激凹みから立ち直る方法

 「水素が建屋になぜある?」という質問がありました。解決済みになっていますが、得心がいきません。炉心でジルコニウムと反応して水素が生成されたのが正しいとして、また、水素が隙間をすり抜けるとして、なぜ鋼鉄製の圧力容器や格納容器は漏れて、コンクリート製の建屋からは漏れないのか、分かりません。建屋からも漏れたら大気中に拡散して爆発しなかろうに。1~4号機ともに、核燃料貯蔵プールが水素の発生場所なのではないのでしょうか? とすると、水素発生に超高温は必要ないことになるのか? 水素の挙動がまったく分かりません。

A 回答 (4件)

QNo.6597663「密閉容器から水素が漏れる理由」


と類似の質問のようです。

上記質問の回答にも書きましたが、
質問者の疑問は当然と思います。

1.「どこから水素がきたか」
格納容器や圧力容器に損傷はなく、外部に接続されている配管にも損傷がなければ、水素が原子炉燃料棒と水との反応で発生したとしても、建屋には絶対にたまりません。水素の分子量が小さくても、圧力容器や格納容器、配管の器壁を通して建屋を吹き飛ばすような水素が漏れだすことは絶対にありません。それが可能なら水素ガスボンベは使い物になりません。

原子炉の圧力が上がって、圧力容器内の水蒸気や、発生した水素があるとして、それらをベントで抜いても、建屋には絶対に水素はたまりません。写真を見ればわかるようにこれらのガスは、建屋の隣に設置された排気塔から排出されるはずです。

2.「どこで発生した水素か」
格納容器や圧力容器、外部に接続されている配管に損傷がなければ、建屋にたまった水素は、建屋内の開放された部分からの発生とするしかありません。とすれば、質問者の言われるように核燃料貯蔵プールが水素の発生場所として妥当と思われます。単なる水の熱分解で水素を発生させるとすれば、3000℃程度以上の温度が必要のようですが、使用済み核燃料が、そこまで温度上昇して水蒸気と接触した様子がないとすれば、単なる熱分解ではないでしょう。あるいは、部分的に高温になっていたことも考えられますが。水は常温でもある種の金属(アルカリ・アルカリ土類金属など)と反応して水素を発生します。温度が上がれば、「超高温」でなくても金属と反応するので、ジルコニウムとだけとは限定できないかもしれません。
また、水は放射線によっても分解して水素を発生することをつけくわえておきます。

3.「格納容器や圧力容器、外部に接続されている配管のどこかにに損傷がある」
使用済み核燃料プールに可能性がなければ、これを考えざるを得ません。

4.「専門家のいうことだけではダメだ」 
東電、保安院、政府、専門家の発表や見解では、まるで明らかにはならない。彼らもいまだに原因をつかめていないと思われるので、どこが原因かははっきりしないのだろう。それでも何かつじつまの合うような話をしてもらいたいものだが。
同様に、ここのQAサイトの回答も合理的でないものが多数見受けられるようだ。

原子炉燃料や使用済み燃料の温度が上がって溶けたら、なぜ困るのか、それすら説明がない。溶けただけでは放射性物質は飛散などしないはずだ。3000℃以上の高温で溶けるから飛散するようになるのだろう。500℃くらいで溶けるようにしといたらどうだ。

最後は質問とは関係なかったか。

ttp://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/kakunou/5/ssiryo2.pdf
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この回答へのお礼

 ありがとうございます。私の疑問の所在と同じようです。
 この10日間に、核分裂停止したがLOCAとなった原子炉および建屋内部で、何が起こったのかは、今後の検証に待ちたいと思います。

 検証する人は、予断を持たず、事実のみを報告し、そのデータの分析者も我田引水することなく、分からないことは分からないといってほしいですね。

 とりあえず、少なくとも沸騰水型の軽水炉は、使用済み核燃料の処理だけでなく、地震対策のコストを考えると、経済的には合わないですね。

 私は、大気中にいくらでも(とは言いませんが)、CO2を排出することに気を揉みませんし、そんなことを金融商品にする社会を軽蔑しています。でも、放射性物質は別です。金をかければ制御できるかもしれない。でも、別線からの報酬がなければペイしないほどコスト高である。

 それって、つまり、「戦争」ですな。

 とりあえず、この質問は閉じて、今後のなりゆきを見たいと思います。
 ありがとうございました。

お礼日時:2011/03/21 21:53

まず、圧力隔壁、格納容器の気密性と建屋の気密性はレベルが異なります。


建屋は一般のマンションの部屋よりちょっと気密性が高いだけでしょう。

通常では圧力隔壁や格納容器は完全に密閉されていますが、内部が高圧に
なるとH2は少し隔壁を通ります。これはH2分子の大きさが鉄原子より
もかなり小さく、高圧では鉄原子の隙間に潜り込むためです。
ですから、水蒸気や酸素などは漏れませんが水素のみが漏れるのです。
子供の頃に貰ったヘリウム入りの浮かぶ風船がしぼみやすいのも
同じ理由です。
※水素燃料電池で水素の保管が難しいのはこの理由です。
 そのため、水素吸収合金などが開発されています。

また、水素は高温条件では水素を含むいろんな物質から発生します。
ジルコニウムの還元反応だけで発生したものではないでしょう。
これは高温にするとエントロピーが増える方向に反応が進むためで、
基本的には分子数が増える方向に反応が進みます。
以下のように水だけでも分解しますし、炭素棒(制御棒)と反応するもの
もあるでしょう。
2H2O → 2H2 + O2
2H2O + C → 2H2 + CO2
建屋内の温度が上がって、建家の建材と反応した水蒸気や、分解した有機物
から発生した水素もあると思います。

これらが建屋の上部にたまります。先程書いたように、建屋の密閉性は
それほど高くないのですが、それでも水素は上部に貯まりやすく、また
水素は爆発限界濃度が広い(4~75%)ので爆発したのでしょう。
これは建屋の上部が吹き飛んでいることからもわかると思います。
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この回答へのお礼

 ありがとうございます。
 水素がステンレススチールに浸漬し、反対側から露出する、つまり、透過することは分かりました。
 ですから、炉心でジルコニウムの酸化反応で生成した水素が、圧力隔壁を透過し、さらに、格納容器も透過し、建屋の内部に充満することは、可能性としては否定できないと思います。
 少なくとも、「配管のスキマから漏れた」よりは、納得できます。配管のスキマなら、水蒸気だって通過しますよねえ。

 それでも、なお、数年前の浜岡原発1号炉の配管水素爆発での知見が生かされていないように、沸騰水型の設計者も運用者も、「水素の挙動」については、ノーケアだったのではないかと思っています。

 スチールの容器透過も可能性としてあれば、4号炉のように、炉内に燃料がない場合でも、(水素爆発とはされていないかもしれないが)、白煙が発生などの現象が起きていることを考えると、燃料プールの中で、水素爆発へつながるなんらかの反応が起こっている可能性も排除できないように思えます。そして、それらの事象は、日立も東芝も東電も認識できていないように思えます。

 この質問について、回答を求めることはいったん終え、しばらく様子をみます。

 たいへんありがとうございました。

お礼日時:2011/03/21 21:44

報道解説で仕入れた知識ですが(つまり報道でもこれくらいの情報は発信されているはずですが)、



通常であれば、原子炉とその中を循環する一次冷却水管系は密閉されていますが、冷却水がとまって、内部の蒸気圧が異常にあがったため、原子炉の破損を防ぐ目的等で、圧抜き弁(ベント)を開いて、内部の気体を逃がしているためです。原子炉本体ほどではないですが、建屋はある程度閉鎖されていますから、その中に水素ガスがたまったんです。なので、その後、吹き飛んでいない建屋には、水素がたまるのを防ぐために、天井に穴を開ける作業がおこなわれましたね。

原子炉の中が水素の発生源ですが、原子炉内部には酸素が無いので爆発することはありません。また、内部の気体を逃がしているため、汚染した水蒸気によって放射性物質が外部に拡散しているので、いま、騒ぎになっているのです。

この回答への補足

 ご回答ありがとうございます。ただ、またしても、私の質問が誤解されているようです。

 まず、ベントとは、格納容器内の雰囲気を直接、外気に排出するものです。建屋内に出すわけではありません。したがって、配管などからの漏れがない限り、建屋に水素はたまらない。かりに、配管からの漏れがあるのであれば、ベントをする前から建屋に水素がたまっていることになる。

 水素ガスがたまった天井を穿孔しようが、それは質問とは関係ありません。
 Mr spockさんは、その天井穴から逃すべき水素を、炉内でジルコニウムが水蒸気を還元して生成したものということに疑問を感じておられないようですが、繰り返しますが、私の質問の疑問の所在はまさに、その点なのです。

 「報道で、これくらいの情報は発信されているはず」というご指摘です。しかし、いまだに、なぜ、水素が漏れたのかの報道解説はないようです。テレビの解説者は、「なぜか建屋内に漏れた」「理由は不明だが」といった按配です。

 とすれば、
 ■圧力容器や格納容器は、水蒸気は漏らさないが、水素は漏らすのか。

 この命題に疑問があるのです。たしかに、水素(原子か、分子か、重水素か、どういう形態で水素が漏れようとしているのか分かりませんが)は、水分子よりは小さいでしょう。それでも私は、どっちも漏らさないだろうと思っているのです。

 なお、「原子炉内部には酸素が無いので爆発することはありません」は間違いでは。炉内には水がありますから、酸素もあります。そして、炉内では日常的に水素爆発が起きていることでしょう。もちろん、通常運転時には、その水素爆発など、炉内で何の影響もなかったことでしょう。

補足日時:2011/03/21 12:45
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水素爆発を起こす状況を作るには、室内に水素がある程度の量あるだけでじゅうぶんで、部屋から漏れ出していたとしても、そこに水素と酸素があり点火する火種があればじゅうぶんです。

一般のガス爆発でも特に密閉された部屋ではなくても、そこにガスがある程度異常存在してさえいればたとえドアや窓が開いていたとしても起こります。

爆発を起こすためには密閉された部屋である必用はなく、水素と酸素が混合されて燃焼に必用な条件さえ満たせば開放された空間でもおこります。

この回答への補足

 さっそくのご回答ありがとうございます。
 たしかに、密閉されていなくても水素爆発が起こるのは理解できます。質問を記述している際も分かっていましたが、あえて書いたのは、この質問のテーマは「どこから来たか」だったからです。つまり、水素が鋼鉄を漏れるんだったら、もっと漏れやすいコンクリートはもっと・・・ということを提示して、「水素は炉心から来たのではない」ことを主張したかったんです。
 したがって、せっかくのご回答ですが、(質問の仕方が悪かった私の責任ですが)、質問のテーマに当りませんでした。恐縮です。

 ■質問者の推測(妄想)では、「燃料貯蔵プールの水位が下がり、燃料棒が露出した時点で、低温の環境下でも、放射線による水蒸気の分解が起きて、水素が発生したのではないか」というものです。
 なお、水素は(圧力容器、格納容器はもちろん)、建屋からも漏れ出ることはなかったと思います。
 (そう考えているのに、どうして、あんな質問の仕方をしたのかというお叱りは甘んじて受けるしかないが、逆説的な質問をしたつもりでしたが、やっぱり誤解されました)

 ■の推測(妄想)を担保していただける見解をお持ちの方はいらっしゃいませんか。
(この推測が正しいとすると、テレビで解説している専門家はすべて、インチキをしゃべっているか、無知ということになりゃしませんかね)

補足日時:2011/03/21 09:36
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