは可能か
業務と認められなければ、その研究はプライベートとしての範疇になります。つまり禁止はされないが、表向きは配属先の機器を使わず、業務時間外(5時以降あるいは土日)に自宅でおこなうことを求められます。なぜなら公務員には「職務専念義務」というものがあるからで、この遵守は表向き、非常に厳しいです。
ただし、あくまで表向きです。知り合いから頼まれた試料を職場の機器を借りてちょっと分析するといったことは、どこの研究機関でもあり得ることで、上司も元研究者なら大目にみることが多いです。ただし出るとこへ出れば首になるという認識をもち、目立たない範囲で行うなどの配慮が必要でしょう。
>公務員になってから学会運営
これはよく問題になります。基本的に、職場業務に関連する内容でなければ、上に記した職務専念義務に触れますので、基本的に好まれません。まあ庶務幹事みたいな事務仕事なら職場でちょこちょこやってもばれませんが、外へ出て学会発表とかなると、基本的に年休をとって行くことになるでしょう。言いかえれば、年休をとって業務時間外に行く分には、どこの学会へ行く行かないもあなたの自由ということです。
>地方の研究機関の発行する研究技術報告は・・・有効な論文数としてカウント・・・また査読・・・
所属機関が発行する研究紀要とか報告書の類ですね。まずカウントされません。査読もほとんどの場合ありませんので、将来的に大学へ移りたければ、業務として作成する報告書の類とはほかに、プライベートに論文を生産し、定評のある外部の学術誌へ定期的に出版しておく必要があるでしょう。定年まで同じ職場をつづける職員より時間的にきつくなるのは当然です。
>大学教官(准教授等のパーマネント職)に転職・・・どの程度の業績レベルが基準
一般の大学助教が「外部の」准教授へアプライするケースと同じです。分野にもよりますが、35歳なら査読つき論文10本、45歳なら20本くらいではないでしょうか。
>大学に来てから教育に割く時間が多くて公務員の時の方が良かった
ごくごく一般には、大学教員より公務員研究者の方が暇でしょう。准教授ともなると授業と学生の指導に追われ、自分では研究できないでしょう。研究できてるように見えるのは、自分ではなく学生にやらせているのです。
それでも多くの人が大学へ行きたがる理由は、大学教員のネームバリューでしょう。あと上に書いてきたような制約が少ないことも。 例えば服装も出勤時間も自由みたいなこと。 基本的に国公立研究所の研究者は公務員ですから、服装はネクタイ着用、勤務時間は(たとえ何も仕事なくても)9時5時拘束みたいなことは、職員の常識として普通に強制されます。
丁寧なご回答誠にありがとうございます。
>本当は大学教員になりたかったが仮の宿として国公立研究所を選んだという感じですね。
そんな感じです。面目ないです。
ただ、回答者様の回答を読んで、国公立研究所の方が研究に専念できそうですので、好感を持った次第でた。現在の指導教官に、アカポスについて自分の協力をしろと言われており、できるだけ大学にと思っていたのですが、単に(論文とか後輩指導とか学会事務とか非常勤とかの)協力をするだけなら地方公務員の方が良い気がしてきました。まあ、大学内の雑用を協力しろ、って意味でしょうから大学に戻したいのかもしれませんが…すみません、愚痴でしたね。
>自由に、とは行きません。基本的に研究職としておこなう研究は「業務」の一環ですから…
なるほど。そうですよね。自分の研究テーマは生物物理なので、応用が効きます。色々応用研究・現場に役立つ研究に挑戦しようと思います。
>例えば長野県立大学へ就職したら…
プロフィールみて頂けたのですね。ありがとうございます。自分の研究能力を地元で活かせるように頑張りたいです。
ちなみに、長野県の農業現場ではどんな技術が求められているのでしょう?学部時代よく現場に出て手伝いをさせてもらってましたが、農家ごとですら抱えている問題や作業方針が異なるので、長野でどんなことが問題になっているか知りたいです。もしご存知なら教えてください。
学会に関しては元より有給取って自費で行くつもりでしたのでご安心を。
なるほど、研究紀要は論文数としてカウントされないんですね。ありがとうございます。時間的なきつさは、今現在を考えればたぶん耐えられるかと。
大学教員との違いはネームバリューなのですね。ならやはり公務員として研究する方に魅力を感じますね。出勤時間や服装も気にはなりませんので。
まあ後は、公務員と大学のどちらのポストが今後削減されてゆくかが気になります。万一、首を切られそうになった時に、つぶしが効くようなキャリアをつめればと思ってますので、その辺ももし教えて頂ければと思います。ちなみに、一般企業との共同研究はそういった(民間への転職)に有利に働きますでしょうか?
ご回答誠にありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
研究職ではありませんが、技術系の公務員ですので参考までに
アドバイスを。
各自治体ごとに多少違いますが、基本的に地方公務員の場合は研究職のみ
に従事するということはあり得ません。(流動研究員などは別ですが)
配属されてみれば事務職になるということもありますし、
研究職であっても全く違う分野に異動させられることもあります。
一定の研究を継続したいというのであれば止めた方が良いでしょうね。
1 仕事上の必要と上司の理解があれば、その範囲で投稿は可能です。
2 基本的にはできませんね。何を研究するのか提案をすることは
可能ですけど、予算や部署の方針に沿わないのなら採用されません。
3 (現在進行形で関わっている友人の経験から)一般業務でない場合
関わることはできません。自分のプライベートな時間を当てることに
なります。ただ、自分の仕事と非常に関連する学会であれば、その学会と
のコネクション構築が業務に利益があると判断されて上司の理解を得られ
る場合があります。
4 基本的にはカウントされません。学会誌的な意味での査読もありません。
実際に読んだことはありますか?大抵レベルが低いというのがお分かりに
なると思いますが。
5 博士が量産され、大学や国の機関で実績を上げている人が行列をなして
いる現状では、地方公務員から大学教官へのステップアップというのは
かなり難しいと思います。
地方公務員になるというのは文系就職するくらいの気持ちで考えた方が
良いですよ。中心はあくまで行政事務であって技術職なんて2等、3等
職員なんですよね。
アカデミックな職にこだわるのなら、リスクはありますけど大学にいるか
国の独行に行くべきです。
そもそも地方自治体の研究機関は実験機関とでも言った方が
よいようなレベルの低いところが殆どです。学位を持っている人自体
ほとんどいないわけですからね。
それにどこの自治体でも試験研究機関は整理の対象になってます。
例えば、うちの所では将来的に廃止するという方針が決まっていまして
何に付け風当たりが強いですね。
ご回答誠にありがとうございます。
各研究所の紀要はカウントされないんですね。残念です。
私は良く引用してますが、良いデータがあるなぁという印象があります。
研究期間は整理の対象になってしまうのですね。入ってからの身の振り方が重要なのだということがわかりました。廃止になってしまったときに、いくつかの転び方を用意できるよう、今のうちに自己研鑽に励もうと思う次第です。
重ねてご回答感謝申し上げます。ありがとうございました。
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