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まったくの素人です。
土壌には岩が風化して砂になり粘土などになった無機質のものと、生物由来の有機的なものとあると理解しています。
以前新聞の記事に「世界中の農地の土壌は平均たかだか15Cm ほどの厚さしかない。これが風や水で失われたら農業は壊滅する。現在どんどん失われつつある。」というものがありました。
ここで質問です。
1)世界の農地には無機質ばかりの土壌もあるのでしょうか。その場合は肥料が沢山要るということでいいのでしょうか。
2)私の住宅団地は山のすそですが、最近近くの小山をブルトーザーなどで削っていました。山全体が硬いですが赤土というか崩せばすぐ畑になりそうな土で出来ていました。日本は(アルプスなど岩が露出した場所以外は)15Cmどころではない、何十メートルも土のある土地柄が殆どのようですが、この認識はあっていますでしょうか。
3)ガンジス平野などのいわゆる沖積平野?は土が深くたまっていそうで、その喪失を心配しないでいいように思うのですがこの認識は正しいでしょうか。

A 回答 (2件)

想像ですが、、、


> 世界中の農地の土壌は平均たかだか15cmほどの厚さしかない
農地で土壌が重要なのは、根を張る深さや、養分、保水、排水などのことです。ある深さ以上のところは農地の土壌としての意味がないと思います。
樹木の場合、樹高の60%くらいの深さが根の限度です。斜面や下が強く固結した基盤ならば根を張る土の厚さは少しで済みます。 農業の中心である穀物栽培の場合、深さ10cm~15cmの土壌で十分です。大根、ゴボウなどの根菜でもない限り、深い土壌は不要です。普通の野菜も厚さ15cmの土壌で十分です。
http://www.ruralnet.or.jp/gn/200610/kant.htm
農地は、同じところを何度も耕作します。耕起も10~15cmで行われることが多く、耕作方法などによって違いますが、耕盤という固いプレートがその下にできてしまっている農地も多いです。 水田では保水上、このような耕盤ができていることが大切です。 人力や牛馬力で耕作するのでは深くは耕せません。世界の農地の土壌に厚さはないです。 平均すれば15cmの厚さはないかもしれません。
  
> 世界の農地には無機質ばかりの土壌もあるか
現代では完全無機のロックウールやウレタンなどの固体を使う作物栽培(水耕栽培)は、生産効率などで重要で注目分野です。
http://www.nittobo.co.jp/grodan/index.html  http://www.suikousaibai.net/plantFactory.html
ロックウール、ウレタン培地を使用する水耕栽培の場合、養分水分の補給管理に技術が必要です。
最先端の作物栽培を別にして、ほとんどの農業では土を使う有機栽培をします。植物の生長に必要な成分や水分の確保には団粒構造をもつ土壌が不可欠です。 無機質の土では植物の生育に必要な窒素分を人為的に肥料として入れる必要があります。 化成肥料ですべての窒素分を補のは経済的でありません。 保水性、排水性を確保することも含めて、有機質を混入させた土を農業では使うと思います。
 
> 何十メートルも土のある土地柄が殆ど
土を比較的簡単に砕けるものとするならば、低地平野には沖積地、洪積地があり、その厚さは数百メートル以上のところもあります。
 
> 沖積平野には厚く土が堆積しているので、表土喪失(流失・流亡)を心配しないでいい
低地平野の多くは標高が高くありません。 農業では水浸しのままでは農地になりません。 土の厚さが30mでも、標高4mの土地では農地になれる場所は限られてしまいます。
ガンジス平野(ヒンドスタン平野)にあるバングラディッシュでは丘陵地帯を除き国土は海抜数メートルの高さで、雨期には国土の80%が冠水状態ですから、現在の地表よりも深い場所は土があっても農地には使えません。ヒンドスタン平野中央(インドの東西中央)のカーンプルの標高は126mです。ガンジス河口からカーンプルは直線距離で1000kmです。現状でもほとんど真っ平らです。現在の表土がなくなるともっと平らになり、水が流れなくなったり、湿地になります。地下に深く厚く土があっても、表土を失ったら農業用地にできません。
http://www.asahi-net.or.jp/~vm3s-kwkm/edo/index. …
http://doboku.metro.tokyo.jp/start/03-jyouhou/da …
 
標高面で問題がない場合でも、現状の表土が失われると、下に土があっても農地として使えなくなります。
岩石が風化しても植物が多量に必要とする窒素はできません。河川の上流から土砂が流れて堆積しても、それだけでは農地になりません。 植物有機物が分解して表土の中に溶け込んで初めて表土の厚さの中に窒素分が含まれるので、農業生産できる培地として必要な土壌になるにはかなりの年月が必要です。自然過程ではそうなるのに数十年~数百年必要だとのことです。
そうした経過を経た土壌でなければ窒素は存在せず、通常の用土にはなりません。
 
風や雨で農業できる表層土が失われると、下にある窒素分の少ない土壌、固い土壌までの少しの厚さの培地になります。15cm以下になってもある程度は良いでしょうが、厚さ5cmを切ったら、植物が生育できる養分、保水性、排水性は確保できなくなる危険が高くなります。
 
土の性質には、礫/砂/泥/粘土などの粒子の大きさ区分とは別に、固まり具合があります。(篩の目のすき間を落ちるようなばらばらの状態/手でも壊せる程度であるが塊状になっている/1mくらいの高さから落とすと砕ける程度の固さ/機械などを使ってやっと砕ける固さなど) 土木工事現場で見ればわかるように地下にある土は長年の上の重みで固く締まっていて、そのままでは農業培地に使えません。 鹿沼土はいくつかの工程をへて園芸用として販売されますが、養分の乏しい軽石です。そのままでは農業培地として不十分です。
http://www.k3.dion.ne.jp/~o-gaki/kanuma_ko.html
http://www.kanuma53.com/kanumatuchi.html
沖積地の土壌の表層の多くは農業向きですが、向かない土壌もあります。深いところの土壌はある程度固結しているので砕く必要があります。また、植物の生育に必要な養分を持っていないかもしれません。 http://agrimesh.dc.affrc.go.jp/soil_db/explain_1 …
http://agrimesh.dc.affrc.go.jp/soil_db/explain_o …

関東ロームは厚さのある地層ですが、リン成分が植物が利用できるような形ではないこと、砕けて乾くと軽くて風で飛び、雨が降れば粘土状態になるものです。関東ロームはそのままでは農業培地にむきませんが、落ち葉など有機成分や沖積土を関東ロームの表土に混入させて黒ぼく土に変えることで、野菜など畑作にも使えるようにしたり、田土に関東ロームを混入して土壌改良にも使います。
「世界の農地の土壌」の回答画像2
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この回答へのお礼

非常に詳しいご回答ありがとうございました。いろんな疑問がクリヤーになりました。よく分かりました。
農地としての15cmの土壌は必要かつ充分と言うことで、これは人為的に作られたもの、日本においてもそれ以下の地層は基本的にそのままでは使えないということですね。

アマゾンの水田がほとんど底なし沼の様なものが多いのが不思議でしたが、そういった地層もあり、日本のように比較的恵まれた土地もあるというように理解させて頂きました。
我が家のあたりの分譲地は固いですが、耕すと大きな礫が一杯出てきて、それを排除しながら畑作をしています。やや赤めの土で、最初の頃は殆ど肥料をやらなかったのですが、初心者ラックで様々なものが豊作でした。10ねん以上経て、毎回牛糞堆肥をまぜこんでいるのですが、どんどん実なりが落ちています。この土はどうも最近出来た沖積地で、養分も最初からあったのかとか思っていました。
そんな地層がやま全体であるように思いましたので、疑問に思った次第です。数年前フクシマの黒磯あたりを通過しましたが、畑の土が真っ黒だったので、ところ変われば、と感心したことがあります。

お礼日時:2011/09/27 10:04

1)農地であれば、無機質だけの土壌ということはありえません。


農地であれば、作物が栽培されるわけですし、作物が栽培されれば、根っこや収穫残さが土に残されて、土壌有機物になりますからね。
有機物量が少ないという事はありますし、一般に有機物が大変少ない農地では肥料が多めに必要になるという事はあります。
2)何十メートルも風化土壌がある土地はありますが、土壌に恵まれている日本でも、そんな土地はかなり限られます。
世界的には土壌層がほとんど存在しない土地や、土壌層があってもごく薄い土地が沢山あります。
世界の土壌の厚さが、平均15cmなどという話を、時々聞きますが、その根拠を聞いたことはありません。相当大まかな推定だと思います。
3)沖積平野は一般に土壌層が厚いです。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございます。
1)ここを農地にしよう!と決断するのに無機質だけの土地というのはどうかな、可能なのか?と思ったのですが、(肥料を多めに施すということで)出来ると考えていいのですね。たとえば砂漠などはその典型かと思うのですが、水の問題を解決すれば多分不可能ではないのですね。
2)そうなんですか。私の近辺で岩盤が露出しているところは一部の小川の川床くらいのもので、皆掘ればかなり土があるような気がしたもので。
>世界的には土壌層がほとんど存在しない土地や、土壌層があってもごく薄い土地が沢山あります。
そうなんですか。いわゆる荒れ地というものなのでしょうが、そこでは当然農業は不可能なのでしょう。
アマゾンや熱帯では日照が強すぎたりして生物由来のせっかくの有機質がすぐ無機になってかちかちになってしまうので農業に不向きな土地が多くなると聞きました。しかし土質が残っていれば農業は出来そうです。
>世界の土壌の厚さが、平均15cmなどという話を、時々聞きますが、その根拠を聞いたことはありません。相当大まかな推定だと思います。
世界の一般的な土地を含むということだったのでしょうか。ならその中の農地の割合はおそらくわずかなものだと思いますし、土が失われているという問題(おそらく食糧危機にリンクする)が深刻な問題になっているというのもにわかに信じられない、という思いで質問した次第です。
ちょっと安心しました。

お礼日時:2011/09/24 08:52

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