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数式はともかく、化学ポテンシャル、カノニカル集団、グランドカノニカル集団、というのが(1)結局何のことなのか、(2)なんのためにあるのか、ということがビビッとこないのですが、分かりやすく教えていただけないでしょうか。

概念の説明がむちゃくちゃ分かりやすい本、というのでもいいです。

A 回答 (1件)

回答がないので、以下に大雑把な議論をします。

ただし怪しい議論をしている可能性も多分にあると思いますので(笑い)、注意して読んでくださいね。あくまでザクッと概念を把握するというスタンスで、厳密な議論は然るべきテキストを参照してください。
●化学ポテンシャル・・・系に粒子を1個付け加えるのに必要な最少の自由エネルギーと定義されています(←これも結構抽象的な表現ですが、(2)式を睨んでイメージを掴んでください)。
[例]定温・定圧下での2相平衡条件は系の自由エネルギーをGとすると
δG=0  (1)
で表されますね。この系を構成する粒子が2つの相の間を行き来し得るときのGの微小変化は
dG=Vdp-Sdt+μ1dN1+μ2dN2   (2)
と書けます。ここでμi,Niはi成分の化学ポテンシャルと粒子数です。定温、定圧下での全粒子数(N1+N2)が不変という条件下では (1)と(2)より
μ1dN1+μ2dN2=0  (3)
d(N1+N2)=0  (4)
となりますから、
μ1=μ2  (5)
つまり双方の化学ポテンシャルが等しいことが2相平衡の条件となります(→化学反応では反応系と生成系の化学ポテンシャルの差により反応が生じ、両系の化学ポテンシャルが等しくなった時点で化学平衡が成り立ちます)。
<ミクロカノニカル集団>
熱的にも力学的にも外部から遮断されており(孤立系)、全エネルギーが一定(物質の出入りがないので粒子数も一定)。この集団の統計力学的分布をミクロカノニカル分布と呼んでいます。この集団は統計力学の基礎をなすもので、以下に述べる系も結局この集団の考えがベースとなっています。
<カノニカル集団>
熱的に外部(温度Tの熱浴と呼んだりする)と接触しており、粒子数は一定であるが系のエネルギーは絶えず外部と熱のやり取りをするので一定でない集団。しかし、熱浴も取り込んだ全体の系では孤立系をなすとみなされるので、ミクロカノニカル分布の考えが適用できると考えます。
<グランドカノニカル集団>
熱的に外部(温度Tの熱浴)と接触しており、さらに粒子数も一定でない集団。この場合も熱浴を取り込んだ全体の系は孤立系をなすとみなされるので、ミクロカノニカル分布が適用できると考えます。
結局、現実の系というのはグランドカノニカル集団になると思いますが、これを数学的にうまく記述するのにミクロカノニカル集団(物理的にシンプルで理論構成が容易)の考えを敷衍するということだと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
がんばって読んでいます。

お礼日時:2003/11/01 14:51

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