
No.2
- 回答日時:
判例上は、恐らく殺人未遂罪になります。
講学上はいわゆる不能犯における論点です。簡単に言うと、死体に向けて銃弾を撃ち込む行為は、そもそも人の死亡を発生させる危険のない行為であり、殺人の(実行)行為とはいえず、殺人未遂罪すら成立しないのではないかという問題です。
これに関して学説上は客観的危険説やそれを修正したもの、具体的危険説等々に分かれていますが、恐らく細かい学説を聞いているのではないと思いますので、判例の立場であろうと考えられている具体的危険説の立場であれば、行為の危険、今回であれば殺人の危険の有無は、行為者の認識していた事情と、一般人が認識することのできた事情から、一般人が人が死亡するという危険を感じたか否かで判断します。
今回の場合、一般人にも明らかに死んでいると分かるものではなく、普通に寝ていると思われる者に銃弾を撃ち込んでおり、殺人の危険性のある行為といえます。
しかし、その行為から死亡結果が発生したわけではありませんから、他の要件を充足した場合、殺人既遂罪にはならず、殺人未遂罪が成立します。
ちなみに、仮に殺人未遂罪が成立しない場合も、死体損壊罪は成立しません。
死体損壊罪は、死体損壊の故意が必要ですが、今回はそれがなく、またやや学術的な話になりますが、判例の立場である法定的符合説にたっても、殺人罪と死体損壊罪に構成要件の重なり合いがないため、やはり故意はなく、結果として無罪となります(特別法除く)。
この回答へのお礼
お礼日時:2010/11/24 22:58
ご回答ありがとうございます
話は単純ではないのですね
相手が死体であったとしても、寝ている(生きている)と思って殺害行為を働いたのだから殺人未遂になりうるのは、素人的にも納得できます
実際には、司法が判断することですが
でも、専門家でも意外と難しい事案なのかもしれませんね
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