
化学平衡に関する質問です。よろしくお願いします。
化学平衡で質量作用の式を立てる際に水を式に含める
場合と含めない場合があるのはなぜなのですか?
例えば・・・
1)酢酸エチルの合成の場合
C2H5OH + CH3COOH ⇔ CH3COOC2H5 + H2O
平衡定数Ka = [CH3COOC2H5][H2O]/[C2H5OH][CH3COOH]
2)酢酸イオンの加水分解の場合
CH3COO- + H2O ⇔ CH3COOH +OH-
加水分解定数Kh =[CH3COOH][OH-]/[CH3COO-]
ある参考書には 2)のとき、
水溶液内の平衡に関しては[H2O]は平衡定数内に含まれて
いると考えてよい
と書いてありました。
書いてある意味はわかるのですが、なぜ1)の場合には
含まれていないのかがわかりません。
1)は水溶液内の平衡ではないということでしょうか?
この2つの場合に限らず、[H2O]を質量作用の式に
含める場合と含めない場合の違いがおわかりになる方、
いらっしゃいましたら、教えてください。
よろしくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
水が反応・生成する平衡反応の場合、平衡定数には水の濃度[H2O]を含めるのが本来は正しいのです。
しかし、この[H2O]は、平衡反応に関与する水だけでなく、周囲に大量にある水も含めた濃度だということに注意して下さい。
純水1リットルの重量は1000g、分子量は18ですから、純水のH2Oモル濃度は1000/18=55.5Mという、非常に高い濃度です。稀薄な溶質を含む水溶液も水濃度はこれに近い値をもっているはずです。
これに対して、平衡反応によるH2Oの増減は、多くの場合、55.5Mよりはるかに小さく、無視できるので、[H2O]を定数とみなして、平衡定数の中に組み入れてしまいます。
最も簡単な例として、水の電離は
H20 ⇔ H+ + OH-
この反応の平衡定数は
Keq = [H+]*[OH^]/[H2O] = 1.8*10^-16 (25℃)
しかし、この反応によるH2Oの減少は55.5Mに比べて非常に小さくて無視できるので、[H2O]は一定とみなされます。
そこでKeq*[H2O]も一定となるので、これをKwとすれば、
Kw = (1.8*10^-16)*55.5 = 1.0*10^-14
これが水のイオン積と呼ばれるものですね。
この辺のことは、コーン・スタンプ「生化学」(東京化学同人)の第1章に詳しく説明されています。
あくまでも、水の濃度が非常に高くて、反応による増減が無視できる場合に、それを平衡定数に組み入れてよい、ということです。
逆にいえば、溶質の濃度が水の濃度に比べて非常に稀薄である場合、ということです。
おわかりになったでしょうか?
すばらしいです。
とてもよくわかりました。
こういったことって大学に入ってからやるのでしょうか?
だとしたら、とても楽しみです。
東京化学同人の書籍ってよく聞きます。
自分も「化学辞典」と「ブラディ一般化学(上)(下)」
は持っていますが、現在の自分には少々難しいです。
ありがとうございました。
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