はじめまして。
最近、物理系の雑学の本を読んでいます。
物理に関する知識が全くないので、何がどう関連しているのかわかりません。
簡単な言葉でご説明を頂けることを望んでおります。
物質の基本構造を明らかにするために、物質をどんどん細分化していくと、その構成要素として素粒子の世界に到達するそうですね?
それで、物質は3種の素粒子(陽子、中性子、電子)とそれに作用する4つの力(電磁力、強い力、弱い力、重力)によって成り立っているそうですが、この素粒子について、
実証派は「波または粒子」
実在派は「波と粒子」
いずれにしても素粒子は、波の性質と粒子としての性質を持ち合わせているそうですが、
粒子ということは、実体があるということなんでしょうか?
波ということは、実体がないということなんでしょうか?
フォン・ノイマンが「人間の意識が観測した瞬間に波束が収縮する」というような、量子力学の観測問題への見解の一つを述べられたようですが。。。
何らかの物理量の周期的変化が媒体を伝わるときに表われる現象が波だと思っていたのですが、物理量ということはエネルギーと解釈して良いのでしょうか?
水面に石を投じた時、石の落ちた一点を中心に、波形が全体へと一様に伝わっていくものなのかと思っていましたが、波束が収縮するということは、何らかの条件があった時には、波が特異的に集まる(?)ということなのでしょうか?
それが、計測方法を変えると粒子が飛んできたように一点に集まって見えてしまうということなんでしょうか?
電子を一個ずつ打ちだして二つのスリットを通し、その先でどの場所に電子が到達したかを検出する実験で。。。
測定器を使って観測しない時は、上のスリットを通った世界と下のスリットを通った世界が同時に存在し、干渉しあう。
測定器を使って観測すると、上のスリットを通って上の測定器に痕跡を残した世界と、下のスリットを通ったので上の測定器に痕跡を残さなかった世界のどちらか一つだけが選択されるそうですが、
この選択された世界が明在系ということでしょうか?
選択されなかった世界が暗在系ということでしょうか?
そして、これが、複数の世界が干渉し合いながら存在し、同時進行しているというパラレルワールドなんでしょうか?
話が前後してしまいますが、
波と波動では、定義というか言葉の意味が変わってしまうのでしょうか?
今読んでいる量子論と超弦理論の雑学本には、波という言葉は見かけますが、波動という言葉は見かけません。
でも、波動関数という言葉はあります。
時々、耳にする「波動」という言葉は、物理の教科書にでてくる「波」とは違うものなのでしょうか?
見当違いの質問をしていましたら申し訳ありません。
わかったようで、わからないのです。
なんとも不思議な世界を垣間みてしまったように感じています。
宜しくお願い致します。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
独学で物理の勉強ですか? 物理の面白さを知ってもらえたら嬉しいです。そこで一言。読む本を選ばないと「トンデモ科学」を勉強してしまうことになります。基本からちゃんと書いてある本を読んで下さい。そうすれば体系づけて物理が理解できます。もちろんいろんな分野の関連も分かります。
さて、いくつかコメントしたいと思います。
>物質は3種の素粒子(陽子、中性子、電子)
50年くらいの前の概念ではそうですが、現在はクォークとレプトンが物質を作る主要な素粒子と考えられています。陽子や中性子はクォークからできておりもはや「素粒子」ではないとも言えます。これに対して電子はそれ自体、レプトンと呼ばれる種類の素粒子です。レプトンには電子のほかに、ミュー粒子とタウ粒子があります。さらにこれら3つのレプトンに対応するニュートリノ(電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノ)もレプトンです。
>4つの力(電磁力、強い力、弱い力、重力)
力はある種の粒子の交換により生じると考えられています。これら4つの力に対応して、光子、中間子、ウィークボソン、グラビトンがあります。このうち中間子はクォークから成り立っています。ウィークボソンにはWとZがあります。
>粒子ということは、実体があるということなんでしょうか?
>波ということは、実体がないということなんでしょうか?
何を持って実体と呼ぶかにもよりますが、波でも実体のある波もあります。「素粒子が波や粒子である」という時の波は「素粒子の存在確率が波のように広がっている」という意味です(「波動関数の確率解釈」と呼ばれるメジャーな解釈によると)。「確率波」や「確率振幅」などで検索してみてください。一方、「素粒子が粒子である」という意味は「素粒子を観測すると、ひとつふたつと数えられる」という意味です。
>何らかの物理量の周期的変化が媒体を伝わるときに表われる現象が波だと思っていたのですが、物理量ということはエネルギーと解釈して良いのでしょうか?
「物理量」という言葉が「観測量(オブザーバブル)」を意味するとすれば、波のすべてが物理量の周期的変化ではありません(直接は観測できない波がある)。上記の「確率波」はそれ自体それ自体観測できません(「観測量」ではない)が、「確率波」はその2乗が粒子の存在確率を与えるものです。
また波でも伝わる(進行する)波だけでなく、ギターの弦の波のようにじっとしている波(定常波)があります。確率波でも静止している粒子の波は定常波です。
物理量、すなわちエネルギーではありません。さまざまな物理量があります。質量、運動量、角運動量などなど。
>水面に石を投じた時、石の落ちた一点を中心に、波形が全体へと一様
に伝わっていくものなのかと思っていましたが、波束が収縮するということは、何らかの条件があった時には、波が特異的に集まる(?)ということなのでしょうか?
上に述べたように、波には進行波も定常波もありますから、伝わっていくものとは限りません。確率波の収縮とは、観測以前には空間的に広がっていた粒子の存在確率が、観測によって粒子の位置が空間の一点に定まる、すなわち広がっていた確率波が収縮するという意味です。
>それが、計測方法を変えると粒子が飛んできたように一点に集まって見えてしまうということなんでしょうか?
飛んでいるにせよ(進行波)、止まっているにせよ(定常波)、観測によって粒子の位置が一点に定まります。すなわち確率波は一点に集まります。
>フォン・ノイマンが「人間の意識が観測した瞬間に波束が収縮する」というような、量子力学の観測問題への見解の一つを述べられたようですが。。。
観測問題はかなり奥が深いです。観測を行なったとき、どの段階で確率波の収縮が起こるかは議論の分かれるところです。観測機器が観測したときなのか、観測機器からの情報が人間の(たとえば)目に入ったときなのか、目に入った情報が脳に伝えられて意識されたときなのか。
さらには、このような瞬間的な収縮は無限大の速さで起こり当然ながら光速を超えるため、確率波の収縮自体がおかしいという考えもあります。その場合、粒子のもつ波は確率波と解釈する「確率解釈」でなく、別の解釈が与えられます。
>測定器を使って観測しない時は、上のスリットを通った世界と下のスリットを通った世界が同時に存在し、干渉しあう。
これは「波動関数の多世界解釈」と呼ばれるひとつの解釈で、エヴェレットらによって主張されているものです。
>この選択された世界が明在系ということでしょうか?
>選択されなかった世界が暗在系ということでしょうか?
「明在系」「暗在系」という概念は量子力学の解釈問題・観測問題の研究者であるボームによって創出されたものです。
確率解釈では観測の結果は確率的ですが、このような一種の曖昧さが起こるのは実は我々が知らない(まだ理論化されていないような、永遠に知ることができない)「隠れた変数」があるからであって、完全な理論が確立されればすべての現象は決定的である、という考え方があります。ボームはこの「隠れた変数」派のひとりであり、「粒子の波は(確率波ではなく)実体を持ったパイロット波というものである」「パイロット波は粒子の存在・運動をガイドする一種の場である」」と考えました。
このような「隠れた変数」が存在するという考え方は、我々が知覚できる世界=明在系以外に、我々が知覚できない世界=暗在系が存在するという考えにつながります。そしてこの考え方が一人歩きして(科学者の手を離れて)「あの世」の存在や霊魂やUFOの正当性に使われています(これは科学ではなく、ドンデモ科学です)。
なお、ボームらの「隠れた変数」による量子論は、ベルの定理およびその実証としてのアスペらの実験により、明確に否定されています。
>そして、これが、複数の世界が干渉し合いながら存在し、同時進行しているというパラレルワールドなんでしょうか?
普通、先に述べたエヴェレットの「多世界解釈」において、実際に観測された世界と観測されなかったが存在する世界をもってパラレルワールドと呼びます。ボームの明在系-暗在系はパラレルワールドと呼ぶことは少ないです。
>話が前後してしまいますが、
>波と波動では、定義というか言葉の意味が変わってしまうのでしょうか?
同じです。
>実証派は「波または粒子」
>実在派は「波と粒子」
実証派は実際に観測される物理量(観測量)を基準に解釈を行ないますから、粒子の波の「確率解釈」に組する人々です。この「確率解釈」派の最たる人々が「コペンハーゲン派」と呼ばれる一派です。現在では「確率解釈」は正しいが「コペンハーゲン派」の考えは行き過ぎであるという研究者が多いようです。
実在派は粒子が確率に従うような曖昧なものではない、人間の観測にかかわらず物理現象は実在するという考え方の人々です。したがって「隠れた変数」派です。
超弦理論なども非常に面白い話ですね。しかしこれは霊魂などの「不思議な世界」ではなく、素粒子としてなぜ多くの種類のものがあるか(なぜ多くの種類のクォークと、さまざまなレプトンがあるのか)に答えるものです。現在ではより一般的な「M理論」が研究されています。
こんにちは。
今回は、丁寧なご説明をありがとうございました。
粒子はピンポン玉、波は水面に広がる波形を連想していたことが、間違いのはじまりだったことに気付きました。
観測しない時にはウネウネした波で、観測した時はピンポン玉になってしまうのは何故だろう?と一人で不思議な世界に迷い込んでいたようです。
言葉の意味するものが違うのですから、当然といえば当然かもしれません。
言葉に内包されている意味を、丁寧にご説明くださいましたことで、間違いに気付きました。
物理は難解な数式が並んでいて理解しにくい分野のように感じていましたが、本当はとてもワクワクさせる分野なのですね。
数式によって表現される理論の中に、洗練された「ある種の美しさ」が秘められているようにも感じました。
数式が何を意味しているのか、その中でどのような理論が展開されているのかが理解出来ないことがとても残念です。
お教えくださったキーワードをもとに、検索をしました。
もっと詳しいことを知りたくなりましたが、今は、その気持ちを抑えて、物理の流れが分かるような基本的な本を読んでみることにしました。
お陰さまで、物理への興味が増々強くなりました。
ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
No.2です。
>粒子はピンポン玉、波は水面に広がる波形を連想していたことが、間違いのはじまりだったことに気付きました。
前の回答に書いたように、物理では
・粒子: ひとつふたつと数えられるもの
・波(波動): 空間的に広がっていてプラスとマイナスの変化があるもの
です。このようなことは物理の啓蒙書に書いてあります。
>物理は難解な数式が並んでいて理解しにくい分野のように感じていましたが、本当はとてもワクワクさせる分野なのですね。
そうですね。
「物理は数学ばかりで難しくて退屈で嫌い」
という理科離れが言われてから久しいですが、これは高校理科が受験テクニックに走り過ぎているからです。物理の本質は数学ではなく、面白いものなのです。しばしば「数学も分からないで物理を語るな」などと言う中途半端な専門家がいますが、数学なしで理解できる物理も多くあります。もちろんきちんと理解するには数学は欠かせません(数学は物理の言葉です)。
しかし本当に物理が分かっている人は数式なしで専門外の人に物理を語れるはずです。朝永振一郎とともにノーベル物理学賞を受賞したファインマンがその典型です。ファインマンの功績のひとつはそれまで手に負えないほど複雑難解冗長だった数式を
「ファインマンダイアグラム」
と呼ばれる絵で表したことです。
>数式によって表現される理論の中に、洗練された「ある種の美しさ」が秘められているようにも感じました。
そうですか。数式を美しいと感じるのは専門家だけではないようですね。確かに美しい理論の根本的な部分の多くは簡潔な数式で表されたりします。そこから派生する応用は複雑な式になることがしばしばですが。また非常に複雑で難解な数式でしか本質を表せないような物理理論もあります。
>数式が何を意味しているのか、その中でどのような理論が展開されているのかが理解出来ないことがとても残念です。
そうですね。でも上で書いたように、物理の多くの分野が数式なしで理論の展開(筋道)を理解することが可能です。筋道だけ理解するには数式が必要ないことが多いですから、読む本によってはある程度物理を楽しむことができます。
>もっと詳しいことを知りたくなりましたが、今は、その気持ちを抑えて、物理の流れが分かるような基本的な本を読んでみることにしました。
>もし宜しければ、物理の基本的な流れが分かるようなもので、お勧めの本がございましたらお教え頂けますか?
物理と言ってもいろいろな分野がありますからねぇ。それぞれの分野で面白い本、退屈な本、難解な本、平易な本があります。また勉強とはいろいろな本を自分で探して自分に合った本を見つけることです。
こんにちの大学では教師がシラバスと呼ばれる授業方針説明を学生に提示し、そこで参考書を紹介していますが、これにより落ちこぼれも少なくなった代わりに自分でいろいろ勉強してやろうという学生もほとんどいなくなりました。これはシラバス、さらには大学・教育改革の光と影です。
質問者さんも書店や図書館に行って自分に合った本を探すことをお勧めします。ブルーバックスなどから始めるのもひとつかもしれません。
こんにちは。
二度目のコメントをありがとうございます。
日常生活の中に現われる現象、体験などを通して何を感じ、何を思うのかは人それぞれだと思いますが、そこで感じた感覚や疑問に対して、日常的な視点と科学的な視点を対比させることで、科学的な思考や観点の特徴を知る楽しみを感じられたなら、同じ事象に対する感じ方も変わってくるのかもしれません。
ただ、科学といっても、色々な情報が溢れていて、意図的に本質から離れてしまっているようなものがあるように感じることもあります。
また、本が本来の理論を伝えているにも関わらず、伝えようとしている側の前提知識と読む側の基本的な知識の差が、思いもよらない解釈を呼び起こすことがあることも実感しました。
知ることの楽しさや本質を伝えたいと願う人がいる限り、その種子は必ず相手に届いていることを信じたいところです。
ただ、いつ発芽するか分からないだけなのだと。。。
今回は、色々とコメントをありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
1点だけ。
時々、耳にする「波動」という言葉は物理で言う波とか、波動方程式の「波動」とは関係有りません。詐欺師のキャッチフレーズというか、、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A2%E5%8B%95
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A2%E5%8B%95_ …
早速のご回答をありがとうございます。
お教え頂きましたサイトを拝見させて頂きました。
同じ文字なのに、使われる方というか、何を意図するかによって、意味が変わってしまうのですね。
学術的な意味ではない「波動」の説明中に「波動砲」という言葉があり、宇宙戦艦ヤマトを思い出しました。
妙に納得してしまいました。
お陰様で疑問が一つ解決しました。
ありがとうございました。
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