A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
#1、#2にある反応について
示されている反応は
2KHSO4⇒K2S2O7+H2O (210℃)
K2S2O7⇒K2SO4+SO3
を利用しています。
最初と最後を結んだ式を書けば
2KHSO4⇒K2SO4+SO3+H2O (1)
になります。
これは教科書に出てくる炭酸塩の反応
2NaHCO3⇒Na2CO3+CO2+H2O
と同じ反応です。(硫酸を加熱しても分解しません。K2S2O7を経由することでH2OとSO3を別々に発生させているのです。)
そういうこことで言うとカリウム塩ではなくてナトリウム塩でも同じ反応が起こるでしょう。
2NaHSO4⇒Na2S2O7+H2O (320℃)
Na2S2O7⇒Na2SO4+SO3
(Na2SO4の方がK2SO4よりも安いだろうと思います。320℃と210℃と分解の起こり始める温度に違いがありますが硫酸アンモニウムの分解温度の方で350℃と設定されているのですから、どういう影響があるかは分かりません。硫酸ナトリウムの融点が結晶水の数によって大きく変わることが使いにくい理由かもしれません。無水物の融点は884℃です。)
これを踏まえて反応式を書くと
(NH4)2SO4⇒(NH4)HSO4+NH3
(NH4)HSO4+K2SO4⇒KHSO4+NH3
ここまでがNH3の追い出し反応です。まとめると
(NH4)2SO4+K2SO4⇒2NH3+2KHSO4 (2)
これに上の式(1)を組み合わせます。
(NH4)2SO4+K2SO4⇒2NH3+SO3+H2O+K2SO4
K2SO4は元に戻っていますから(NH4)2SO3が分解された式になっています。
この反応が可能になったのはNH3が揮発性の塩基だというところに理由があるようです。
K2SO4はもうどうしようもないのです。
加熱しても分解しません。融点は1069℃です。
硫酸ナトリウムもどうしようもないでしょう。
NH3の回収が目的であればCaSO4に変えるのが簡単です。
No.3
- 回答日時:
どういう意味でこういう質問をされたのかがよく分かりません。
なぜ硫酸アンモニウムなのかもよく分かりません。
硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸銅、硫酸鉄、・・・いろいろあります。
高校生がされた質問であれば簡単な反応でという意味になるでしょう。
硝酸を硝酸カリウムから得るのと同じような操作が可能なのかという質問であるような気がします。
そういうことであれば「簡単な方法はない」という回答になります。
硝酸カリウムから硝酸を得る時には硫酸を使います。
どちらも強酸ですが硝酸が揮発性、硫酸が不揮発性であるということが決め手になっています。
KNO3+H2SO4→KHSO4+HNO3
これは教科書に載っている塩酸の製法と同じ内容の反応です。
NaCl+H2SO4→NaHSO4+HCl
こういう反応によく硫酸を使います。
反応の後には硫酸の塩が残ります。これを元に戻すのは難しいのです。
不揮発性の強酸という性質を持った物質の例は少ないです。
産業革命以前からずっと作られて利用されてきています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%AB%E9%85%B8
鉱石として産出する硫酸銅や、硫酸鉄を乾留すると得られるということですが加熱分解でSO3が生じるというのが決め手になっています。
その後、硫黄と硝石を混ぜて燃焼させてSO3を得るという方法になり、硝酸法、鉛室法に繋がっていきます。
硫酸アンモニウムを材料にして硫酸を作るというのは産業革命以前の方法に戻るという事と同じですからから目的がよく分かりません。硫酸の製法が目的ではなくて硫酸アンモニウムのリサイクルが目的であるということかもしれません。#1に示されている特許というのも硫酸の製法としては意味を持ちません。処理に困っている硫酸アンモニウムを何とか利用したいという意味での工夫の一つとしてはあり得るかなという風に感じます。
アンモニアが揮発性であるという事で硫酸鉄の乾留よりもステップ数が多くなってしまうのです。
硫酸カルシウムに変えて石膏として利用する方が簡単です。
(石膏の用途も限られていますからこれでは対応できない状況になっているかもしれません。)
硫酸アンモニウムは肥料として大量に利用されていました。現在は塩化アンモニウムを使っています。
硫酸カルシウムのような水に溶けにくい物質ができれば畑の土が硬くなってしまいます。
現在硫黄は硫黄鉱石から得るということはやっていません。
多くの金属元素の鉱石は硫黄の化合物です。銅、銀、亜鉛、・・・
これらの金属の精錬ではSO2が大量に生じます。
石油の脱硫によって生じる硫黄も大量にあります。
これらの硫黄が硫酸の原料になっています。産業廃棄物の利用です。
硫酸塩から硫酸を作るというのも廃棄物処理の問題になるかもしれませんが処理に必要なエネルギーに大きな違いがあります。
No.2
- 回答日時:
ばらばらになったので、つぎでどうか。
NH3↑ NH3↑ ? K2SO4
(NH4)2SO4 → (NH4)HSO4 → KHSO4 → SO3 → H2SO4
350℃ ↑350℃ 600℃ ↑
K2SO4 H2O
No.1
- 回答日時:
下記のようなプロセス(Huter (German Patent 1,151,492))で、できるようだが、温度範囲の狭い高温加熱やエネルギー消費などで実用的ではないという。
他にもいくつか特許などあるようだが、効率よくできれば、需要はあるらしい。
NH3↑ NH3↑ ? K2SO4
(NH4)2SO4 → (NH4)HSO4 → KHSO4 → SO3 → H2SO4
350℃ ↑ 350℃ 600℃ ↑
K2SO4 H2O
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