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数年前に4018607でETFとETNの違いについての質問があり、現物の裏付けがあるのがETFで、そうでないのがETNという回答がなされていました。
たしかに、教科書にはそう書かれています。しかし、日本では、東証でも大証でも、特に海外資産に投資するETFの過半数は、指数連動債券や先物等のデリバティブの組み入れで運用しており、これらは現物の裏付けではなく、誰かの信用で成り立っているものです。例えば、東証では1325ブラジルボベスパ指数ETF,1678インド株式指数ETF,1680先進国株価指数ETFなど、大証では1328金連動債券ETF等が挙げられます。私は、日本では、このようなものでもETFと呼ぶんだ。そういう定義なんだと思っていました。
ところが、最近、東証では新たにETNという分類をつくり、iPath社の商品を上場させました。2021商品指数連動、2029VIX中期先物連動です。来月にはさらに多くのETN?を上場させるそうです。
そこで、私は日本でのETFとETNの違い、その定義が分からなくなりました。どなたか、お教えください。なお、東証に問い合わせましたが、金取法がどうのこうのと言って、私には理解できませんでした。

A 回答 (3件)

ひとことで言えば組成方法の違いですが、疑問に思われるのもごもっともです。



ETFは当初「金のような現物資産を小口で株のように売買できる」という(誤解を招く)ふれこみで登場しましたした。(証券会社や運用会社というより理解の浅い報道によって)

東証のサイトには今現在こんな文言が載っています。
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【注意点】信用リスク
ETFは裏付けとなる現物資産を保有し、その資産は信託銀行に保管されているため、たとえETFの組成会社が破綻しても投資家が投資した資産は保全されます
(その場合は、資産価値が減少することもあります。)。
また、資産の保管先である信託銀行が破綻した場合でも、ETFの資産と信託銀行の資産を分別管理することが法律で義務付けられているため、やはり投資家が投資した資産は保全されます。
一方、ETNは現物の裏付資産を有さず、発行体の金融機関の信用力をもとに発行されているため、発行体の倒産や財務状況の悪化等の影響により、ETNの価格が下落する又は無価値となることがありますので、こうした発行体の信用リスクについては十分に留意する必要があります。
http://www.tse.or.jp/rules/etf/etninfo.html
---------------------------

ふつう「裏付けとなる現物資産」と言われたら、「現物株や現物の商品に投資しているんだろうな」と思ってしまいます。(「思うのは勝手だ」と言われたらそれまでですが)

しかし、指数や金の「値動き」に連動する「リンク債」を購入したり、「先物」を購入したりするものもEFTです。
つまり、ここで言う「裏付けとなる現物資産」とは「リンク債」の現物であり、「先物取引のポジション」という意味での現物と解釈できます。

大証も同様でいまささらHPで以下のような説明をしていますが、私の記憶が正しければETF上場当初はこんな区別はしていませんでした。

『ETFとは』>ETFの運用方法
http://www.ose.or.jp/stock/424
>株式バスケット型
>リンク債型
>デリバティブ型

特に【1328】「金価格連動型上場投資信託」を金現物の裏づけがあると勘違いしている投資家は多く、明らかに説明不足でした。
「目論見書を読まないのが悪い」のは当然ですが、マスコミが「ETFで気軽に金投資」などとあちこちで紹介していた以上、「リンク債型」であることぐらいは分かりやすく注意喚起しても良かったはずです。それをしなかったのは「ETFの定着(売買の増加)」を優先したと取られてもしょうがないでしょう。
マスコミもグルとは言いません。(裏が取れませんし、記者の理解不足かもしれません。)

もちろんETFについて詳しく紹介する記事も多くありました。
これは2年以上前の記事です。
『ETFとETNの違い』
http://media.yucasee.jp/s/31/19/ETF%E3%81%A8ETN% …
(ETFとETNの組成の違いはともかくETFの実態について注意喚起しています。)

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なお、言葉尻をとらえて東証や大証を批判しても「解釈の違い」と言われてしまうだけです。

【ETF】は「Exchange Traded Fund」の略です。
Exchangeは「取引所」、Traded Fundは「上場投資信託」というように訳せます。
つまり「(金などの)現物保有」という意味はまったくないので、「よく理解していないマスコミが悪い」「それを真に受けた投資家が悪い」とも言えるわけです。(道義上どうなのかはまた別の問題です。)

【ETN】は「Exchange Traded Note」
Noteには「債券」という意味がありますので誤解は生じにくく、曖昧な宣伝活動はできないわけです。

なお、ETNが登場したことで誤解が深まる可能性もあります。
質問者の方もいまさら「ETNがついに登場」と報道されていることに違和感を持たれたのだと思います。

「ETFは裏付けとなる現物資産を保有し」
「ETNは現物の裏付資産を有さず」

と違いを説明されてしまうと、「じゃあETFのほうが安全そうでいいや」と思う人は多いでしょう。
しかし、「リンク債型のETFとETNはどちらが安全(有利)か?」という疑問に単純な答えはありません。

残念ながら、一度広まった誤解は完全には解けないと思います。

おかしな点、または疑問点がありましたら補足願います。
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この回答へのお礼

丁寧な回答を有難うございました。やっと分かりました。
東証、大証があいまいにしていたところに、さらにETNを形成したことにより、ますますややこしくなったようです。
私が気にするのは、ETFの対象物の価格が大きく変動したときに(例えば価格が10倍)、その価格変動リスクを誰がかぶるかです。私の理解では以下のようになります。間違っていたら指摘してください。

1)現物保有ETF: 現物保有なので基本的にリスクはない。
2)デリバティブ(先物、オプション)運用ETF: 価格変動リスクはオプション市場から回収する。回収しきれない時は、ETF保有者の損となる。
3)リンク債ETF: 価格変動リスクは、拠出信託分を当て、それを超える場合はリンク債発行者が負担する。負担しきれない時(倒産等)はETF保有者の損になる。
4)ETN: 価格変動リスクは、ETN発行者が負担する。負担しきれない時(倒産等)は、ETN保有者の損になる。
これで良いでしょうか? 間違っていませんか。東証はこの程度の説明をしてほしいものです。

お礼日時:2011/08/27 16:53

再投稿もないようなのでサポートにお願いして追加してもらいました。


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以下、ちょっと長いですが、ETFとETNの概略を書いてみたいと思います。
証券である株よりも「金」のほうが分かりやすいので仮想の金ETFとします。

(前置きです)
※運用会社(ETF発行会社)→売買の指示とETF発行
※信託会社→資産を分別管理、運用会社の指示に従い運用(売買)
※受益権(わかりやすく所有権とします)
※価格変動リスクは直接現物を保有しても原則同じなので言及しない
※ETF・ETN特有のリスク以外のリスクもほぼ省略

なお、Web上の情報をもとにしていますので、ETF発行会社と信託会社間の正確な実務手順はよくわかりません。

【ETF】
---------------------------------
●[現物保有型]

金現物
 ↓
運用会社の指示により信託会社が現物を購入・分別保管
 ↓
金現物の所有権は投資家
(運用会社、信託会社の信用リスクなし)

---------------------------------
●[リンク債型]

リンク債発行体が金価格連動のリンク債券発行
 ↓
運用会社の指示により信託会社がリンク債購入、分別管理
 ↓
リンク債の所有権は投資家
(ETF発行会社、信託会社の信用リスクなし)
(リンク債のデフォルトリスク有り)★
※金価格の上昇による償還資金の確保は発行体の裁量により先物やオプションにてヘッジされるとは思いますがむろん義務ではありません。

---------------------------------
●[デリバティブ型]

デリバティブ市場(金先物など)
 ↓
運用会社の指示により信託会社がポジション保有、分別管理
 ↓
デリバティブポジションの所有権(保有者)は投資家
(運用会社、信託会社の信用リスクなし)
※デリバティブ市場特有のリスクは後述
---------------------------------

続いてETNですが、ETNには「無担保型」と「有担保型」があるそうです。
(もうなにがなんだか…)
また、日本のETNは「JDR」といって日本判ADRみたいなものらしいですが、本質的なところは変わらないのでここでは言及しません。


【ETN】
---------------------------------
●[無担保型ETN]

ETN発行会社が金価格連動の(リンク)債券発行
  ↓
投資家がETN購入
(債券なのでデフォルトリスク有り)★
※リンク債発行体と同じく、金価格上昇に備えヘッジは行うと思いますが、やはり裁量であり義務ではありません。

---------------------------------
●[有担保型ETN]

ETN発行会社が金価格連動の(リンク)債券発行
同時に債券発行の裏付けとなる資産を100%保有(分別管理のようなもの?)

投資家がETN購入
(実質的にデフォルトリスクなし??)

※以下『大証>ETNの組成方法』 より
「有担保型ETNで用いられる裏付け資産は,「換価が容易な資産」に限定されており,流通価値の無い社債券や株式は認めていません。」

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以上を踏まえると、

1)現物保有ETF:現物保有なので基本的にリスクはない。

ないと思います。

2)デリバティブ(先物、オプション)運用ETF: 価格変動リスクはオプション市場から回収する。回収しきれない時は、ETF保有者の損となる。

投資家が間接的にデリバティブポジションを持つのと同じと考えていいと思います。
ですから、価格変動リスクは投資家が負っています。

※ちなみに先物やオプションはクリアリングハウスと呼ばれるいわば分別管理会社が顧客資産を管理しているので、カウンターパーティリスクと呼ばれる債務不履行(決済不可能)のリスクは低いです。

3)リンク債ETF:価格変動リスクは、拠出信託分を当て、それを超える場合はリンク債発行者が負担する。負担しきれない時(倒産等)はETF保有者の損になる。

これも投資家が間接的にリンク債を買っていると考えていいでしょう。
価格変動リスクはやはり投資家が負っています。
債券ですからリスクは通常の債券と同じでリンク債のデフォルトリスクです。
また、償還時の資金確保については前述のとおりです。

4)ETN:価格変動リスクは、ETN発行者が負担する。負担しきれない時(倒産等)は、ETN保有者の損になる。

やはり価格変動リスクは投資家が負ってます。
リスクもデフォルトリスクです。
償還金についてはこれも前述のとおりです。

※ちなみに、有担保型は、「裏付け」さえ守られていればデフォルトリスクなしということになります。(発行体のメリットがいまいち分かりませんが?)

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上記の説明はわたしなりの解釈ですので現実の実務に携わっている方が見るとおかしなところがあるかもしれません。
ただ概略としては間違っていないと思います。
明らかにおかしいところがあれば詳しい方に別途指摘していただけるといいのですがクローズしていますので参考程度にお考えください。
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<参照リンク>
『ETNの組成方法』
http://www.ose.or.jp/stock/5780
『JDR』
http://www.ose.or.jp/glossary/5798
『ADRとは?』
http://kabushiki-blog.com/article/9048419.html
『クリアリング・ハウス』
http://www.weblio.jp/content/%E3%82%AF%E3%83%AA% …
『カウンターパーティリスク』
http://m-words.jp/w/E382ABE382A6E383B3E382BFE383 …
『東証>ETF・ETNスクエア』
http://www.tse.or.jp/rules/etf/esquare.html
『大証>ETF・ETN』
http://www.ose.or.jp/stock/etfs
『投資信託協会>ETFの仕組み』
http://www.toushin.or.jp/investmenttrust/etf/sch …
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リンクノート型ETFは指定参加者が金銭を拠出します。

ETNではこれがありません。
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