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夏目漱石「こころ」で「先生」が自殺する原因は?
昔、「こころ」をドキドキしながら読んだ記憶があります。
あんなに小説に引き込まれたのは初めてですが、結論に納得出来ないものを感じます。
結局、「先生」は友人を裏切った良心の呵責に耐えかねて自殺しただけなんでしょうか?
将来に対する明るいメッセージはないのでしょうか?

A 回答 (4件)

明治時代に推し進められてきた「自由と独立」の観点からみれば先生は悪くない。


自分の犯した過ちを、無理やり正当化することができずに自害したのでしょう。
誰でも持っている、自分自身を正当化しようとしてるズルさ、本当は見たくない部分に光を当て、本来の日本人の精神である「倫理」を重んじたのだとおもいます。
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この回答へのお礼

回答有難うございます。

お礼日時:2010/10/13 09:22

わたしが「こころ」という本に出会ったのは、ウン十年前の中学の時でした。



それまで小説本というものを毛嫌いして 一冊としてまともに読んだ事がなかったのですが、この「こころ」で読書が好きになりました。

初めて一冊の本を読み終え その日の晩に再度読んだのは今でも覚えております。

たまたま 当時読書感想文を書かないとならず 普段ならあらすじの感想文だったのですが この時だけは、私にとって初めてのまともな感想文を書き 表彰までされた記憶があります。

先生の自殺 最大の問題点ですけど わたしが思うにそれはKの自殺に至る部分と 著者の夏目漱石も乃木大将を強く尊敬されていましたので 明治天皇の死と乃木大将の殉死をきっかけとして 先生は、Kの自殺の原因である自分自身の闇の部分の封印償いを死を選ぶ事で行ったのではないかと感じました。

先生とわたしの間で 先生がわたしは先生といわれるような人間ではないと何度か仰っていた言葉の意味

Kを自殺させたきっかけは騙しだけではなく 一番先生自身を苦しめたのが Kに対して先生がいった言葉で元は、Kが先生にいった言葉なのですが「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」。
Kは実家の関係で宗教の修行をしていた人です。
禁欲等もかなり厳しい戒律がある中で Kは、お嬢さんを好きになったわけですよね。
それを先生は、Kから昔いわれた言葉をそのまま返すことで Kのお嬢さんへの想いを止めようとしたのだと思いました。
かなりの確信犯 そして いわれたKが「自分は馬鹿だ」と口にした時 先生は、Kに対して敵意をもち友人ではなく 恋の敵として焦りも抱いたと思いました。

そこの感情の動きが激しく人の汚い部分を垣間見れる感じがして 心に響くものを感じ何度も読み返したのを覚えています。

友人を騙まし討ちし 裏切って自殺に追い込んでしまった負い目
明治天皇の死
乃木大将の殉死

これらが重なったから 先生は、自らの人生の幕をひいたのだと わたしは思ってます。
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この回答へのお礼

回答有難うございます。
>乃木大将の殉死
「先生」及び夏目漱石はこのことに共感したのでしょうか?
私は共感しないのですが、それは太平洋戦争で日本が負けたからだと思います。
この当時は日露戦争が終わったばかりなので、多くの人が共感した可能性はあると思います。

お礼日時:2010/10/13 09:39

「こころ」は動物的な、言い換えれば盲目的な本能を否定するもの。


これは無責任からではない、優しさの限界を示すもの。
人間らしさのように思いました。
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この回答へのお礼

回答有難うございます。

お礼日時:2010/10/13 09:40

思うに、高校の教科書のいずれもが、「先生と遺書」中の先生がKを出し抜いてお嬢さんと婚約し、その後Kが自殺するという箇所を採用してきたがために、多くの読者も、



>結局、「先生」は友人を裏切った良心の呵責に耐えかねて自殺しただけなんでしょうか?

という疑問に囚われざるを得なくなるのではないでしょうか。
そして、いつまでたっても、どこか「結論に納得出来ないものを感じます」という違和感を持ち続けざるを得ないのではないでしょうか。

でも、虚心坦懐に「こころ」全体を読んでみれば、この小説には、質問者さんがおっしゃるように、まさに「将来に対する明るいメッセージ」に満ちていることが浮き彫りになってくるはず、と私には思われてなりません。

思うに、この小説の最大の謎は、先生が、妻にも明かせない、自分の最重要な内奥の秘密を綴った《遺書》を、ほかでもなく、田舎出の、世間知らずで、勝手に先生に魅了され、勝手に先生宅に押しかけ、勝手に先生を師と仰ぐ、やや青臭さく、思慮の浅い、しかし理想家肌の一青年に託そうとしたのはなぜか?という点にあるのではないでしょうか。

で、その前に「「先生」が自殺する原因は?」となると、先生がKを出し抜く形でお嬢さんと婚約したことは、大正以降の日本人の常識的な倫理規範に照らして、特に恥ずべき行為ではないにせよ、「明治の精神」(封建道徳)に照らす限り、許すべからざる行為であったが故に、乃木将軍が明治天皇に殉死したことに触発され、「明治の精神」に殉ずる形で自殺することを選んだと解しうるのではないでしょうか。

ただし、漱石自身となると、「明治の精神」を単純に賛美していたわけでも、時代遅れの旧道徳と蔑んでいたわけでもないことは、「現代日本の開化」からして明らかでしょうね。
「明治の精神」には、封建道徳だけではなく、文明開化と同時に流入してきた個人主義思想も含まれていたはずですが、かつて信頼していた叔父によって父親の遺産を横領され、その後自分を信頼してくれていたKを裏切るという経験をした先生としては、西洋近代思想である個人主義をとても手放しでは容認できなかったはずです。
となると、この自らのエゴイズムを罰するには、やはり「明治の精神」に殉じるという方法しかなかったのではないでしょうか。

その上で、先生が自殺に至るまでの生き様や経緯を告白した遺書を、主人公の「私」に宛てた動機や理由を考えてみますと、主人公がまだ思慮が浅くとも、理想家肌の青年であることからして、先生はこの青年に、自分の精神上の息子として、自分に代わって新しい時代を生きてくれることを期待したのではないでしょうか。
その意味では、先生の遺書には、大正という新時代を生きる青年の指針、成長の糧となって欲しい、という先生の切なる祈念が込められていると言えるのではないでしょうか。

また、「こころ」という小説を、より主人公中心の視点、観点から眺めてみると、主人公が来るべき新時代を自立(自律)して生きていくための、一種の父親殺し(旧思想切り捨て)に通じるモチーフが潜在していると評することもできるかもしれませんね。
さらには、同じような意味で、「こころ」は「三四郎」と同様、主人公の人間的成長過程をテーマにした、一種のBildungsroman(教養小説)に通底する基本性格を持っていると評することもできます。

もし、「こころ」に以上のような解釈の可能性が内在しているとすれば、やはり、漱石の「将来に対する明るいメッセージ」が潜んでいると解してもあながち間違いではないと思います。
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この回答へのお礼

回答有難うございます。

>乃木将軍が明治天皇に殉死したことに触発され、「明治の精神」に殉ずる形で自殺することを選んだと解しうるのではないでしょうか。

太平洋戦争の敗北を知っている現在人には乃木将軍の殉死は肯定仕切れないものを感じますが、当時の人にとっては、途方もなく立派な行為に見えたのかもしれませんね。

お礼日時:2010/10/13 09:54

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